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第84回広島2人デモ 1月24日報告

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みなさま

毎度毎週お騒がせします。
広島2人デモ第84回目の報告です。

参加は4人、哲野、網野、Kさん、じゃけえさん。

だいぶ陽が明るくなってきました。

集合場所に行って待っていると通りすがりの中高年齢層の方が
結構プラカードを見て行きます。

哲野「元首相が出る意味のわかる人はやっぱり見るね。」
網野「?」
哲野「東京都知事選挙で誰が勝つか、などという興味を離れてみると、
   元首相、細川さんの言ってる事は相当面白い。」
網野「どういう面白さがあるの?」
哲野「まず、細川さん。
    このひとは、肥後熊本のお殿様。
    ばかりじゃなくて、太平洋戦争開戦に大いに責任のあった、近衛文麿の孫。
    しかも、元熊本県知事、元首相。
    いわば、日本の支配階級中の代表格。
    それがほとんど反原発(細川さんは脱原発と言っている)を
    事実上唯一の争点として東京都知事選挙に打って出た。
    しかも、記者会見をよく聞いてみると、
    小泉さんだけじゃなしに、細川さんを反原発の一点で後押しする
    支配層のグループが存在するということがわかる。
    やはり原発については、相当な危機感を彼らは彼らなりに持っていることがわかる。
    この危機感は私たちが肌で感じる危機感とほぼ同じもんだろうね。
    階級的立場や利害関係は全く相反するけど、
    この点では完全に意見が一致している。
    意見が一致しているというのは、「国の存亡に関わる」という見方だ。
    ところが、これはマスコミの全面的協力もあるけれども
    原発を推進しようとするグループは今のところ主要な選挙で原発を最大争点とすることを阻止してきた。
    大成功を収めてきたわけだ。
    ところが冷静に長期的にモノを考えている人たちは、
    原発問題こそ日本が当面する最大の政治課題だということを理解している、ということでもある。
    しかし多くの大衆はおかしいなとおもいながらも原発問題が当面する最大の政治課題だと気が付いていない。
    こりゃいかん、ということで恥も外聞もかなぐり捨てて細川さんが立候補したんだと思う。」
網野「それって原発問題?」
哲野「そう。それが、どポイントの質問だよね。
    細川さんの言う事をよく聞いてると、筋が通らない。
    原発問題といいながら、なぜそれが国の存亡に関わるのか、
    いったん事故が起これば、なぜ壊滅的な状況になるのか
    そして原発事故はなぜ首都直下型大地震と同列に論じられないのか。
    ここが説明されてない。
    だから筋が通らない。
    でもよくよく聞いてみると、例えばチェルノブイリをみろ、ウィンズケールでは漁業も出来なくなった、
    農地も汚染された、と言っている。六ヶ所村ラプソディの例もだした。
    記者会見では2度ばかりだけど放射能という言葉も使った。
    喉元まで出かかっているけれど、ぐっと飲み込んでいることがある。
    それはなんだろうか?」
網野「放射能による健康被害、被曝の問題だろう」
哲野「正解。これは誰が聞いても国の存亡に関わる、壊滅的な打撃を受ける、という言葉の底には
    被曝による国民的衰亡を懸念していることが読み取れる。
    だから、原発問題と彼は問題提起はしたものの、決して原発問題をエネルギー問題として捉えているのではなく
    日本国民の存亡問題と捉えていることがわかる。」
網野「でも太陽光エネルギーとか、自然エネルギーとかそういう言葉でエネルギー問題として捉えているじゃない。」
哲野「それは、一種の支持を取り付けるための看板だね。
    細川さんは支配階級の人間だから、被曝問題には触れたくない。
    被曝問題に触れればこの国は大混乱に陥る。
    支配階級に対する不信は一挙に噴き出す。
    それはこの社会の支配・被支配関係自体が転覆するかもしれない。
    そこまでは踏み込みたくない、ということではないだろうか。
    ちょっとモノのわかった人間であれば、エネルギー源がすぐさま自然エネルギーに変わるはずがないということは常識だ。
    経済合理性がないからね。
    自然エネルギーに経済合理性が発生するのは恐らくずっとずっと遠い先のことだ。
    現実的には石炭火力であり、ガス火力だ。
    環境対策も十分に練られた新しい技術がどんどん出ている。
    それは細川さんだって小泉さんだってわかってるはずだ。
    でもそれを言っちゃあ票は取れない。
    自然エネルギーでブチ上げないといけない、ということだと思う。」
網野「だから細川さんの問題提起は原発問題の形はとっているものの
    その実、放射能被曝問題を提起している、ということになるわけ?」
哲野「少なくとも僕はそう解釈している。
    でもそれを表だって言えず、ぐっと言葉を飲み込んでいる感じだ。
    だから細川さんの記者会見をチラシにして考えてみてもらいたいと思った」

