【NPT 関連資料】 (2011.8.21)


2010年NPT再検討会議 アメリカ代表団 演説
国務長官 ヒラリー・ロドハム・クリントンの声明

2010年5月3日 一般討議 (ニューヨーク)
(全訳)
 原文:http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/NPT/pdf/11.pdf


 事務総長(国連事務総長・潘基文)、天野事務局長(IAEA事務局長・天野之弥)、カバクチュラン大使(フィリピンの駐アラブ首長国連邦大使・リブラン・カバクチュラン。2010NPT再検討会議の議長を務めた。)がこの再検討会議をともにリードする卓抜した指導力と核不拡散へ向けての挑戦を強調してきたことに対して感謝したいと思います、

 ご承知のようにオバマ大統領は核兵器および核分裂物質が突きつける脅威を削減することを私たちの外交政策の中心のミッションとしました。そしてその中核にはNPTが横たわっています。私はオバマ大統領がこの会議に送ったメッセージの一節を読み上げることで(この演説を)始めたいと思います。

 『40年もの間、NPTは、われわれの核兵器不拡散へ向けての集団的努力の礎石であり続けました。しかし今日、この体制は高まる圧力のもとにあります。1年前プラハにおいて、私は核兵器拡散をストップさせ、核兵器なしに世界の安全保障と平和を追求する私たちの取り組みの一環としてアメリカがNPTの鍵となる一つ一つの柱に最優先を置くとしたのです。(09年4月オバマのプラハ演説の内容を指している。)

 『今日、世界の目は私たちに注がれています。これからの数週間、私たちの一つ一つの国は、それぞれの立場を示す好機を持つことになります。私たちはその責任を全うするのでしょうか、それともゆるがせにするのでしょうか?私たちは各国の権利を保障するのでしょうか、それとも阻害するのでしょうか?これらは私たちが答えなければならない疑問ですし、私たちが当面する難題でもあります。この会議において、私たち人民(people)が受けるにふさわしい平和と安全保障を追求するためともに連携しようではありませんか。』

 さてオバマ大統領と私は、多くの異なった見解が存在することを、またこの会場の中には異なった歴史的経験が詰まっていることを承知しております。核兵器保有国、これにはわが国も含みますが、この取り組みを主導する準備があるのかどうか、ある人たちの間に疑いがあることも承知しています。

(“この取り組み”の原文はthis efforts。オバマのメッセージを引用した直後なので“核兵器のない世界”へ向けての取り組みとも解釈できるし、“核軍縮”へ向けての取り組みとも解釈できる。歴代アメリカ政権は“核軍縮”と“核兵器廃絶”は同じもの、というメッセージを発し続けた。あるいは少なくともベクトルは同じ方向を向いていると言い続けた。しかし今日NAM諸国においてはこの二つは全く違うものであり、異なるベクトルを向いている、と云う認識で共通しているようだ。むろん“核軍縮”のベクトルは一部核保有国の“核独占”のベクトルである。従ってこのクリントンのいう取り組みが、“核兵器廃絶”なのか“核軍縮”なのかは大いに問題となるところである。しかしながら、オバマ政権成立後の文脈の中で見るとこれは明らかに“核軍縮”である。オバマ自身プラハ演説でアメリカは最後の核兵器保有国となる、と明言している。)

 私はここに出来るだけ明確に申し上げます。:アメリカはその役割を果たします。私は、核兵器のない世界の構想に係わり、私たちがそこに向けて到達するに必要な確固としたと段階を踏むことに係わる国と大統領になりかわっています。そして私の(国連)代表団とともに、NPTの基本的目的を前進させ、かつグローバルな核不拡散体制を強化する、真心からのまた真剣な提案をもってこの再検討会議に臨んでいます。

 さて私とオバマ大統領は、しばしば権利と責任の問題について話し合ってきました。私たちにとってそれは単なるスローガンではありません。;それは私たちの取り組みを導く原理なのです。

(余計なことだが、恐らく国連総会会議場でこの演説を聴いていた各国代表は、ここら辺でこの話がどこへ向かっていくのか了解したに違いない。中には随分持って回ったいいかたをするなぁ、と思った人も多いだろう。かくいう私もその一人。)

