(2010.4.24)
<参考資料>イラン核疑惑:テヘランの「反核サミット」関連


そのA 指導者:「アメリカは唯一の核犯罪国」


  「プレスTV」(Press TV)の電子版で、テヘラン国際会議の初日、2010年4月17日付の記事。(<http://www.presstv.ir/detail.aspx?id=123548&sectionid=351020101)。イスラム・イランの最高指導者、アヤトラ・ホメイニーは、この会議で直接演説はせず、初日にメッセージを送った。そのメッセージの中で、ホメイニーは「アメリカは実際の戦争で核兵器を使った唯一の国である。」と激しく糾弾した。実戦で核兵器を使った唯一の国である、という事実は今でもアメリカの「アキレス腱」である。以下記事本文。

 イスラム革命の指導者は、アメリカは、不正にも核兵器拡散と闘っていると主張する、核犯罪国でありしかも唯一の「核犯罪国」(nuclear criminal)である、と云った。

 アリ・アクバル・ベラヤティは、アヤトラ・セイード・アリ・ホメイニーの上級側近であるが、土曜日(2010年4月17日)開会した「テヘラン会議」で、指導者のメッセージを読み上げた。

 そのメッセージで、指導者は核問問題に関するアメリカの二重基準を批判し、ワシントンを唯一の「核犯罪国」と呼んだ。

 世界の核犯罪国そして唯一の核犯罪国は今、不正にも核兵器の拡散と闘っていると主張するが、この問題に関して、間違いなくそのような動きをしてこなかったし、これからもそのような動きはしないだろう。』とメッセージは読み上げられた。

 核犯罪を犯した政府が唯一存在する。そしてそれはアメリカの政府である。その政府は非人間的な一方的な戦争において、広島と長崎の無辜の人民に対して核攻撃を行った』とメッセージは付け加えた。

 もしアメリカによるキャンペーンがまがい物でないなら、シオニスト体制が国際法によるルール、特に核不拡散体制、から遠ざかって、パレスティナの占領地を巨大な核兵器敞にするなどと云うことができようか?』と指導者は問いかけた。

 アヤトラ・ホメイニーは、核兵器を貯蔵すること、核兵器を使うこと、核兵器を使うと脅すこと、これらはすべて戦争犯罪となり、また地球の安全を危険に晒すことを犠牲にして、自らの安全保障のために核兵器を蓄積し続けるような国へと突き進むことも戦争犯罪である、と述べた。

 しかしながら、一握りの諸国は、非核化に対する国際社会の要求をはねつけ、そのような兵器が欺瞞の安全保障以外のなにものももたらさないという事実を無視し続けている、とホメイニーの声明は述べた。

 ホメイニーは、世界の社会は、核兵器は廃棄されなければならないという立場において一致している、と述べ、核兵器の使用はまたイスラムにおいては、「ハラーム」(haram)、すなわち禁止されている、と繰り返し述べた。

アヤトラ・ホメイニーは、これまで再三、イスラムの原理は核兵器を持つことを許していない、あるいは禁止している、と言明してきた。イラン人は何度も聞かされてきたことだ。それでここでは「繰り返した。」“reiterated”という表現となったと見える。)

 アヤトラ・ホメイニーはまた、そのメッセージの中で、平和的な核技術は中東諸国を含むすべての諸国に帰属している、とも述べた。

 世界の他の諸国同様、中東諸国も平和、安全保障、そして繁栄を渇望している。』そして、従って核技術を使用することを通して、『(すべての国は)その経済的地位と未来の世代の繁栄を確実なものとする権利がある。』

 指導者は、核兵器や化学兵器を含む、すべての形式の大量破壊兵器の使用や拡散との闘いを支援する用意があることを強調した。

 アヤトラ・ホメイニーは、またテヘラン・サミットが「非核化条約」を地球規模とする方法を見つけることを希望する、と述べた。

 核軍縮に関するこの国際会議において、世界における核兵器の製造と貯蔵がもたらす禍いについて再検討し調べ、そして、ヒューマニティに対するこの脅威に対抗する賢明かつ実際的な方法と解決策を提示し、もって世界の平和と安全を護る方向へ真剣な段階へと進むことは、この会議の義務にふさわしい。』
   
(そのBに続く)