(2010.3.11)
<核兵器廃絶>参考資料

ファシスト石原都知事―「日本は核兵器開発をせねばならぬ」
英インディペンダント紙インタビュー


 2011年3月8日付けイギリス・インディペンデント紙は、東京特派員・デビッド・マクニールの署名入りで現東京都知事・石原慎太郎のインタビュー記事を掲載した。
(電子版は以下<http://www.independent.co.uk/news/world/asia/
japan-must-develop-nuclear-weapons-warns-tokyo-mayor-2235186.html
>)


 インディペンデント紙は発行部数20万弱であるが、イギリスでは「良質紙」の中に数えられている。このインタビューで石原は、「日本は核兵器開発をすべき」、「中国、北朝鮮、ロシアは敵」、「最先端武器を開発して輸出すべき」と述べている。マクニールは石原をフランスのファシスト、ジャン=マリー・ル・ペン(Jean-Marie Le Pen)に擬えて、「日本のル・ペン」と呼んでいる。蓋し同感である。東京都民は、3期12年の長きにわたって、戦前天皇制軍国主義者ばりの「ファシスト」を東京都知事にいただいていたこと、そしてその間、東京都の行政はこの「ファシスト」の思いのままだったことに思いを致すべきである。この記事から私たちが学ぶことは、二度と「ファシスト」を東京都知事に選出してはならない、という一点しかない。以下記事全文、小さめ青字のフォントは私の註である。


 『日本は核兵器を開発しなければならない、東京都知事警告す』
デビッド・マクニール【東京】 2011年3月8日

 東京のずけずけした物言いの都知事は、彼の国、歴史の中で唯一核攻撃を受けた国であるが、は急速に勃興する中国からの脅威に対抗するため核兵器を建造すべきであると語る。

 インディペンデント紙とのインタビューの中で、石原慎太郎は日本は1年以内に核兵器を開発しうるとしそれは世界に対する力強いメッセージになりうると語った。

我々のすべての敵、中国、北朝鮮、ロシアは全て隣接諸国であり、いずれも核兵器を保有している。世界に似たような状況におかれている国が他にあろうか?』
人はコストとかその他のことを云うが、事実は外交上取り引きを有利に運ぶ力とは核兵器のことなのだ。すべての(国連)安全保障理事会(常任)理事国は核兵器を保有している。』

 日本において2番目に政治権力をもつ当局の指導者からのこれらコメントは、成長する中国の軍事力を懸念する中で飛び出している。

 北京(中国)は先週、2011年の防衛予算は対前年比12.7%増、昨年の5321億元からの6011億元に達するだろうとの声明を行った。ほとんどの専門家は、この数字は過少に過ぎるとも述べている。

 スエーデンのストックホルム国際平和研究所の発表数字をもとにした各国の軍事予算(2009年)のデータは次を参照の事。
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/world_data/
list_of_countries_by_military_expenditures.html

 先月中国は公式に世界で2番目の経済大国の地位を日本から奪取した。盛大な(中国と日本の)2国間取り引きとは裏腹に、昨年の尖閣列島における海事衝突から回復するのかというと、(両国の)結びつきは依然としてぎくしゃくしている。尖閣列島は日本が領有しているが、中国はそれにクレームを出している。

 石原氏は、(日中間の)衝突は海上保安庁の警備艇につっこんだとして告発された中国船の船長を日本の官憲が釈放した時点で終了しているが、この衝突はアジアにおける日本の弱点をさらしたと語った。