おしゃべりしていると、警察の方が来ていつも通り指令書の確認。
音楽が鳴って2人で出発です。

すると、スピーチする暇もなく後ろから「間に合った」とKさん登場。
哲野「助かるよ、チラシ撒きやって。」

哲野のスピーチがはじまります。
チラシ内容の細川発言を解説しました。
聞いている人はどうしても東京都知事選、誰が勝つか、誰が負けるか、
誰を支持するか、誰を支持しないかに興味がいってしまっているようで
細川さんの問題提起に関心を持つ人は少ないようです。
ある意味予想通りです。
それだけにやはり細川さんの問題提起そのものに注意を集める必要がありそうです。

しかし、チラシは35部持っていったのですが30部ははけました。
配り手が少なかったわりには、モノのわかった人は結構少なくはない
チラシを取る人も、中高年齢層の人が多かったです。

しばらくいくとじゃけえさんと合流。

次にスピーチを変わったのがじゃけえさんでした。
じゃけえさんはいつものように伊方原発の危険性についてスピーチ。

その次にKさん。
Kさん。内部被曝を爆竹に例えて、スピーチ。
爆竹が身体の外ではじけてもよっぽど近くないかぎり被害はないけど
身体の中ではじけたらどうなるかと想像してみてください、それが内部被曝です
だからどんなに小さな爆竹でも、身体の中ではじければ危険なのです
と、被曝について知ろうとしてほしい、考えてほしい、と訴えました。

この時に以前参加してくれ先週もばったり会ったタンさんがお孫さんと手を繋いで歩いていました。
タンさん、お孫さんに「チラシをとって」というと、お孫さんが哲野のところに駆けてきて手を出しました。
哲野が渡して、またタンさんのところに走って戻ってこちらを振り向きました。
網野がバイバイと手を振ると、お孫さんも手を振ったかと思うと、またトトトっとこちらに駆け寄ってきて
まず網野とハイタッチ。それから哲野にハイタッチを要求。
ぎこちない手つきの哲野とお孫さんがハイタッチ。
またトトトッとタンさんのところに駆け戻っていきました。
考えてみれば、これほど元気の出る激励もありません。

哲野にまたマイクが渡って世界銀行の原発に融資はしないというAFP通信の記事内容を説明しました。
哲野「記者会見で細川さんは原発は時代遅れのエネルギー、
    この認識は世界の潮流と言ってましたがこれは事実です。
    例えば、国連の機構の一つである世界銀行は新規エネルギー投資に際して
    もう原発には融資しないし、投資も促さないと、去年の11月27日だったか
    世界の電気供給・インフラ整備に対する新たなキャンペーンをプレス発表した際に明言しています。
    国連の統計によると、まだ50か国近くの世界の最貧国は電気の普及率が10%程度なんだそうです。
    この普及率を上げて生活水準向上に取り組むことは国連の大きな仕事です。
    本来ならばこのプロジェクトに年間6000億ドルから8000億ドルの資金が必要ということですが
    これは考えてみれば、とてつもない大きな市場です。
    この市場に原発はいらない、と言っているわけですから
    原発がいかに時代遅れのシロモノであるかがわかります。
    日本のマスコミは意図してかどうかわかりませんけども
    こうした大事なことはほとんど伝えません。
    それどころか原発市場が世界で大きな市場となり、日本は原発輸出で経済成長ができるみたいな
    デタラメを伝えています。」

