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第 126 回広島 2 人デモ 2015年3月13日報告

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みなさま
(いくつかのメール・メーリングにお知らせします)

毎度毎週お騒がせいたします。
第126回広島2人デモ3月13日の報告です。

今回、例年通り3月11日特別デモをしたため
まる1週間、3月6日(金)、3月11日(水)のチラシ作りに追われ、大変な一週間でした。

3月13日のチラシテーマは、みたとたん、「これでいこう」と決めていました。
今審尋中の大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件で
債権者(申し立てをした市民グループ)が提出した第6準備書面のことです。

http://adieunpp.com/karisasitome.html

哲野「これは、面白い。すこぶるつきに面白い。」
網野「何が面白いの。」
哲野「いや、裁判の準備書面が、こんなに面白いとは。
   いやね、これね、読み物になってるのよ。
   裁判長の質問に答える形の準備書面なんだけど、
   関西電力のこれまでの手口、あるいは例の国会事故調の報告の中にあった『規制の虜』の具体例、
   それから、前からわからなかった東電福島第一原発の基準地震動対応補強工事の実情、
   これ、第2苛酷事故のことを考えると決定的に重要なデータなんだけど、これも書いてある。

   それから、悪質極まるのは、基準地震動だ。
   基準地震動の評価を上げれば、それに対応した耐震補強はやると思うよね、誰だって。
   ところが関電はそうじゃない。
   評価だけ上げておいて、これは最大裕度の範囲です、とうそぶいて、それに対応した耐震補強はしない。
   地元の人たちは、基準地震動が上がった、より安全性が増したとほっとするよね、そりゃ。
   ところが、関電は基準地震動が上がったことだけはバッチリ宣伝しておいて
   それに対応した耐震補強はいたしません、とは一言も言わない。
   これ、詐欺行為。
   
   僕が一番勉強になったのは、免震重要棟の重要性。
   新潟県の泉田知事が例の中越沖地震の時の柏崎刈羽原発の経験に学んで
   柏崎刈羽原発に免震重要棟をつくるように強硬に申し入れて実現したこと、
   これがきっかけになって東電福島第一原発に、免震重要棟が出来上がったのが、事故の8か月前。
   もし、福島事故の時、免震重要棟がなかったら、
   それこそ東日本全体が避難対象になってたかもしれない、という話。

   仮処分申立の結果がどうあれ、この第6準備書面を広く紹介しない手はない。
   もちろん、関係者や訳知りの人には常識のことばっかりなんだろうけど
   多くの人に是非知ってもらいたい。
   ま、とにかく面白いの一言よ。
   なんでもかんでも面白がるのは僕の悪い癖だけど」

ということで、第6準備書面紹介に焦点を当てたチラシを作ることになりました。

▼第126回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150313.pdf

▼タイトル
「大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
原発の息の根を止める歴史的宣言が、厳かに、今、日本から、出されようとしている…
市民運動の一打必殺パンチに、今やKO寸前の関西電力」

▼トピック
1.高浜原発運転差し止め仮処分命令は、3月中に・・・
2.とことん追い詰められる関西電力
3.「規制の虜」(国会事故調報告)の一端を説明する第6準備書面
4.福島第一原発の地震に対する脆さ
5.大飯・高浜原発基準地震動-ほとんど詐欺師に近い関電の振る舞い
6.関西電力はクリフエッジを引き上げるのか
7.免震重要棟がなぜ死活問題なのか
8.“免震重要棟なしに再稼働がみとめられるべきでない”

▼プラカード

平和公園元安橋東詰めの集合場所にいくと
じゃけえさんもちょうど到着。
警察の人を待っていると、遠くから「久しぶりです」と登場したのがSさん。
Sさん「こないだ来てみたんだけど、お休み中だったんですかね」
哲野「そう。1月終わりから2月は2週休んだのよ。
    こればっかりやってて、飯が食えなくなっちゃこまるからね」
Sさん「じゃあ、仕事もけっこう、忙しいんですね。」
哲野「いや、ま、そういえば聞こえはいいけど。
   本当は去年の年末までに片付けとかなきゃいけない仕事だったのよ。
   もうちょっと金になる仕事に身を入れないといけないんだけどね」
網野「しょうがないよね、金もうけに興味ないんだから。」
哲野「そういうことじゃないだろ。広島2人デモ、反原発運動、反被曝運動、
   これは一生の仕事である、と、こういうことじゃないか」
ということで、金もうけの下手なことを一生懸命合理化しておりました。

Sさん「今日はボク参加できないんですよ。次に仕事があって。
    どうしてるかと思って寄ってみだたけ。チラシください」
ということで、今日は3人で出発になりそうです。

警察の方が来たので、指令書の確認。
音楽を聞いて出発です。

▼今日の元安橋(もとやすばし)

▼建物補強工事中の原爆ドーム

▼プラカード表面


▼プラカード裏面

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「毎度毎週お騒がせしております。
     毎週金曜日に歩いております広島2人デモです。
     今日で126回目になりました。

