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第22回 広島2人デモ 11月16日 報告

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◆画像説明
1.第22回チラシ表
2.第22回チラシ裏
3.プラカード1・2(表裏)
4.プラカード3・4(表裏)

みなさま

毎度毎週お騒がせしております。
第22回広島2人デモのご報告を致します。

今日は2人でした。
広島2人デモ始まって以来の本当の2人デモになりました。

いつも応援参加してくださる人が
仕事や(師走突入ですね)
体調を崩されたりで来れない、と事前に連絡がありました。
ご連絡ありがとうございます。お大事になさってくださいね。

集合場所に行くと警察の方が・・・お一人です。
今日は第1・第3金曜恒例の「さよなら原発ヒロシマ」さんのヒロシマ・アピール・ウォークがあります。
あちらは車道を通るので大変です。
マスクをされているので「風邪ですか?」と聞くと
警察「ええ。風邪ひいてしまいまして・・」
網野「大丈夫ですか?」
警察「昨日までが一番辛かったんですが、今日の午後からは、楽になりました。もう大丈夫です。」
網野「病み上がりじゃないですか!」
警察「いや、今日からは食欲も出てきました。人間って食欲がないと駄目ですね。」
哲野「休めないんですか?」
警察「そうですねえ・・人手が足りませんから。なかなか休めませんよ。」

・・本当にお大事になさってください。

指令書の確認をして、チラシをお渡しします。
哲野「今日の話題のひとつは、解散総選挙です。どうですか、原発問題が国政レベルの争点の一つになると思いますか?」
警察「警察の立場ではなかなか答えにくい質問ですけど、これだけみんなが関心を持っているのに、原発についてはどう思うかと聞かれて答えない、と いうわけにはいかないでしょうね。
    政党のほうも、『知らない、そんなことは小さい問題だ』と言うわけにはいかんですよね。
哲野「そうでしょうね。僕もそう思います。そうすると原発問題が日本の総選挙で国政レベルの争点のひとつに初めて上がることになります。」
警察「そうなりますかね?」
哲野「過去の選挙を全部調べたわけではありませんけど、原発や放射能が国政レベルの選挙で争点になったことは一度もありませんでした。
    関連してフクシマ事故が世界に与えた影響をもう一つのトピックにしたんです。
    ポイントはフクシマ事故にもっとも敏感に反応したのは、ヨーロッパだ、という点です。
    2011年5月11日・12日にイタリアで原発再開をテーマに国民投票がありました。
    (チラシでは2012年と誤植しています。あとで訂正します)
    イタリアは元々、ヨーロッパでも最も早い原発保有国のひとつでした。
    チェルノブイリ事故の直後、6基あった原発の閉鎖を決定して最後の原発が廃炉処理に入ったのは1990年でした。
    ベルルスコーニ政権がこの原発の再開を計画し、元々イタリアの電力公社だったエネルという会社がスペインの原発やスロバキアの原発を買収 したりしました。
    いよいよイタリア国内で原発を再開しようと国民投票を行うわけですけど、その矢先にフクシマ事故が起こるわけです。
    原発推進派は情勢不利と見て、国民投票のボイコットを呼びかけました。
    というのは、50%以上の投票率でないと、国民投票の結果は有効にならないと決められていたからです。
    結果は投票率54.7%、再開反対は94.05%でした。
    ベルルスコーニの提案は葬りさられたわけです。
    イタリアの市民は非常に敏感に反応したんですね。
    次にスイスです。
    スイスは国内に核産業企業を抱えてまた、核産業に縁の深い国際金融機関もあります。
    昔から、原発には熱心でした。
    電気の40%を原発に今も依存しています。
    5月22日、スイスで反原発の大ラリーがありました。2万人が参加したそうです。
    人口が750万人です。
    スイスの国民の反原発の動きを見て、スイス連邦政府のエネルギー省、ドリス・ロイトハルトは25日、
    進行中だった新規原発建設の中止を発表、その後同じ日に原発禁止の政府決定を発表しました。
    どんな政治情勢があったか、私には知る由もありませんけど、現象から見ればスイス国民はフクシマ事故をみて脱原発を政府に迫り、
    核産業と縁の深い連邦政府も最終的な決断をせざるを得なかった、という気がします。
    スイスは元々1969年、リュサン実験原子炉が事故を起こして一部メルトダウンを起こし、敷地内地下の空洞が汚染されて
    永久封印したといういきさつもあります。
    そしてドイツのメルケル政権です。
    5月30日にメルケル政権は原発の段階的解消を決定してその時、17基あった原子炉のうち、古い8基を閉鎖・廃炉決定しました。
    残った9基は2030年代に最終的に廃炉になります。
    これもフクシマ事故の影響だと言えます。
    また、よく注意して見ると、ブルガリアは元々4基あった原子炉を74年と77年に廃炉にして今は2基です。
    新規原発計画が進行中でしたが、2012年3月、新規原発建設計画の放棄を正式に発表しました。
    またベルギーは、原発依存度54%の依存国ですが、原発の段階的解消を踏み切った、と伝えられています。
    これがはっきりした証拠がつかめないんですけど。
    さらに段階的解消を発表していない保有国の中で言えば、イギリスはこの3年間で3基の原発を閉鎖・廃炉にしています。計画も1件もありま せん。
    スウェーデン(原子炉10基)も計画中は1件もありません。
    オランダも計画中は1件もありません。元々オランダの原子炉は出力38万キロワットの申し訳みたいな原発で、お付き合いみたいなもんでし たけど、原発から離れていっているように見えます。
    だからフクシマ事故にもっとも敏感に反応したのは、賢い市民がパワーを持っているヨーロッパ諸国だったという点ですね。
    で、これを見てほしいんですが、ロシアと中国とインドは別にして、日本の建設中の原発3基は西側諸国の中では韓国に次に多い数字です。
    この3基は、島根原発3号機、電源開発の大間原発の1号・2号機のことです。
    韓国は4基、台湾、スロバキア、パキスタンが2基、ブラジルとアルゼンチンが1基、建設中です。
    2012年11月現在、アメリカ、フランスでも建設中の原発は1基です。
    もう原発は、先進民主主義国では市民の反対が根強くて大きく伸びない、新興国・発展途上国の市場に移っています。
    フクシマ事故に苦しむ我々がなぜ、3基の原発の建設まで許してしまっているのか。
    これは日本の民主主義の問題だと私は考えています。」