(もし日本が核兵器を保有していたら)中国は尖閣列島に手を出さなかったろう。』

 この右翼知事は、「核武装日本」はロシアからの尊重を得ていたろう、ロシアは第二次世界大戦中に日本が所有していた四島を奪ったのだ、と付け加えた。

 日本はポツダム宣言受け入れることによって、太平洋戦争を終了した。そのポツダム宣言では、第8項で、「カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする。」と述べている。「我々の決定する周辺諸島」とは一体どこか、ポツダム宣言では明示されていない。しかしそれを決定するのは日本ではない。戦勝国側なのだ。ソ連は北海道を領有するという事は出来ないが、北方四島を領有することは出来る。逆に日本は連合国の了解のもとに北方四島は日本の領土だということは出来るが、その了解と同意なしに北方四島を日本の領土だということはできない。ポツダム宣言を受け入れる前、日本固有の領土であったかどうかは全く関係がない。日本の戦後は「ポツダム宣言」を受け入れることで出発した、という事実を石原は全く忘れているか、あるいは故意に無視している。(「ポツダム宣言」を参照の事。<http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm>)

 そして彼は、平和憲法国家日本は、武器製造と販売の規制をぶち壊すべきだ、と忠告した。

我々は先端技術武器を開発すべきなのでありそれら武器を海外に販売すべきなのだ。日本は、アメリカがその産業を破壊する前には、世界でもっとも優秀な戦闘機を作っていた。我々はそれを取り戻すことができる。』

 (日本の)保守派は長い間、その戦後憲法を捨て去るべきと要求してきた。戦後憲法はアメリカの占領の時に書かれたものであり、国家の権利としての戦争を廃棄している。

 ここの記述はやや不正確かも知れない。我々日本の憲法は、前文で「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と述べ、第9条第1項で「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と述べている。

 1964年から74年の間の佐藤栄作首相の産み出されたいわゆる日本の「非核原則」は、後々まで「日本は核兵器を作らず、もたず、持ち込ませず」とすることになった。この原則は部分的には、1945年アメリカによる広島と長崎への原爆攻撃によってほとんど一般市民による25万人以上の死に抱く一般大衆の嫌悪の気持ちに対する対応でもあった。
 
 石原氏は、核兵器計画に反対の立場をとったことで1974年ノーベル平和賞を受賞した佐藤氏は当時秘密裏に原爆開発を支援するようアメリカにアプローチした、と主張した。

 『もし佐藤政権が究極的にそのとき核兵器を開発していたら、そもそも北朝鮮はそんなにも多くの日本の市民を連れ去りはしなかったろう。』と、東京都知事は、人数不明の北朝鮮による拉致問題に関連して述べた。

 石原氏は、12年間の間、1300万人の都市を統治した後、今年は引退するものと見られている。彼はかつて同性愛の人々を「異常」と呼び、また子供を持つことの出来ない女性を「役立たず」と呼んだ。彼の右翼政治や一貫して中国の興隆に警告していることから、彼は「日本のジャン=マリー・ル・ペン」との異名を奉られている。



 以上でこの記事は締めくくられている。日本語Wikiによれば、ジャン=マリー・ル・ペンは「、フランスの極右政治家。反EU、移民反対などを唱える極右政党国民戦線の創始者で、初代党首。」であり「しばしば舌禍スキャンダルを起こし、ナチスのユダヤ人虐殺を『第2次大戦史の末梢事』だと述べた。1997年の総選挙では、社会党候補に暴力をふるったとして有罪となった。しかし、失業問題や移民問題が深刻になり、EU拡大に不安が募る中次第に支持を集め、1988年の大統領選では得票率14%、1995年には15%と着実な支持を得ていた。」という。
(「ジャン=マリー・ル・ペン」<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%
E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%
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 ル・ペンはファシストである。同様に石原もファシストである。しかし今の問題はル・ペンや石原がファシストであることにはない。真の問題はこの記事を読む私やあなた方の内部にある。核兵器開発・保有の石原の主張は別としても、石原の主張のほんのわずかにでも、「一理ある」ともしあなたが感じれば、あなたも立派に「ファシスト候補」である。少なくとも「ファシスト支持者」となる要素は十分にある。ファシストは常に根拠のない不安や脅威を煽り立てて、自らへの支持を取り付け、やがては専制権力を握るものだから・・・。