 私たちは核エネルギーの利益を実現する条約(すなわちNPT)を遵守するすべての国の権利については認識しています。またそれら利益が出来るだけ広く拡散することを助ける資源に関与する責任についても認識しています。 

 私たちはまた、核兵器保有国として核軍縮に向けて動くべき私たちの責任についても認識しています。そのことこそまさに私たちが行おうとしていることなのです。私たちはNPTにおける基本的約束事のうち、私たちの側の事柄(すなわち核軍縮)に取り組んでいますので、私たちは全ての署名国に対して同じく取り組んで欲しいとお願いします。そしてグローバルな 核不拡散ルールを強化し、ルールに反しているものに守らせる取り組みを一緒に行って欲しいとお願いします。

 だから、この会議を始めるにあたり、なぜ私たちがここに集っているのか、と言う点からはじめましょう。というのはわけのわからない言葉や技術的な論争で台無しにするのは簡単なことだからです。

しかしながら、ここでは核拡散の脅威なしに、私たちのすべての子供たちや孫たちが神から与えられた潜在力を実現することの出来るより安全な世界を創造するという使命が存在しているのです。
(クリントンは核“Nuclear”そのものよりも核拡散“Nuclear Proliferation”の方が脅威だと云っていることに注意)

 この会議はNPTが発効して40年後にやってきました。同時に、世界は分岐点煮立っています。ケネディ大統領は1975年までに20を数える国が核兵器を保有するかも知れないと警告しました。そして多くの人が核拡散は不可避であるといいました。さて今日、喜ばしいことにその時代の限りなく暗い予測は振り払われ、また過去40年間核兵器は使用されることはありませんでした。

 しかしながら、私たちはNPTの意義を認識する故に、同時に40年前の前任者たちがそうであったように、私たちもまた分岐点に立っていることを悟らなければなりません。繰り返しになりますが、私たちは新たな核拡散の波がやってくるという事態に直面しています。また繰り返しになりますが、ある人たちはさらに多くの核武装国とそのネットワークが存在する不安定の中で生きるのだと学ばねばならないと云っています。

 さて今日、圧倒的多数の諸国は核不拡散の義務に恥じない行動(live up to)を取っています。しかし2,3の国がNPTのルールを侵し、国際社会をものともしない決意を示しています。

 過去10年の間、ある国はごまかしが発覚した後、NPTから脱退すると明言し、結果2回の核実験を行いました。もう一つの国はその(NPTの)セーフガードに違反しているにもかかわらず、皮肉なことに条約に忠実だと主張し、そのウラン濃縮計画を拡大し、IAEAに協力することを怠り、そして安全保障理事会の命令(injunctions)も無視しています。

 しかし、繰り返しになりますが、こうした困難の中においてもほとんどの国は異なる道を選択する機会を有しています。そして昨年プラハにおいてオバマ大統領が発したメッセージが緊急性を有するのです。ルールは守られねばならない。違反は罰せられなければならない。言葉は意味されねばならない。そして世界はこれら兵器の拡散を防止するためにともに立ち上がらなければならない。今やこの会議において、強い国際的な対応をとるべき時です。

(この時点ではアメリカとクリントンは、NPT再検討会議でイランの孤立化が可能だと信じていた。)

 再検討会議は過去40年の間5年ごとに開かれてきました。しかし余りにもしばしばお馴染みの線に沿って揺れ動いてきました。核兵器保有国対非核兵器保有国、あるいは西側諸国対非同盟運動諸国(the Non-Aligned Movement)。共通の困難にともに立ち向かうのではなく、われわれが想定する利益を守るため、あらかじめ予測のつく位置に退いてきたのです。今回は違わなければなりません。ある大臣が私に語ったように、『私たちは箱から飛び出して考えなければならないだけでなく、障害を飛び越えて考えなければなりません。』(“We not only must think out of the box, we must think out of the blocs.”)