説明しているうちに音楽が鳴りました。

デモスタートです。

1-2
3-4

哲野がマイクを握り
「お騒がせします。毎週金曜日恒例の広島2人デモです・・・」
そしてチラシの内容をスピーチして歩きます。

本通りは前回と一緒でえべっさんの飾りつけがあり年末ムード。
哲野「えびす講っていつからですか?」
警察「日曜の18日からです。今年は18日・19日・20日です。まだ規制とかはありませんから」

今日は音声を少し絞り気味にしてたせいもあるのかもしれませんが
プラカードを見る人は前回ほどではありませんでした。
が、男性が特に聞くともなくスピーチを聞いているのはわかりました。

いつもの商店街のオーナーが店前にでてじっと見てくれています。
待ってくださっているのがわかります。
哲野がマイクを持ったまま、チラシを持っていきました。

本通りの中ほどまで来ると、プラカードを振り返りながら見る人が増えてきました。

折り返してから網野がスピーチを変わりました。

「今、大手スーパーなどに、厚生労働省や食品安全委員会が作成したパンフレットが置かれています。
 「食べ物と放射性物質のはなし」というパンフレットです。
 その1のパンフレットに「基準値以下の食品はずっと食べ続けても安全です」と書かれています。
 http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/zatsukan/051/houshasei_leaf.pdf
 これは嘘です。デマです。
 基準値は安全値ではありません。被曝許容上限値です。
 今の新基準値は食品摂取で年間1ミリシーベルトの被曝が上限になるように設定されたものです。
 年間1ミリシーベルトまでの被曝ならば安全だと言っていることになります。
 これは科学的真実ではありません。
 原発推進の科学者、ICRPの科学者も含め、世界中の科学者は
 「放射線被曝に安全量はない」と一致した見解を出しています。
 絶対に「安全」ではないのです。
 みなさん、『放射線被曝に安全量はない』、このことを覚えておいてください。」

周りで聞こえた人たちが、反応しました。振り返りました。
哲野によると特に女性が一斉に顔を上げたそうです。
通りすがりに「そうなんだ!」と言っていた女性もいました。
やはりこの「被曝問題」は多くの人が何気なく頭の奥底に抱えている問題意識なんだと思いました。

今日は変な男性がいました。
通りの真ん中でうろうろしながらじっとこちらを見ています。
デモが折り返してきても同じような場所にいてじろじろ見ています。
先週も映像を撮られたし。なんなんでしょうね。

