（原文　http://www.trumanlibrary.org/whistlestop/study_collections/bomb/small/mb15.htm　） 原文１Ｐ目 原文２Ｐ目
１９４５年９月１１日付け 陸軍長官ヘンリー・スティムソンの大統領トルーマンあての手紙
１９４５年９月１１日 親愛なる大統領 　原爆に関わるロシアとの関係に関する本日の私のメモランダムの取り扱いについてですが、ロシアと原爆を共有することが安全かどうか、ポツダムで貴方とお話しした事を忘れるわけにはいきません。 一方でロシアは警察国家の一つであり、市民個人個人の自由を権利として保障する前であることも忘れるわけにはいきません。 　（警察国家―a Police State しばしば当時の文献に見られる表現で、枢軸国に対して警察の役割をする国家という意味合いらしい。ルーズベルトはアメリカ、イギリス、フランス、国民党中国、それにソ連を警察国家とした。） 　個人的自由に対するロシアの姿勢に変化があることは究極的に重要ではありますが、同時に困難であろうとの認識も持っております。しかし、その姿勢を変化させるについて、われわれが原爆を保有していることを、直接の手段として使うことは不可能との結論に至りました。原子兵器を共有するにあたって、ロシアの国内問題における何らかの変化を条件とすることは相手側の不快を誘うことになり、われわれが視野に納めている目的を実現するに当たり、より蓋然性低くすることになろうかと思われます。 　ロシアにおける個人問題に関する姿勢は恐らくは、ゆっくりとそして段階的に変化していくものと信じます。私としては、原爆問題に関するロシアへのアプローチが時期遅れにならないとすることで満足します。これが、本日私が貴方に手渡すメモランダムをまとめた理由であります。さらに申し上げるなら、このロシアの長い時間がかかる変化の過程は、原爆に関してもっと親密な関係を早急に片づくことになりはせぬかと信じております。原爆に関する問題は私がここで概括したような方法論に沿って行えば、うまくいくと自信を持っております。 敬具 ＜スティムソン　署名＞ 陸軍長官 大統領 ホワイトハウス