 私たちは建設的であろうとしない幾つかの国があることを知っています。今日の午前中、イランの大統領は、あいも替わらぬ退屈で、間違った、そして時として粗野な攻撃をアメリカとこの会議の他の諸国に対して行いました。

(クリントンの演説が5月3日の午後だったのに対して、イラン大統領アフマディネジャドの演説は午前中の2番目だった。)

 しかしそれも驚くことではありません。みなさん全員が今朝聞かれたように、イランは自らの履歴から注意をそらすため、また自らの責任から逃れるため何でもやるでしょう。 

 しかしながら、究極的には私たちはその言葉ではなく行いで裁かれます。そしていかに激しくその権利を主張するかではなく、いかに責任を忠実に全うするかで判断されます。事務総長が云うように、この件では責めはイランにあります。(the onus is on Iran.)

 これまでのところイランはその責務を果たしていません。イランはこの会場の中で、現在のところIAEAの理事会でその核のセーフガードを遵守していないとされるたった一つの国です。一カ国だけです。イランは国連安全保障理事会やIAEAを無視して来、不拡散体制の将来を危殆の淵に追いやっています。そしてそれが(イランが)国際的に孤立を深めている理由であり、国際社会から圧力を受けている理由なのです。

 しかしイランはその責任転嫁と分断の試みに成功しないでしょう。アメリカと圧倒的多数の諸国はもっと大きな課題とともにこの会議に参集しました。すなわち:全ての国の安全保障を前進させ、お互いの権利と責任を前進させるため、グローバルな核不拡散体制を強化することであります。

 今は実際的な解決策を促進することに焦点をあてるべきであって、非現実的な課題を追求すべき時ではありません。今は全体的合意を形成すべき時であって、それを阻害すべき時ではありません。そして私はイランに、より安全な世界に向けて協働し国際的な義務を全うし前進させるためこの会議に集まったその他の全ての代表団に加わるように呼びかけます。

(この時点、2010再検討会議の初日の時点、クリントンにはまだ自信があった。イランを孤立させ、アメリカ・オバマ政権が思い描く核不拡散体制で仮に合意が得られないにしても、その責任はイランにあることをNPTの場で立証できれば十分であった。4週間後の最終日、中東非核兵器地帯創設を日程化しあまつさえ核保有国のイスラエルに参加を求める内容を盛り込んだ最終文書に賛成することとなり、その直後にイスラエルの名前を入れたことに後悔する、と言う声明を出すはめになるとは予測もしていなかったであろう。)

 賭け金はNPTの黎明期の時と変わらぬ高さです。(The stakes are as high as they were at the dawn of the NPT.)古くさい分裂の轍を踏むことは出来ません。(And we cannot fall into the ruts left over from old divisions.)ですから、われわれの違いに注意を払う小さな少数派の存在を認めるよりも、私たちは大同団結して、核不拡散の流れに淵源する40年以上にわたる進歩のコースを定め、これら兵器の使用を防止し、核力(原子力)を平和と繁栄のために使用するということを認識しなければなりません。

 ですからこの目標を実現するために、私たちは核不拡散体制の3つの柱を強化することに再び深く関わらなければなりません。(must recommit ourselves)その3つの柱とは、それぞれ核軍縮、民間核エネルギーへのアクセス、そして不拡散です。(those three pillars ? nuclear disarmament, access to civilian nuclear energy, and nonproliferation−)この政権は(オバマ政権は)、アメリカは、単に言葉を通じてでなく、行いを通じて主導して来ました。

 NPTへのアメリカの関与は、私たちの兵器敞における核兵器の役割と数を削減する取り組みとともに開始されました。オバマ大統領が執務に就いた時、大統領はアメリカが直面する最大の潜在的危機は、グローバルな核戦争に由来するのではなく、アルカイダのようなテロリストグループがナマの核装置を手に入れることに由来すると認識しました。そして21世紀の脅威は大量の核兵器貯蔵によっては表せないと知ったのです。ですから私たちは不可逆的で、透明性をもった、検証可能な段階を経て、私たちの兵器敞の核兵器の数を削減することにしたのです。ロシアとの新STARTは、1950年代以降かつて見られなかったほどのレベルでそれぞれの国の実戦配備戦略核兵器の数を制限するでしょう。(limit the number of strategic nuclear weapons deployed by our countries )