本通りまで戻って来るとちょうどさよなら原発ヒロシマさんのデモ隊が。
前回通り、待つことにしました。

エールを送ろうと思って、こちら側で前回通りスピーチしました。
哲野「みなさん、今目の前を歩いているのは原発に反対する私たちとは違うデモです。
   すべての原発に反対し、
   中電の島根原発再稼働反対、3号機建設の反対、上関原発建設反対を訴えているデモです。
   私たちは関電大飯原発再稼働に反対して歩いています。
   毎週金曜日、全国各地で色んな人が色んな立場で、デモをしています。 
   全国50か所でデモをしています。・・・」
網野「哲野、違う。100か所!」
哲野「失礼しました。全国100か所でデモがあります。目の前を歩いているのは原発に反対する広島市民のデモです」

じっと見ていると、向こうからこちらにむけてプラカードを振ってくれる人が2~3人いました。
気が付いてくれたようです。
こちらもプラカードを振ってこたえました。

待つ間、信号待ちをしている人たちが
じっと興味ぶかそうにプラカードを見てくれました。

その中に、哲野のスピーチを聞いたおばさまが
「私も原発反対です!原発は絶対、なくさにゃあいけん!」と話かけてきてくれました。
哲野「ありがとうございます。ここにも原発を反対している市民の方がいます。」
とスピーチしたあと
「ありがとうございます。チラシを1枚もらってくれませんか?」と言って差し出したら受け取ってくれました。

「さよなら」さんが通りすぎたあと、もう一回信号待ちをして音がぶつからないよう離れて歩き始めました。

元安橋に近づいた時です。
小学生1年生くらい?小さな子どもさん2人、たたっと哲野に駆け寄ってきました。
「チラシちょうだい。」
哲野が手がふさがっていたので
哲野「チラシ、とって」とチラシの入ったフォルダを差し出すと1枚づつ持っていったようです。
哲野「読めるかなぁ?」
その子たちはちょっと離れて歩いていたお母さんとお父さんのところへ駆けて行きました。
哲野が「なるほど」と納得していました。
お父さんかお母さんの指示でチラシを取りに来たようです。

デモが終わって警察の方にお礼を言いました。
警察「次は明日ですね?」
網野「はい、明日15時からです。」
哲野「明日だっけ?」
網野「そうですよ。明日伊方デモです。」

終わった直後、原田さんが駆けつけて来てくれました。
仕事場からなかなか抜けられなかったようです。

明日は「伊方原発の再稼働を許さない市民ネットワーク・広島」主催による
伊方原発再稼働反対、伊方の存在を広島市民に広報するデモがあります。
11月17日(土)15時~16時
元安橋東詰出発、本通り・金座街を往復します。
お近くの方は宜しければご参加をお願いします。

伊方原発が島根原発より近いということを連呼して歩きます。
本当に存在が知られておりません。
(島根原発に3号機が建設中、ということも意外と知られていないことを知りました。)
前回歩いた時も警察から報告があるくらい、「知らなかった。そうなんだ」と声が多くありました。
しかも伊方は再稼働しなくても、使用済み核燃料が大量に保管されていて
地震等で施設に大きな事故が起こった場合
それらの放射性物質が拡散する危険性を孕んでいます。
原発事故がなくても危険なのです。

原子力規制委員会が第7回会合でフクシマ事故並みの過酷事故が起こった場合という
シミュレーションを公表しました。
そのデータで伊方原発が過酷事故を起こした場合、
グラフを読み取ると、ちょうど100km離れた広島は平均5ミリシーベルトの被曝をします。(実効線量)
5ミリシーベルト以上と言えば、チェルノブイリ事故で避難または移住勧告の対象となった予想被曝線量です。
先日、規制員会が発表した避難対象地域のグラフは7日間で100ミリシーベルトの予想被曝線量でした。
新聞を見た人の中には、「たいしたことはないんだな」と思った人も多いと思います。
またそれが規制委員会の狙いであったとも思います。

哲野と二人で今日の感想を話し合いましたが
一見無関心のように見えて
やっぱり「被曝問題は皆の関心事」だということもわかりました。

何が正しい情報なのか、探っているという感じが強くしました。
大手マスコミを通じて、政府や原発推進派は今レベルの線量だと安全と思わせるキャンペーンをずっとやっていますが
やはりみんな心底納得していない、と言う感じが強くしました。

来週も懲りずに歩きます。