     今日のチラシのテーマは
    『大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
     原発の息の根を止める歴史的宣言が、
     厳かに、今、日本から、出されようとしている』です。

    どういうことかというと、大飯原発の再稼働は、
    250km圏住民の人格権を侵害する可能性があるということで
    昨年5月に、福井地裁から大飯原発運転差止判決が出ました。
    この裁判は、現在名古屋高裁金沢支部に舞台を移して係争中です。
    この判決が出たにもかかわらず、まだ確定していない、として
    関西電力は大飯原発の再稼働へ向けて準備を進めています。
    そこで、この裁判を起こした福井を中心とする市民たちは
    今度は大飯・高浜原発運転差止め仮処分命令申立をしました。

    この決定が出ると、関電は否応なく、大飯原発・高浜原発の再稼働ができなくなります。

    昨年出た福井地裁判決とどう違うかと言うと、
    今回は仮処分申立ですから、運転差止め仮処分命令が出ると
    この命令はただちに効力を持ちます。
    つまり、福井地裁判決のなりゆきがどうあれ、権利保全命令ですから
    原発を動かすことができなくなります。

    司法が現実に、原発の運転を差止めるケース、
    司法が現実に原発を止める、恐らく日本で最初のケースになるんじゃないでしょうか。

    この審尋が3月11日、福井地裁において行われ、決定は出ませんでしたが
    高浜原発については、恐らくは3月中に差止めの決定がでるのではないか、
    との期待が高まっています。
    また、大飯原発については、5月20日に次の審尋が行われることが決まりました。
    どうなるか、全く予断を許しませんが、高浜原発については
    今月中にも運転差止決定の出る公算が非常に高いのが現状です。」

じゃけえさんのスピーチ中に、仕事帰りの原田さんが参加。
哲野と一緒にチラシまきに回ります。
次に哲野がスピーチです。

哲野「いま、福井地裁で大飯高浜原発の運転差止仮処分命令出してちょうだいよ、と
   こういう裁判が行われております。
   これ、珍しい裁判でもなくて、昔マンションが建っちゃうと、陽が当たらなくなっちゃうと、
   これは日照権の侵害になると、現実にマンション建ち始めたよと、
   日照権侵害はまだ現実のものではないけれど、権利侵害は明らかなので
   裁判所にこの権利を保全してちょうだいと、
   そのためにはマンション建設を差し止める仮処分命令を出してください、と
   こういう裁判がよくありました。
   仕組みは全くこれと一緒です。
   今回の場合は、侵害される権利は大飯・高浜原発から250km圏住民の基本的人権、
   これ、人格権というんだそうですけど、権利侵害の恐れがあるのは関西電力よ、と
   こういう中身です。
   反原発の人たちが、この手法を使って原発運転仮処分命令を申し立てるケースは
   これまでも数多くありました。
   申し立てはこれまですべて却下となってきました。
   しかし、今回は福井地裁がこの申し立てを却下するのが非常に難しい状況、
   逆に言うと、日本で初めて、原発運転禁止の裁判所の仮処分命令が出る公算が非常に高い。
   というのは、申立側が使っている根拠、この根拠が他ならぬ福井地裁判決、
   昨年5月に出された、大飯原発の運転差止命令を出した福井地裁判決だからです。

   この判決では、大飯原発の運転(再稼働)は250km圏住民の人格権を侵害する
   現実的な危険性がある、ということで関西電力に運転差止を命じました。

   それと全く同じ論理構造で、今回仮処分命令申立が行われていますので
   逆に言うと福井地裁としては、この申し立てを認めざるを得ない、と、こういうことになります。

   オマケに担当する裁判長が、昨年福井地裁判決を出した、樋口英明裁判長ですから
   自分が出した判決と矛盾する決定を出すのがなかなか難しい。
   残る問題は、人格権侵害が緊急に保全しなければいけない権利なのかどうか、
   マンション建設とおなじように、日照権侵害が現実の保全を必要とするほど
   緊急なものなのかどうか、という点になります。
   この点も、今すでに高浜原発に限って言えば、原子力規制委員会から
   原子炉設置変更許可が出ていますので、マンション建設に例えれば
   もう計画中ではなくて、工事着工して半分くらいまで建っちゃいましたよと
   これは緊急に保全しなくてはいけませんね、とこういうことになる可能性が非常に高い。」

