記事一覧

第5回 広島2人デモ 報告

ファイル 11-1.jpgファイル 11-2.jpgファイル 11-3.jpgファイル 11-4.jpgファイル 11-5.jpg

【画像説明】
1.チラシ表面
2.チラシ裏面
▽チラシPDF
http://hiroshima-net.org/cat-crew/ivent/pdf/20120720.pdf

3.プラカード表面1
4.プラカード表面2
5.プラカード裏面1

========================

哲野です。

2012年7月20日、広島2人デモ<第5回目>の報告をします。(本来網野がすべきですが、酔っぱらって寝てしまったので私が。)

(網野注※内輪の冗談です。朝早かったので疲れて仮眠してました)

 今日は添付のチラシの内容を市民に説明し判ってもらうことが目的でした。チラシの仕上げについて事前に私と網野で意見の対立がありました。

 というのはチラシの裏面は、相当詳しく関西電力の節電期間以降の「ピーク時実際使用電力」、「ピーク時実際供給電力」、「ピーク時水力供給・火力供給・ 揚水供給」、「ピーク時他社電力」の実績を6月30日から7月17日まで詳細に羅列した表になっています。しかも他社電力の中で中部電力・中国電力・北陸電力からのいわゆる融通電力の実績表までつけた表になっています。結果、関西電力のピーク時実際電力供給能力は原発なしで3111万kW あることを実績から論証した内容になっています。チラシですから若干の解説と注(たとえば他社電力の主体は管内独立電気事業者と大規模工場発電設備からの余剰購入電力であること。融通電力は15%程度しかないこと、など)をつけて見せれば、表やグラフや数字の羅列に慣れた人であれば、非常に面白くよめる内容になっています。(恐らくは商店主、企業の経営者、営業幹部、生産幹部、技術幹部や営業マン、学者・研究者など)

 ところがこうした表に慣れていない人、あまり普段お目にかかったことのない人には恐らくチンプンカンプンだと思うのです。といって私の事務所の 1階に陣取っている学習塾の若いまだ学生みたいな先生に、事前に持っていって渡すのですが、彼女はたちまち表を理解して関電政府の悪質な詐術を見 抜くのです。

ところが、たまたま事務所を訪ねてきた永年反原発運動をやっている人に見せると2人ともまず表が読めません。相当な解説を加えると 30分ぐらいで理解してくれますが、まさかチラシを渡す時に長々と説明を加えるわけにも行きません。私はこの表を相当簡素化してチラシにしようと主張しました。ところが網野はがんとしてこのままで行こう、というのです。彼女の主張は、折角だから、今日はこのチラシが理解できる人を対象に歩こう、というものです。

 実際にこのチラシが理解できるレベルの人が大挙して動かなければ、世の中は変わりません。彼らが社会の要所要所で様々な影響力をふるっているからです。

 彼らが本当に「原発は危険だ。こういう詐術を使ってまで再稼働をすすめるのはおかしいし、危険だ。自分たちの子どもも、孫も護れない。」と思ってくれなければ世の中は変わりません。

 城南信用金庫の理事長さんですね。孫正義は相当欲と二人連れですが、規制権力に屈しないその意気やよし、です。ところが、このタイプの人は例外なく疑り深いのです。新聞やテレビをまず信用しません。世の中の裏のカラクリも知っています。すると変に省略した表を見せるより、ナマデータを見せた方が効果的です。この意味で網野は正しいのです。要するに誰を対象に訴えかけるかの問題です。結局網野の主張を取り入れてややこしいチラシを作ることにしました。

 チラシのもう一つのテーマは、7月17日原子力安全保安院の「地震と津波に関する専門家意見聴取会」で問題になった、大飯原発の断層破砕帯のことを取り上げることにしました。
http://www.nisa.meti.go.jp/shingikai/800/26/800_26_index.html
(上記サイトの7月17日第19回の項 配付資料を参照のこと)

