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2014年『3.11』広島2人デモ特別版のお知らせ

2014年『3.11』広島2人デモ特別版のお知らせ

1.「広島2人デモ」は、毎週金曜日の夕方6時からスタートと決めておりますが、2013年『3.11』に引き続き2014年『3.11』も、火曜日ではありますが、特別版として夕方6時からスタートします。

2.『3.11』は一体何の日でしょうか?人により、また立場により様々な解釈や意味づけがあるのだと思います。

2011年3月11日に、私たちの日本は、同日に2つの大事件に遭遇しました。1つは『東日本大震災』であり、もう一つは『福島第一原発事故』でした。もちろん『福島第一原発事故』(フクシマ惨事)を『東日本大震災』の一部とみなす考え方もあります。たとえば今私の手元に転がっている、2014年2月24日付け朝日新聞朝刊(大阪本社版)は一面で『東日本大震災3年目』のコラム名で『フクシマ事故の避難区域一部避難解除』の問題を扱っていますので、この新聞が『フクシマ惨事』を『東日本大震災』の一部とみなしていることは明らかでしょう。またたとえば、安倍晋三首相は2013年10月15日国会で行った所信表明演説の中で、東日本大震災からの復興問題を取り上げ、その中で「福島のみなさんにも、一日も早く故郷(ふるさと)に戻っていただけるよう、除染やインフラ復旧を加速して参ります」と述べていますので、日本の首相もまた「フクシマ惨事」を『東日本大震災』の一部と考えていることも明らかです。

 しかし私たちはそのようには考えません。『フクシマ惨事』は『東日本大震災』とは独立した別個の事件であり、同日に私たちは2つの事件を経験した、と考えます。一つには前者が人災であるのに対して、後者が人知では避けがたい神の仕業であることによります。もう一つにはその影響力の大きさの違いです。東日本大震災は、その傷跡の回復に恐らく数十年単位の時間がかかるでしょう。しかし『フクシマ惨事』はその時間尺度が違います。大量の放射性物質の存在、また現在進行形の大事件であること、あるいはさらに大きな傷となる蓋然性も去ったわけではないことを考え合わせると、傷跡の回復に恐らく地球史レベルの時間がかかることでしょう。

 確かに『フクシマ惨事』は直接には『東日本大震災』が引き金でした。しかし今振り返って考えてみれば、『東日本大震災』でなくても、人の不注意からでも、装置や設備の故障からでも、なんでも引き金になりえました。

 従って私たちにとっては『3.11』は現在進行形の『フクシマ惨事の日』なのです。

3.「フクシマ惨事」はなぜ「フクシマ惨事」なのでしょうか?いうまでもなくその放出され、今も放出され続けている放射能のためです。その放射能が確実に私たちの生命と健康を蝕んでいくためです。しかもこの影響は、チェルノブイリ事故を見る限り、幾世代にも引き継がれていくからなのです。

4.従って「フクシマ惨事」の本質は「放射線被曝」問題です。ところが、一方で放射線被曝問題の専門家の人たち(少なくとも大学教授、主任研究員などなどの肩書きをもち専門家と称する人たち)は、福島第一原発から放出されるレベルの放射能ならば、人体には大きな影響はない、直ちに健康には影響がない、と主張しています。もし彼らが正しいなら、「東電福島第一原発事故」は「東電福島第一原発事故」であり、「フクシマ惨事」ではなくなります。ところが彼らは一方で「放射線被曝に安全量はない」と主張します。「低線量の放射線なら影響はない」という一方で「被曝に安全量はない」と主張します。また「被曝は少なければ少ないほどいい」という一方で「今のレベルなら福島現地で住むことができる」といいます。また「低線量被曝で健康に害がある、という科学的証拠はない」とはいいますが「低線量被曝では健康に害はない、という科学的証拠がある」とは決していいません。その主張を良く検討してみると、矛盾と自家撞着に満ち満ちているのです。一言でいえば“科学的”主張ではなく、これら学者や専門家の“信念”の披瀝に過ぎないのです。

5.私たちはこれら“非科学的”科学者の言説をじっくり検討し、私たち自身の問題として“非科学的な”専門家任せにせず、調べ考えてみなければなりません。毎年やってくる『3.11』はそのために存在する、というのが私たちの考えです。

6.同時に調べ考えたことを他の市民にも知らせていかなければなりません。そして「放射線被曝」、とくに「フクシマ大惨事」で放出された多くの人工放射線核種のことを念頭に置いてみれば、『低線量内部被曝』の危険を、科学的・実証的に他の市民にも知らせていかなければなりません。私たちは『宇宙船地球号』にたまたま乗り合わせた乗客同士にしか過ぎませんが、しかし政治的にみても、社会的に見ても私たちは「運命共同体」なのですから。

7.『3.11』は『フクシマ惨事の日』であり、特に低線量内部被曝の危険について調べ、考え、お互いにその認識と知見を深め、学び合う日である、これが私たちの『3.11』です。

8.2014年3月11日は金曜日ではありませんが、『3.11』ですので「広島2人デモ」を実施します。

2014年2月24日
哲野イサク
網野沙羅