 この合意は事務総長の要請する、独立した相互的に強化する機構の枠組みに立脚した合意を通じての核軍縮の追求というセンに沿ったものです。

 アメリカの核態勢見直しは、既存の兵器に対して、アメリカの新たな核開発と核の使命とその能力にルールを定めたものでした。また「核態勢見直し」は核不拡散の義務に忠実なでありかつNPTに参加している非核兵器保有国に対しては核兵器を使用しないとも述べています。

 私たちは包括的核実験禁止条約批准に関与してきました。そして検証可能な核分裂物質カットオフ条約に関する多国間交渉を開始する準備が出来ています。出来すぎているほどです。

 そして本日、私はアフリカと南太平洋で設立されている非核兵器地帯に参加すべくアメリカ上院が批准する議定書を発送することをお知らせします。批准によってそれら合意に参加している諸国に対してアメリカは核の使用あるいは核の威嚇をしないことを法的に保証することになります。そしてそれら地帯の非核兵器地位を完全に尊重します。また私たちは、議定書に署名することを可能とする合意に達する取り組みの一環として、中央アジアと東南アジアにおける非核兵器地帯参加国と協議を行う用意があります。

(南太平洋非核地帯は1986年12月、東南アジア非核兵器地帯は1997年3月、中央アジア非核兵器地帯は2009年3月、アフリカ非核兵器地帯は2009年7月にそれぞれ発効している。アメリカはこれまで南太平洋については恐らくニュージーランド問題、アフリカに置いては参加各国との自由協定問題がネックとして批准してこなかった。また中央アジアについてはロシアを利するものだとして、東南アジアについては200海里・大陸棚条項がネックとして署名もしていない。)

 私たちは、1995年の中東決議(Middle East Resolution)に伴う非大量破壊兵器地帯という目標実現を支持します。中東は今日世界における核拡散の最大の脅威かもしれません。NPT遵守は普遍なものではありません。NPT参加の幾つかの国は条約の義務を侵犯してきました。しかしこれら困難にもかかわらず、私たちはこれら大量破壊兵器のない中東という目的に向かって関与することを再確認します。またこれら目的に向かって私たちを動かしていく実際的な手段を支持する用意があります。

(このくだりを聞いたNAM諸国の多くは、「よくいうなぁ」と思った事だろう。アメリカが強力に支援するイスラエルはNPTに加盟していない核兵器保有国ではないか。)

 オバマ大統領は、アメリカは核兵器が存在する限り核抑止力を保持することを明確にしています。核抑止力はアメリカとその同盟国を守ることが出来ます。しかし私たちはさらなる削減を追求し続けまた核兵器敞の透明性を改善する具体的なステップを追求します。

 本日を手始めとしてアメリカはその貯蔵における核兵器の数を公表し、1991年以来廃棄した核兵器の数を公表します。従ってアメリカが核軍縮を行うものであることを疑う人たちに対しては、これが私たちの記録であり、私たちの関与であり、また明確で誤りないシグナルを発信することでしょう。

 私たちはまたもう一つの柱を強力に推進することに係わります。すなわち:民生用核エネルギーへのアクセスです。私たちは紛れもなく、条約を遵守する諸国の平和目的用核技術と核エネルギーへのアクセスの権利を支持しています。IAEAの最も高い推測では、5年前の最後の再検討会議(2005年)以来、新たな核エネルギー能力はほとんど2倍になっています。またアメリカは平和目的の核エネルギーを使用する全ての国の能力を拡大することを支援したいと思っています。過去10年間の間に私たちはIAEAの技術協力基金にほぼ2億ドル拠出してきました。私たちはこの取り組みの最大の拠出者であります。そしてこの取り組みは、核エネルギーの平和的使用を発展あるいは拡大する100カ国以上の諸国を助けてきました。