次にマイクは網野に変わりました。
細川発言に触れ、広島市や広島県の対応との比較をスピーチしました。
現在、広島市も県も、「原発問題はエネルギー問題、エネルギー問題は国の専管事項」として
私たちの市民・県民の生活権、生存権を一番に守るべき立場の首長が
全く考えていない、これはポスト・フクシマ時代の地方自治体首長としては失格です。
ポスト・フクシマ時代は地方自治体の首長は自分の頭で考え、国の言いなりになってはいけない
それでは市民・県民の生命・財産、ふるさとは守れない、
それは福島県の多くの自治体の首長がひしひしと感じていることではないでしょうか。
人のいなくなった街に経済もエネルギーもないし、市議も県議も首長もいらないのです、とスピーチしました。
またいつも通り、現在進んでいる規制基準適合性審査は、安全審査ではないというスピーチもしました。

元安橋に帰ってデモ終了。
寒い中で浮き足だってはいましたが、
広島市議会に続いて廿日市市議会対策を協議して解散しました。

以上ご報告いたします。

第84回広島2人デモ プラカード

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第84回広島2人デモ、本日のプラカードです。

第84回広島2人デモ 1月24日告知

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▼第84回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140124.pdf

みなさま

毎度お騒がせしております。
第84回広島2人デモ
1月24日18時~元安橋東詰め出発で歩きます。

▼チラシが出来ました。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140124.pdf
今回は22日の細川護煕氏都知事選挙出馬記者会見の時の発言内容を中心にチラシを作りました。

タイトル
「都知事の第一の任務は都⺠の生命と財産を守ること」
細川氏記者会見発言

トピック
▽原発問題(被曝問題)が唯一最大の政治課題
 ・「原発事故がおこればみんな吹き飛んでしまう」
 ・神様も予測できなかった東京都知事選挙
 ・細川氏の背中を押す人々
 ・都知事の第一の任務は・・・

▽(日本記者クラブ主催)2014年1月22日
  細川護煕氏東京都知事選挙出馬記者会見 抜粋と要旨
1.小泉元総理に強いメッセージを受けた
2.原発は国の存亡にかかわる
3.「原発は安い」というごまかしと嘘
4.都知事の第一の任務は都⺠の生命・財産を守ること
5.原発推進世代には責任がある
6.決意の背景には政権担当時代への反省
7.原発は壊滅的な打撃を与える
8.セラフィールド、六ヶ所村ラプソディ、そして「3.11」
9.原発事故と地震・津波災害は同列ではない

▽世界銀行 原発には融資しない

細川発言は色々なことを示唆しており
原発問題(被曝問題)を一人一人の市民が考える
いい材料の一つになると思います。

また最後の「世界銀行 原発には融資しない」という記事
これは小泉の行動の一つにもなっているようです。
応援演説中の小泉氏の情報提供です。

では歩いて参ります。

広島2人デモ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/

第83回広島2人デモ 1月17日報告

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みなさま

毎度毎週お騒がせしております。
第83回広島2人デモのご報告です。

まず今回のチラシですが誤植・訂正等あります。
ダウンロードされた方は再度ダウンロードください。

http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140117_A4.pdf

今回の参加者は6人
哲野、網野、じゃけえさん、Kさん、原田さん
そして初参加のムラカミさんです。

出発前、プラカードを作るのですが
一つはマスコミがしつこく「安全審査」を使うので
「安全審査ではない」というプラカードをつくろうとしました。
ただ、今までのプラカードは説明が不十分で正確ではありません。
さてどうするか。
哲野「絶対安全な原発はない、でも彼らは動かしたい。
    それで、起こしてもいい事故の規模を決めよう、
    事故の規模はセシウム137で100兆ベクレルの放出までは許容しよう、
    でも、それ以上はダメだ、
    その駄目というやつ安全目標にして、それを稼働原発の性能標準とした、
    その性能標準を基準化したのが今の規制基準だ、
    だから単に言葉の言い換えじゃなしに、
    今の規制基準と、前のクリアすれば事故は起らない、安全だとする安全基準は
    全くロジックの組み立てが違う、
    だから今やっているのは
    あくまで規制基準に適合しているかどうかの審査であって
    安全性を審査しているわけではない。
    マスコミは知ってやってるのか、知らずにやってるのか・・・
    ほら、こないだ朝日新聞に電話したじゃない。
    その時の答えは
    『安全審査は適合審査と全く同じ意味ですが、
    適合審査は行政用語なので安全審査を言い変えております』、という
    返事だったよね。」
網野「そうそう。で翌日の記事に『適合審査』と書かれた記事が出て笑った」
哲野「だから、僕は朝日がわかってないとは思わない。
    その意味では確信犯だと思う。
    でも一般の人はやっぱり安全審査、合格したらその原発は安全なんだと思っちゃう。
    しつこくやんないといけないね、この問題。」
網野「じゃ、それ、そのまま、しつこいプラカードにしちゃおう。」
哲野「どうやって?相当長くなるよ。横位置には入らんだろう。」
網野「いいよ、フンドシにしちゃおう」