 というのは一般新聞やテレビは、18日保安院の記者会見の内容を伝えるだけで、原資料にあたって記者会見で質した形跡がないのです。

 大手マスコミが発表報道に徹して「大本営発表」を続けている弊害ですが、大飯原発に関していうと、原子炉の真下、特に3号炉、4号炉の真下には、かつて断層ずれがあったことを示す断層破砕帯だらけだ、しかも関電資料は検討するに値しないぐらいに粗雑なものだ。また2号炉と3号炉の間には大きな断層が見られる、これらが本当に活断層でないのかどうかちゃんとした資料をもってこい、という点にポイントがあったわけです。
 それを原子力保安院は、大飯原発には活断層があるかないか関電に再調査と報告を命じた、しかし大飯原発はその間止めない、専門家会議でこれらが活断層であるという疑いが出されたわけではない、と記者会見で発表し新聞・テレビはほぼ無批判にこの記者会見の内容をニュースとして報じました。中には「念には念を入れて・・・調査をするわけでその間大飯原発を止める必要はない」という経産省副大臣のコメントを繰り返し流しているテレビ局(NHKとTBS)もありました。

 そこで「大飯原発原子炉の真下は地震の巣」と題して、断層破砕帯だらけの資料をトレースしてチラシに入れ、大飯原発が苛酷事故を起こす 可能性があることを強調しました。(「美浜の会」は昔から取り上げていて事新しいネタではありません)

 さらに首相官邸デモ(これは非常に重要なインパクトを与えているデモです。共産党主導の旧来型デモ・集会とは大違いです。影響力拡大が目的であることがみえみえです。いけないとはいいませんけど。それにあの大江健三郎の内容のないしたり顔。)にたとえ100万人あつまろうが、現状は変わりません。結局反原発を掲げ推進する実効的な政府を作らなければ原発の息の根を止めることはできないのです。それでそろそろ「反原発緊急国民政府を!」と短く呼びかけることにしました。首相官邸デモに結集した市民の力は、反原発緊急国民政府に結実しなければ、展望が開けません。原発推進勢 力から政治権力を奪ってしまわなければ、原発は止まらないのです。これも相の手に入れることにしました。

 チラシを何枚刷るかでまた網野と一悶着ありました。私は100枚持っていこう、網野は精々50枚だ、というのです。これも実は網野が正しいのです。これまで2人デモはチラシ撒きに重点を置いてこなかった、それで50枚持っていって余らせる、というのが現状です。歩くのは繁華街往復小一時 間です。しかも2人デモですから、めいめいプラカードをもって、拡声器を抱えて、マイクをもってという状況ではチラシ撒きに精力はさけません。いつも助っ人参加者が何人かいるのですが、今日は全く期待できません。みんな忙しいのです。網野がいうように50枚が妥当です。ところが今日は私は妙に意固地でした。結局100枚持っていくことにしました。

 顔なじみの中央警察署の方2人も6時ギリギリに走るようにして現れました。
「8・6」のデモ申請でてんてこ舞いの忙しさだったそうです。平和公園の6時を告げる音楽が鳴りました。これがゴング代わりです。マイクと拡声器を持ってプラカードを掲げて歩き始めて私は、こりぁチラシを渡せる状 況ではないな、と思いました。まさか警備課のお二人にチラシ撒きをたのむわけにもいきません。撒いてくれたら前代未聞だけどな、とも思いましたけれど。そうすると前から30代半ばくらいの男性がヌーと現れて、「2人デモのひとですか?」と聞いてきます。ええ、そうですよ、というとツイッターで見ました、参加します、といってくれました。私はこの人にチラシ撒きを頼むことにしました。こつも教えました。歩いていると、必ずプラカードをじーと見る人がいます、その人を狙って渡して下さい。後で聞くと中山に住んでいるMさんという人でした。

 すると岡本珠代さんが現れました。「先生」と呼ぶと怒られるので「珠代さん」と呼ぶことになっています、とMさんに教えました。図々しくも、珠代さんにもビラまきをお願いしました。珠代さんはひたすらビラまきに徹しました。「無私」という言葉はこの人のために作られたような言葉です。彼女の姿勢からいつも学びます。結局4人で往復しました。終わったあと、Mさんが記念写真をとりたいというので、なんと、警備の警部補さんにカメラマンを頼むではありませんか。マズイですよ、それは、というヒマもありません。「アッチャー」と私が思うのと、「ええ、撮りましょう」 と警部補がいうのとほぼ同時でした。警部補は「どうせなら、原爆ドームを背景に撮りましょう」というので、4人が元安橋の中央に移動して、原爆ドームを遠景にカメラに納まりました。なんでもありなんですね、要するに。ひとつ学びました。

 事務所に帰って残ったチラシの枚数を数えると、34枚でした。66枚はけた計算になります。網野とは痛み分け、というところでしょうか。

 以上報告でした。(全然報告になってないな、これは) 来週も金曜日の6時から歩きます。