 今日大統領は私に、アメリカがIAEAの新たな「平和的使用イニシアティブ」に対して今後5年間の間に5000万ドルの追加的関与を行うことを(皆さんに)お知らせするように要請しました。私たちは他のパートナー諸国が5000万ドルに対応する拠出をしてくれることを期待しています。私たちはこれら資金を、健康管理や栄養管理の増進、水資源管理、食糧安全の増進、そして核力(原子力)の安全で安定した使用のためのインフラ開発を行おうとしている諸国に対する援助に使います。

 私たちはIAEAの事務局長が人道的目的の民生用核エネルギーの使用を拡大してきたことを喜ばしく思います。同時にアメリカは、40カ国以上の、特に中東、北アフリカ、東南アジアの諸国との2国間技術協定を強化しています。

 しかしこの条約(NPT)は一つの国がルールを侮り、不正に核兵器能力を開発しようとする時、弱体化します。従って私たちがこれら柱の発展を追求するに際しては、私たち自身、核不拡散体制に再関与しなければなりません。IAEAの指導者たちが核不拡散体制の遵守を検証するという彼らの使命を遂行するため、さらなる資源とその管理能力を要求する時、私たちは対応しなければなりません。IAEAがNPT参加各国に対してその条約義務に適応していることを保証するため追加議定書に署名と批准を求めるならば、行動しなければなりません。

 しかしセーフガード違反を探知するIAEAの能力を改善するだけでは十分とはいえません。潜在的な違反者は、もし彼らがルールを破るなら、高い代償を支払うことになると知らなければなりません。また今日そのようなことが確実にない、とわからねばなりません。

近年の遵守執行に関する国際社会の記録は受け入れがたいものです。ですから私たちは、全ての国際的核協力の一時停止であるとか条約遵守が回復するまでIAEAの技術的協力プロジェクトの一時停止であるとかと云ったような、セーフガード違反に対する自動的な罰則規定を考慮する必要があります。

 そして私たちは不正な核拡散ネットワークを阻止するような、可能な限り金融的法的手法を使わなければなりません。このことは出荷の管理強化や微妙な技術の移転の制限を強化することを意味しています。また責任を回避しようと条約から脱退しようとする国をそうしないようにと説得する道を見つけるべきであります。

 さて、私は条約から脱退する権利を制限する追加条項を提案しているのではありません。しかし、ある国が条約違反を犯し、罰を免れたりあるいは核兵器を追求しようとすら企図してNPTから脱退するということは看過できません。

 NPT参加国はグローバルな核不拡散体制を構築しようと何十年も費やしてきました。そして、もし国際社会が罰を免れたままNPTのルールを破る国の存在を許すならばそうした努力は無意味なものとなってしまうのです。

 この会議における私たちの取り組みは将来の行動に基礎を与えるものです。そうした行動にはIAEAのセーフガードの強化、軍縮に関する会議における核分裂物質のカットオフ条約に関する交渉、国連安全保障理事会における拡散違反に対する規制強化などを含みます。

 過去40年間は、核拡散は不可避的ではないことを証明してきました。私たちはそれ(核拡散)を止められると信じています。しかしここにいる全員が共通の危険を認識し、共通の土台を見つけ出し、腕の裾をまくり上げながらこの1ヶ月間ともに創造的で実際的なステップをとることを必要とするでしょう。

多くの憶測がありますが、各国が国連に集まった時、多くの言葉だけが使われるだけで何も起こらない、という人もいます。さて、これら疑いが間違いであることを証明するのはこの会議に集まった私たち次第です。これからの40年、私たちの後続者は不拡散条約の80周年を迎えるでしょう。

(おや、それまで核兵器は存在するの?そうはいかないよ。)

 その新たな建設の機会に参集した男たちも女たちも、いったんその建設が完成した暁には、私たちが今日ここで話をしたことを覚えてはいないでしょう。もし言葉が行動と一致していなければの話ですが。

 しかし、私たちの子供や孫たちは今月私たちが決めたことの結果とともに生きていくことになるのです。世界がより安全になるかそうでなくなるかは私たちの選択する道次第です。そしてともに行動し、またキッパリと行動する道を見つける以上の理由はありません。

 *抽象的で説教調。クリントンの狙いはイランの孤立化にあった。だからそのこと以外は内容に乏しい。
ただこの時点ではクリントンは自信に満ちていた。