【参考資料】ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ
 (2011.4.9)
引用元:http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201103/12_a.html
官房長官記者発表
平成23年3月12日(金)00:15
 ※読みにくいため段落替えをしている。原文は段落替えは一切なし。
 東北地方太平洋沖を震源とする地震について

    昨日14時46分ごろ発生した宮城県沖を震源とするマグニチュード8.8の地震について、ここまでのところ取りまとめてご報告をいたします。この地震については、「東北地方太平洋沖を震源とする地震」と命名されました。多くの皆さんが被災をされ、また、既に未確認のものも含めれば相当数の方が亡くなられている情報が入っております。被災をされた方にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方にご冥福をお祈り申し上げます。

 現在の対策の概要でございますが、救助活動に当たっている職員の皆さんは、まず警察が各県警などから広域緊急援助隊約2千名が出動をいたしております。これに加えて航空機11機、災害救助犬8頭も既に出動をいたしております。消防においては、緊急消防援助隊の547陸上部隊、この陸上部隊は一部隊おおむね5名前後で構成されておりますので、2千人から3千人ぐらいの数になろうかと思います。更に9つの航空部隊と8つの海上部隊が出動いたしております。

 防衛省は自衛隊の東北方面隊を中心に8千名体制、それに加えて航空機約300機、艦艇約40隻が救援活動に当たっております。海上保安庁は巡視船艇322隻、航空機44機、特殊救難隊10名が既に救助活動に動いております。被災地における物資の確保について、関係団体に依頼するなど、各省連携をいたしております。

 また各都道府県の備蓄を最大限活用すべく、現在、備蓄状況の確認を急ぎ、その輸送のためトラック協会等に協力を要請いたしております。

 なお、在日米軍に対しても既に支援を要請をいたしまして、空母ロナルド・レーガンによる消防ヘリ等の着艦、給油、医療支援の実施を検討しているところでございます。政府としては、このようにあらゆる手段を講じて被災者の救助に全力で取り組み、もう既に急ピッチでその作業が進められているところであります。

 交通等の遮断も続いておりますが、緊急車両については東北道全線、八戸道全線、それから新潟からいわきへと横断する磐越道全線、中央道のいわき中央から三郷間など、基軸となるべき高速道路については、緊急車両の通行は可能という状況となっておりまして、部隊、物資等の輸送等のラインは確保をされております。こうした幹線からそれぞれの被災地に向かうルートについては大変困難をきたすというふうには予想をいたしておりますが、とくかくに近い所まで物資、人員を届けるということの最低限の交通網は緊急車両は通れるという状況になっているところでございます。

 気象庁によれば、今後の余震により、場所によっては強い揺れとなる恐れがあるとのことであります。ご承知のとおり、ニュージーランドの過日の地震も一度目の地震に対する余震で多くの犠牲者が出ております。余震という言葉だと、小さいという印象をもたれる方いらっしゃるかもしれませんが、余震も相当大きいものがあると。本震と、つまり昨日の14時46分の地震に準ずるような地震が起こる可能性はありますので、皆さんそれぞれそうした点についての備えをしていただきたい。特に、地震の揺れの大きかった地域では、土砂崩れや家屋の倒壊などの危険性が通常より高くなっております。今後の余震によって、更に被害が拡大する恐れがありますので、十分な警戒をお願いをいたします。

 また津波についても、第2波、第3波がより大きくなって到達することがあります。あと1日以上は、依然として継続をすると予想をされております。今も大津波警報も出ている地域が多々あります。こうした警報が解除されるまでは、第一波に準ずるような大きな第2波、第3波が到達するおそれがありますので、沿岸には近づかないようにお願いをいたします。

 今後とも適切に情報提供していくことに努めてまいりますので、国民の皆さんにおかれましては、テレビ、ラジオや自治体の広報等に注意をし、関係機関の指示に従い、落ち着いて行動をしていただきたいとお願いを申し上げます。被災地ではこれから寒い夜を迎えます。様子を見に外出することなどはせず、避難所など安全な場所で過ごすようにしてください。救援活動は夜を徹して全力で続けます。夜明けとともに更にペースを上げます。お互いに助け合いながら、引き続き冷静な活動をお願いをいたします。

原子力発電所関係について

 原子力発電所関係でございますが、福島第一原子力発電所における事故に関しては、非常用炉心冷却装置による注水が不能な状態が続いておりますが、放射性物質の放出はありません。現在、復旧に向けて関係機関が全力を挙げております。

 しかしながら、21時23分、念のため、総理から半径3km以内の住民に避難命令、半径3kmから10km圏内の住民に対し屋内待機の指示が出ております。警察、消防、自治体が避難誘導に当たっております。自衛隊の支援も得て、自衛隊は既に80名が現地に到着をしております。警察も120名が対応中であり、更に30名が23時15分着の予定でございますので、もう着いているかと思いますが、現場に急行をいたしました。

 先ほどの時点で、大熊町においては3キロ以内の避難が完了しているという報告も届いておりますが、これは現在確認中でございます。双葉町の住民については避難中であります。避難民輸送のため21台のバスを、これは民間のバス会社にご協力、栃木あるいは茨城のバス会社にご協力をいただいて、現地に向けて派遣中であります。

 更に19時30分に、自衛隊に原子力災害派遣命令が出され、21時20分、大宮駐屯地の陸上自衛隊化学防護隊も現地に向けて出発をいたしております。

 住民の皆さんにおかれては、テレビ、ラジオ等の情報に注意をしつつ、また自治体、警察、消防、あるいは自衛隊の皆さんを応援にいただいております、こうした皆さんの指示に従って、落ち着いて行動いただきますようお願いを申し上げます。