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現実の第127回広島2人デモ 2015年4月17日報告

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4月17日18時までのチラシでは、ページの最後の1文が抜けていたり、誤植がいくつかあったりいたしました。
失礼いたしました。
現在は修正してアップしております。
もしダウンロードされた方は再度、ダウンロードいただければと存じます。
2015年4月17日19:20

みなさま

毎度お騒がせいたします。
第127回広島2人デモ4月17日の報告です。

順序が逆になりますが、翌日18日に「高浜原発運転差止仮処分命令決定」祝賀会の様子から。
網野が呼びかけて、広島市内の沖縄料理屋さんで、仮処分命令決定の祝賀会をささやかに開きました。
当日、集まったのは広島2人デモ常連メンバーを中心に10名でした。
といっても、みんな忙しい仕事持ちなので、6時から開始した時にはメンバー4人。
仕事を終えて新たなメンバーが加わるたびに乾杯しました。
何回乾杯したのか、覚えていません。

参加の弓場さんからお祝いのブーケが贈られ、代表して網野が受け取りました。

本当に久しぶりにみんな顔を合わせるので、原発問題・被曝問題を中心に話しが尽きず
結局開店から閉店近くまで4時間半以上も話が続きました。
(哲野がストップをかけていないと、まだ話が続いていました)
高浜原発仮処分命令は歴史的な出来事でした。
巨大な、しかし第一歩であることを確認し、また、みんな喜びました。

ここで報告をしておきたいことは、やはり原子力規制委員会の田中委員長発言でしょう。

4月15日定例記者会見の速記録を丁寧に読むと、田中委員長は今回決定のうち
事実誤認がいっぱいある、と言っていますが実は具体的に指摘した箇所は2か所しかありません。

①1か所は基準地震動の決め方が、地震の平均像に基づいているとした部分
②もう1か所は、使用済み核燃料プールの冷却設備及び計測機器が耐震重要度分類でSクラスであるとした部分

この2か所しかありません。

▽原子力規制委員会委員長記者会見 4月15日会見録 10P~11P
https://www.nsr.go.jp/data/000104036.pdf

これは驚くべき発言で、まさか委員長自らが自分のところの規制基準の内容を知らないというはずはありませんから
意図的に流したデマというべきでしょう。
記者会見の流れをみると、あきらかに出席した記者と事前の打ち合わせができているようです。

まず、基準地震動の決め方の平均像問題。

これはもう証拠を示すことができます。
規制委員会が参照した地震の事例はわずか16例しかありません。
▽下記参照 

これを見ておわかりのように、参照した事例はすべてマグニチュード7未満の平均的大地震です。
マグニチュード7を超える巨大地震は全く参照していません。

しかも、「1」の岩手・宮城内陸地震では、岩手県一関市厳美町祭畤で記録された地震動4022ガルは
最初から考慮されていません。
地震予知連絡会が公表している予測によると、南海トラフ地震で発生するマグニチュードは9.0、
マグニチュード7.0以上の地震はこれまで日本国内でも観測されていますし
世界的に見れば珍しい地震でもありません。
つまり、巨大地震は最初からオミットし、平均的な大地震を参照して基準地震動を決めているわけです。
こういう嘘を規制委員長たるものが記者会見で喋ってはいけません。

また、使用済み核燃料冷却設備については、
規制委「実用発電原子炉及びその付属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」の
第4条別記2の2に耐震重要度分類Bクラスの中に「使用済核燃料を冷却するための施設」と明記されているわけですから、
これも全くの嘘です。
確かに、「使用済燃料を貯蔵するための施設」はSクラスで分類されています。
しかし、福井地裁決定は明確に冷却設備の話をしているわけですから、
これを貯蔵するための施設と無理矢理読み替えて「事実誤認」というのは、ためにする言説といわなければなりません。

また、日本の規制基準が世界でもっとも厳しいレベルかどうかは、主観的判断ですから
田中さんがそういうなら「ああそうですか」としか言いようがありません。
こういう風な曖昧な判断基準を元に、物事を断定的に言うのは科学者の態度ではありません。

元々田中さんは安倍さんなんかと違って、こういうみえみえのデマは飛ばさない人でした。
しかし、今回はかなり追い詰められているとみえます。
伝え聞くところによると、福井地裁申立の弁護団の人が、この田中発言の誤りを訂正させようと
原子力規制庁の幹部を捕まえようとしても、相手は逃げ回っているそうです。

けしからんのはマスコミです。
田中氏の発言をそのまま大きく取り上げ、しかも各紙がほとんど同じ内容。
誰かが模範原稿を書いたんじゃないかと思います。
結局、福井地裁決定の信憑性に疑問を抱かせ、イメージ付けることが狙いなのだと読み解くことができます。