ということで1つは縦長のプラカードになりました。
(プラカード4を参照のこと)

集合場所について待っていると警備の警察の方が来られ
指令書の確認をして今日のチラシをお渡しします。
今日も寒いですね、と話をしていると音楽が鳴りました。

2人で出発です。

(なお、今回全員のスピーチ全文はこの報告にはありません
後日文字起こししてサイトに追加でアップいたします。)

出発して哲野がスピーチをはじめた時です。
哲野に近づいてきた人がいたので哲野がスピーチを中断し
チラシを渡したところ、ぼそっと「僕も参加します。」
哲野「あ、そりゃ助かります。今2人なんで。手が足りないんですよ。」
それがムラカミさんでした。

ムラカミ「ほんとに2人なんですね。」
哲野「ええ、2人デモですから。」
ということでムラカミさんにはプラカードを持って歩いてもらいました。

ムラカミさんは関西圏から仕事の関係で広島に長期出張中だそうです。
関西圏にいるときは、関電前の抗議行動に都合がつけば参加されていたとのこと。
広島でもデモをしていないかと検索したところ、
広島2人デモのサイトを見て来ていただいたそうです。
網野とムラカミさんは並んで歩くことになり、自然とそのまま歩きながら情報交換。
ムラカミ「広島はやっぱ関心薄いですか」
網野「いえ、表面そう見えるだけです。
    実際には原発の再稼働とか、被曝問題とか関心持った人は多いですよ。」
実際その通りなんです。
伊方原発再稼働の問題でも、情報を正しく提供すれば、
自民党支持の人だって、伊方原発再稼働だけは反対と言ってくれるんです。
問題はこちらの情報の提供の仕方にあります。

哲野は今回のチラシの内容をスピーチして歩きました。
最初は細川さんの発言を枕に、原発問題が国の存亡問題だという話の分析を
スピーチしました。
哲野「細川元首相が東京都知事選に立候補を表明しました。
    勝つか負けるか、わかりませんけど
    76歳の元首相が東京都知事選に立候補する、前代未聞ですよね、これ。
    その時、細川さんは原発問題は国の存亡に関わる、と言ったそうです。
    私は細川さんは相当な危機感を持っているんだと思います。
    それで原発問題を重要選挙の争点にしようと
    そして注意を喚起しようとしているのではないかと思います。
    その点ではご本人も言っているように、勝ち負けは度外視だと思います。
    原発問題は国の存亡に関わる、この点だけは私も全く同感です。」

やはりプラカード、結構目を引きます。
特に中高年層のビジネスマンが「日本の電力料金は米・韓の2倍以上」と
「原発問題は国の存亡に関わる」を凝視します。
少なくとも10数人は振り返りながら凝視しました。

しばらく行くと、じゃけえさんが参加。

じゃけえさんにマイクが渡ります。
じゃけえさんはいつものように広島から一番近い伊方原発の危険についてスピーチしました。

ここで原田さんとKさんが参加。これで6人になりました。
じゃけえさんの次にもう一度哲野にマイクがわたり、その次に原田さんに渡りました。
原田さんは中国電力が島根原発を再稼働させたいのは
中国電力の経営とその融資をしている金融機関を守るためだとスピーチしました。

その次に再度哲野にマイクが渡り
原子力委員会で資料にされた原発に関する動向調査の内容を解説しました。
哲野「・・・この動向調査で非常に興味深いのは
    原発ゼロに賛成の人は85%もいる、特に、即ゼロの人は30%を超してます。
    しかも、福島原発事故から時間が経つにつれてこの割合は増えています。
    これが実態です。
    新聞が報じなくなったからと言って事故が風化しているのではありません。
    むしろ、時間が経つにつれ、深くものを考える日本人が増えています。」

