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5月9日広島2人デモ中止のお知らせ

みなさま

次回5月9日(金)は広島2人デモを中止いたします。

主催2名が飯を食う仕事の関係で動けなくなりました。
第99回広島2人デモは5月16日に延期の予定です。

よろしくお願いいたします。

網野沙羅

第97回広島2人デモ報告(2014年4月19日上網)【お詫びと削除】

第97回広島2人デモ報告文中、NHKが制作したテレビドキュメンタリー番組を批判した個所があります。
2個所あり、引用すると、

網野「ああ、ちょうど(2011)年末付近で。
  『追跡!真相ファイル 低線量被ばく・揺らぐ国際基準』でしょ」
哲野「そうそう、あれは2011年の暮れだったね。
   福島事故の後でそれまでは後ろに隠れていたICRPをNHKが取り上げた。
   地名も出さずにイリノイ州のドレスデン原発付近の健康障害を扱っているように見せながら
   実際登場させるのはがんや腫瘍だけ。
   実際には広汎な健康障害が現れているのに全く触れない。
   ICRPを批判しているように見せながら、実際にはICRPの擁護をやっている。
   傑作だったのはICRP本部を訪ねたというくだり。
   ICRPに本部なんかあるもんか。
   単に科学幹事が住んでいるカナダのオタワを訪ねてICRP本部を訪ねたと言っている。
   もっと傑作だったのは、ICRPの放射線許容量を巡って大議論が行われたという会議の模様。
   内容を聞いてみると放射線許容量の話ではない。
   線量・線量率係数をいくらにするか、と言うだけの話。
   酷い番組だった。
   それからいつだったっけ、福島の汚染地域を歩く、みたいな番組があったろ。
   あれも酷い番組だった。
   放射能汚染してるのは福島だけじゃない。
   北関東から宮城県まで相当ひどい汚染だ。
   あの番組で放射能汚染してるのは福島だけ、みたいな印象が決定的になった感じがする。」

 『追跡!真相ファイル 低線量被ばく・揺らぐ国際基準』に対する批判については私は正当な批判だと考えており、訂正の必要は全く感じておりません。(どころか批判したりないぐらいです)

 問題なのは、
「それからいつだったっけ、福島の汚染地域を歩く、みたいな番組があったろ。
  あれも酷い番組だった。放射能汚染してるのは福島だけじゃない。北関東から宮城県まで相当ひどい汚染だ。あの番組で放射能汚染してるのは福島だけ、みたいな印象が決定的になった感じがする」

という個所です。私はこの個所を誤りと認め、全面的に削除した上みなさんにお詫び申し上げます。

理由を申し上げます。

この番組はNHK-ETV制作『ネットワークでつくる放射能汚染地図』を直接には指しています。

『追跡!真相ファイル 低線量被ばく・揺らぐ国際基準』とは異なり番組の内容ではなく、番組の制作意図を念頭において感想を述べたものです。このような印象をもったのは、『・・・放射能汚染地図』が福島県内の汚染だけを取り上げ、しかも汚染度の指標として土壌汚染濃度ではなく空間線量率を表示しているためでした。多くのみなさんがすでに認識しておられるがごとく、汚染の指標として、空間線量率を使用することは、決して適切ではなく、特に低線量内部被曝の危険を念頭に置けば土壌汚染濃度(表示はBq)で表示するよりも、空間線量率(1時間あたりの実効線量)表示することは、内部被曝の過小評価、時には極端な過小評価を招くこととなり、上記のような印象をもったわけです。

しかし今考えてみれば、土壌汚染濃度マップを作成することは、極めて大掛かりなプロジェクトであり、国家予算規模の費用を要する事業です。日本政府が国家予算で土壌汚染マップを作ろうとしない現在、汚染の指標として空間線量率を使用することはやむを得ないことであり、時としてやむを得ず、私なども汚染の指標として空間線量率を使用しております。

とまれ、『・・・放射能汚染地図』は番組内容よりも番組制作意図を問題としたものでした。ところがうかつにも、私は『・・・放射能汚染地図』が第一作にとどまらずシリーズ化されていることを知りませんでした。今回ある方の注意によって、この番組がシリーズ化されていることを知りました。そのシリーズは以下の通りです。
 
2011年5月15日 『ネットワークでつくる放射能汚染地図 福島原発事故から2ヶ月』
2011年6月5日 『続報 ネットワークでつくる放射能汚染地図』
2011年8月28日 『ネットワークでつくる放射能汚染地図3 子どもたちを被ばくから守るために』
2011年11月27日 『ネットワークでつくる放射能汚染地図4 海のホットスポットを追う』
2012年3月11日 『ネットワークでつくる放射能汚染地図5 埋もれた初期被ばくを追え』
2012年6月10日 『ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何がおきているのか』

 特にその4以降は汚染に対する関心が、明らかに福島県外に向いており、フクシマ事故による汚染が必ずしも福島県内にだけ向けさせようとする制作意図をもつものではないことは明らかです。

テレビ番組の内容を問題とするならともかく、制作意図を問題とするならシリーズ全体をひとつの塊として見なければならないことは当然です。ところが私はシリーズのうちの最初の1本だけを視聴して軽率にも私の印象を定着させたわけです。
多少自己弁護気味に説明すれば、当時から日本政府は、フクシマ事故による重大な放射能汚染が生じているのは、福島県の一部地域だけであり、その他の地域は安全である、という印象をもたせようというキャンペーンをさまざまなメディアを通じて開始しており、その腹立ちも当該番組を視聴する際に、印象としてダブっていたかもしれません。

しかし、今となってみれば前述の通り、当該番組の制作意図を問う場合、シリーズ全体を視聴して判断しなければならないところを、一部(1本)だけを見て結論を出したのは、良くて軽率、悪くすると中傷の謗りを免れません。
前述のごとく、汚染の範囲を福島県の一部に限定しようという制作意図をもつものではないことが判明した以上、冒頭私が網野とのやりとりで発言した内容は誤りであり、全面的に削除しなければならない、と考えた次第です。みなさんにお詫びして削除いたします。

私に注意をいただいた方には感謝を申し上げます。

哲野イサク