この件は、祝賀会の中でも大いに話題になり、哲野が資料を示して田中さんの飛ばしたデマぶりをみんなに解説していました。

資料を示して解説中の様子

さて前置きが長くなりました。

デモ当日は哲野と網野の2人しか参加者がいないことはわかっていましたので
チラシは少なめに15部用意していきました。
この歴史的な事件を広島に来ている外国人にも伝えたくて、プラカードは1枚、英語版にしました。

プラカードで使ったフレーズは英BBCのニュースヘッドラインをそのまま引用しました。
今回の事件に対するヨーロッパの反応は非常に大きく、BBCは本放送のニュースでも流しましたし
ヨーロッパ大手の新聞はすべてこれを報道しました。
また、中東、アフリカのメディアもこのニュースの意味が本当に理解できているかどうかはわかりませんが
BBCが大騒ぎしたせいでしょう、BBCニュースを引用する形で伝えていました。

▽本日のプラカード

▽出発前、植え込みに立てたプラカード

▽第127回チラシ(現実版)
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150417.pdf

▽タイトル
「Japan court bars restart of Takahama nuclear reactors-英BBC
司法が、日本国憲法が、原発を止めるー
社会が変わる、日本が変わる、歴史が変わる」

▽トピック
1.瞬く間に世界を駆け巡った福井地裁仮処分命令決定
2.関心の薄かったマスコミも手のひらを返すように大きく報道
3.事態を無視・過小評価しようする政府、電力業界、原発自治体、原子力規制委
4.夜郎自大な菅官房長官
5.2014年5月福井地裁判決の意義
6.福井地裁判決を全面的に根拠とする福井地裁仮処分命令 決定要旨全文
7.大甘の基準地震動設定
8.関西電力、電力業界、原発産業の詐術
9.基準地震動700ガル以下の地震でも施施設損壊の恐れ
10.使用済み核燃料の脆弱性・危険性
11.規制委の規制基準に対する鋭い批判
12.「高浜原発3・4号機の運転差止決定を受け基準適合性審査等の中止を求める緊急申入書」 全文

当日はぽかぽか陽気のいい天気で、人出も多かったですし、外国人も多かったです。
8月6日に向けて、徐々に広島を訪れる外国人も多くなっていく時期です。
これは平和公園や資料館、慰霊碑を訪ねようとする外国人に共通した、また、国籍を問わず
共通した特徴ですが、非常に勉強研究熱心で、レベルが高いことが挙げられます。

こうした広島を訪れる外国人がこのニュースに接してどう反応するかは
おおいに興味のあるところでした。

最初から哲野だけがスピーチをする、解説型はやめて「福井地裁が高浜原発の稼働を禁止した」
「この命令は仮処分決定なので即時有効」という点を連呼型にふれて歩くというスタイルに決めていました。

警備課の人が登場。6時になるまで待ちます。
当日はつい目と鼻の先の平和公園をアメリカ大使のキャロライン・ケネディ氏が訪問したので
哲野「大変だったでしょう」
警察「気を使いました。」

18時の音楽が鳴ってスタートすると案の定、外国人の目はBBCヘッドライン引用のプラカードに釘付けになっていました。
ほとんどの外国人が立ち止まるようにしてこのプラカードをみていたのが大きな特徴です。
なかには、スピーチ中の哲野にOKサインを出してくる人も2~3人いました。
そのたびに哲野はマイクで「サンキュー」と返事を返していました。

プラカードを持って歩いている網野は、相当写真を撮られたようです。
中の一人に哲野が、読めないでしょうけど、お土産に持って帰ってください、とチラシを渡したり
これはBBCニュースのヘッドラインなんですよ、と説明したり、結構忙しいデモになりました。

一方、広島市民の反応はどうかというと、いつもよりさすがに関心は高いようで
プラカードを見る人も多かったと思います。
が、外国人に比べると、はるかに関心は低いと言わざるをえません。

原発が司法の命令で現実に止まる、と言っても
その重大さがピンと来る人が少なかったというのもあるかもしれません。
また、日本の社会ではやがてひっくり返されるさ、というタカのくくりかたもあるのかもしれません。
司法に対する信頼感がヨーロッパやアメリカ、あるいは中南米、あるいは一部東南アジア諸国などに比べると
日本は低い、という要素もあるかもしれません。

アメリカなどでは裁判所の命令は絶対なんですが、日本では裁判所の命令を平気で無視したりすることは珍しくもありません。
現実に今回の福井地裁決定でも、政府は原発推進の方針には変わりはない、と平気で言いますし
経済界は原発問題をエネルギー問題だとすり替えて、今回決定を批判しています。
安倍さんは日本は法治国家だと言いますが、
司法の命令が軽く見られる法治国家もなかなか珍しい存在と言わざるを得ません。

チラシは取りに来た人しか渡せませんでしたが、5部ほどはけました。
なかに、まっすぐ哲野に近づいて「チラシをください」と言った若い人が、
「2部もらっていいですか」と聞いてきたのでこの人には2部渡しました。

元安橋に帰ってデモを終了し、早々に引き揚げました。

以上ご報告いたします。

▽出発前・原爆ドーム