次に網野ですが、安全審査ではないといういつものスピーチに加え
伊方原発で苛酷事故が起こって避難してくださいと言われたら
実際どうなるかをイメージしてみましょうと訴えました。

元安橋に帰ってデモ終了。
チラシは40部持って行って、35部ははけました。
寒いので早々に解散しました。

あとで、この日のチラシのページビューを解析ソフトで調べたところ、
チラシをアップロードした17日だけで3528件、アクセスがありました。
哲野と顔を見合わせてびっくりしました。

以上ご報告いたします。

広島2人デモ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/

第83回広島2人デモ チラシ【お詫びと削除】

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第83回広島2人デモ チラシ【お詫びと削除】2014年1月19日

 第83回広島2人デモ(2014年1月17日)のチラシに誤りがありますので、お詫びして削除します。誤りの個所は3ページ目、『「低線量内部被曝」の危険に対する認識不足』の見出し部分で、(青字)で「(秘密保護法案の)反対の大キャンペーンを張った朝日新聞などは、成立してしまうと一丁あがり、とばかり涼しい顔をして今や知らん顔を決め込んでいます」とありますが、これは誤りでありこの個所を全面削除いたします。

▼第83回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20140117_A4.pdf

 朝日新聞が、特定秘密保護法成立まで、紙面の大きな部分を使って大キャンペーンを張り、法案が成立してしまうと一挙にキャンペーンが凋み、年の明けた1月15日過ぎになると、極小さな記事を除けば、「特定秘密保護法」関連の記事がほとんどなくなってしまうのは紛れもない事実です。

 こうした紙面の推移を見て、「いまや知らん顔を決め込んでいる」としたのですが、第83回広島2人デモの翌日1月18日(土)朝刊(大阪本社版)の紙面では2面で『秘密 監視網に穴』のタイトルの下、“先進欧米議会”における秘密情報の扱い方比較や秘密情報の扱い方に関する国会議員視察団の動向、いわゆる“諮問会議”の仕組み構築などを大きく扱っています。この記事は、かなり事前に準備が必要な内容で、1日2日で書き飛ばせるようなものではありません。

 さらに1月20日(日)の紙面では、1面2面3面にわたって、『政権の目指す改革不安』のタイトルの下、東京大学教授長谷部恭男氏(秘密保護法賛成派)と法政大学教授・杉田敦氏(反対派)を登場させ、対談形式でその可否を論ずる記事を大きく掲載しています。この記事も事前に相当準備していなければ掲載できない企画であり、「成立してしまうと一丁あがり、とばかり涼しい顔をして今や知らん顔を決め込んでいます」とすることは、事実に反することが明らかです。これは私の早とちりであり、事実に反する(今のところ)ので、お詫びして該当個所を削除いたします。

 特定秘密保護法は法律の中身を見ればわかるのですが、「特定秘密保護」の大枠(大枠というのも気恥ずかしいほどの針金細工の枠組み)だけ決め、中身がカラッポの法律です。

これは法案提出者(内閣提出、いわゆる“閣法”)も十分自覚しているものと見え、施行を成立から1年後としています。その間世論動向を見ながら、具体的中身をデザインしていこうという意図をもつ法律です。

この意味では、成立しただけでは、まだ勝負が決まらないわけで、これから本格的な批判を行いながら、法案提出者(すなわち安倍内閣)のホンネを引きずり出し、批判を加えつつ多くの市民の賛成を得ながら、廃案に追い込んでいかなければなりません。

 この意味では、「酒場で飲んでいて、つい喋ったら、翌日警察がきて秘密保護法違反で逮捕された」式の煽動記事ではなく、地道に問題を深く考える情報が必要となってきます。煽動して人々を反対に駆り立てていこうというやり方は、百害あって一利なし、ということでもあります。この点では、特定秘密保護法だけに絞って問題を議論することはできず、必ずこれと裏腹の関係にある「国家安全保障会議設置法」との関連、あるいは「先進資本主義国」共通の現象である「警察国家化」との関連において論じられなければなりません。

 今後朝日新聞が、煽動ではなく、そのような方向で、「特定秘密保護法反対」キャンペーンを継続させるなら幸いであり、私たちの市民社会にとって存在価値を示す新聞ということになります。