  「みなさん、これ非常に面白い裁判。
   というのは、訴えられているのは関電。
   中国電力の2.5倍くらいの売り上げを持つ、東電没落後、日本の電力会社のチャンピオンです。
   ボクシングに例えると、カシアス・クレイの3倍くらいの腕力を持つ巨大企業です。
   一方、訴えているのは、福井の市民たち、我々と全く変わらない、力も名声もない、普通の市民です。
   ボクシングに例えれば、蚊トンボ級のやせっぽちの無名の見るからに腕力のなさそうな、痩せこけたボクサーです。
   これがリングに上がって、さぁ勝負。
   結果を見るまでもなく、蚊トンボ級のボクサーが一発でノックアウトになるだろうことは明らかです。
   ところが今回はそうじゃない。
   蚊トンボ級のボクサーが繰り出した、必殺パンチが、関電の急所にヒット、
   もう、関電フラフラ、裁判官忌避とか、コーナー際に追い詰められている、
   いま10カウントアップ中です、カウントアップが始まったのが、2月半ばくらいからでしょうか、
   今現在、7、8、数えている感じでしょうか、10カウントで終了ゴングが鳴るのが3月末という見通しです。
   司法が現実に原発を止める、この歴史的な事件に、私たちは今、遭遇しようとしています。
   マスコミが騒がないので、みなさんピンと来ないかもしれませんが、
   現実にこの決定が下りれば、やっとマスコミもわかって大騒ぎ、となることは請け合いです。
   みなさん、大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件、
   この事件のことを頭に入れておいてください。」

次は原田さんです。

原田「みなさん、司法が現実に、即刻に原発を止める、このようなことが現実になる、
   その時が近づいてきています。
   関西電力高浜原発に運転差止めの仮処分命令が出される見通しとなっています。
   原発にもう未来はありません。
   原発を推進する人たちは、まだなお、原発再稼働を進めようとしていますが
   原発がもたらす放射能被害がどのようなものか、
   今から4年前の福島原発事故で私たちは思い知ったのではなかったでしょうか。
   原発に、未来はありません。
   事故を起こさなくても私たちの生活空間に大量の放射能を流している、
   その存在自体が私たちの生存権を脅かしているからです。」

最後に網野です。

網野「今日のチラシは、大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件がテーマです。
    3月11日に第2回目の審尋がありましたけれど、結論から言って、
    高浜原発については審理終了、決定を3月末までに出す、
    大飯原発については5月20日に第3回目の審尋を行う、ということです。
    大飯原発と高浜原発の審理が分離された理由は、
    高浜原発には原子力規制委員会の原子炉設置変更許可が下りている、
    つまり保全の必要がある、それに対して、大飯原発については
    まだ規制委員会の審査が続行中であり、緊急に保全する必要があるかどうか
    これは双方の言い分を聞いて見なきゃ判断つかない、とこういうことだと思います。

    公算としては、高浜原発運転差止命令が出る可能性が、非常に強いという状況となりました。

    関西電力は事実上、自分の敗北を認めるような動きをしました。
    3人の裁判官の忌避申し立てを行いました。

    (3人の裁判官の忌避申し立ては3月13日に福井地裁で却下となりました。
     これを受けて関西電力は上級裁判所である名古屋高裁金沢支部に即時抗告。
     現在、金沢支部の決定待ち、という状況です。
     裁判に負けそうで、裁判官を忌避する、これがしょっちゅう認められると裁判が成り立ちません。
     ですから忌避申し立てが認められるのは、非常にまれなケースです。
     今回も、恐らくは金沢支部は却下するでしょう。
     言ってみれば、関西電力の時間稼ぎということになります。
     というのは、今のところ、裁判長の樋口英明氏が3月いっぱいで福井地裁異動となる見通しで
     4月になれば、新たな裁判長のもとでこの審理が進むことになるからです。)

忌避申し立てについて鹿島弁護士の見解
(大飯・高浜原発仮処分支援の会)

http://adieunpp.com/karisasitome/150313kihi_kasima.pdf

    今日のチラシはそれ以外に、審理の過程で出てきた準備書面の内容をかいつまんで
    みなさんにお伝えしております。

    例えばですね、関西電力の詐欺行為。
    原発の安全性というのは、日本においては地震に強いかどうかは外せないポイントです。
    これ、基準地震動といって、地震に対する耐震性の目安がきまっています。
    基準地震動が上がれば、当然、地震に対する抵抗力は強くなる、と考えるのが普通です。
    大飯・高浜原発も、現在の地震動は旧指針から新指針に変わるときに上げられました。
    耐震性が増した、ということです。
    ところが、基準地震動を上げるということと、それに対応した耐震補強工事をするということは
    別物だと関電は主張するのです。
    基準地震動は上げたけれど、耐震補強工事は必要ないというんです。
    しかも、地元の人たちには安全性が増したと宣伝しておいて、
    耐震補強工事はしませんとは一言もいわなかったのです。
    これって、詐欺ですよね。

    このチラシでは準備書面の内容をかいつまんでご紹介してますので
    是非目を通してください。

    お騒がせいたしました、ありがとうございました。」

元安橋に帰ってデモ終了。
翌日土曜日に、第60回伊方デモを予定しており、
そのチラシをつくろうということで、早々と全員で事務所に引き上げ
チラシ作りにとりかかりました。
それがこのチラシです。
伊方原発から大量に放出される、トリチウムに焦点を当てました。

http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20150314.pdf

これもお目通しください。

以上ご報告いたします。