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第43回広島2人デモ 4月5日報告

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みなさま

第43回広島2人デモのチラシに重要な誤りがあります。
今その誤りの訂正作業中で、しばらく時間をくださいませ。

誤りのポイントは文科省の「実効線量換算係数」の取り扱い方にあります。
この換算係数は本来体内蓄積した放射性物質(放射性濃度、ベクレル表示)を直接実効線量に換算する係数ではありません。
今回の例でいえば、セシウム137 1ベクレルを経口摂取した場合
実効線量として人間の身体にどれほどの影響を与えるかを表現する換算係数です。
(預託実効線量の概念、あるいは予測実効線量の概念と考えても差し支えありません)
セシウム137 1ベクレルを経口摂取した場合に0.013μSvの影響を与える、
と理解するのが正しい理解です。
ですから、蓄積したセシウム137にこの係数をかけ、実効線量として表現をするのは誤りでした。

文科省の換算係数はほぼICRPの換算係数の丸写しであり
ICRPがこうした換算係数を使って放射線物質の内部被曝を
極端に過小評価してみせている、という事実には変わりがありませんが
私の理解が浅かったため、今回の誤りが起きました。

なお、この誤りを指摘していただいたのはこの2人デモの報告をいつも読んでいただいている、ある専門家の方です。
この専門家の方には心よりお礼を申し上げたいと思います。

私たちの本意は、私たち自身を含む一般市民に、放射性物質の危険、内部被曝の危険を
正しく伝えていくというところにあります。
しかしICRPの考え方とはいえ、誤ったこと、不正確なこと、ましてやデマ・アジテーションを
伝えることは目的から逸れており、全く本意ではありません。
もし私たちがそうするとすれば、私たち自身を、「放射能安全神話」のデマを振りまくICRPと同じレベルに貶めることになります。

誤りがないように気を付けて勉強しているつもりですが、今回のような誤りが起こる可能性は今後もあり得ます。
従って、誤りがあれば、その都度訂正、謝罪するつもりです。
これからも私たちの誤りについてはどしどし批判・指摘していただくことは大変ありがたく、大いに期待しております。
重ねて御礼申し上げます。

またなお、このチラシの結論は
「内部被曝は状況、被曝核種によっては極低線量(1mSv以下)の被曝でも命に危険がある」というものですが
ICRPの内部被曝を極端に過小評価する「実効線量概念とその体系」を使っても
この結論を変更する必要は全く無いことを再度申し上げておきます。

(広島2人デモ チラシ作成文責者 哲野イサク)

いつもお騒がせいたします。
第43回広島2人デモの報告をいたします。

今日のデモ参加者は6人
哲野、網野、大歳さん、じゃけえさん、原田さん、Kさんの娘さんでした。

デモの終了時にKさんが仕事場からやっと間に合って、参加者は、合計7人です。

今日の天気、午前中は快晴だったのですが
昼から雲が張り出して、明日は雨と風の強い春の嵐だそうです。
花見も最後です。

集合場所に行く途中で、大歳さんとばったり合流。
スピーチとかチラシの内容で哲野と話が盛り上がります。

しばらくして警備の警察の方が登場。
指令書の確認をし、チラシをお渡しします。
警察「なんとか持ってよかったですね、明日ならアウトですよ。もうだいぶ雲がこっちきてるみたいですよ」
網野「ええっ?もうだいぶこっち来てるんですか?(雨雲が)」
警察「今日は別なデモ(さよなら原発さん)がありますから、ぶつかったときはいつも通りで」
網野「はい、こちらが人数少ないので、ぶつかったときは待とうと思います。」

色々雑談していると、6時の音楽が鳴りました。
3人で出発です。

▽今日のチラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20130405_A4.pdf

今日の町の様子は先週と違い、花見モードはほぼ終わっていました。
いつもの町という感じです。

大歳さんのスピーチからスタートです。

(大歳さんのスピーチおよび各人のスピーチ全文はスピーチ順に末尾にまとめてあります。)

スピーチがはじまったとたんに原田さんが登場。
車を置いて駐車場から息せき切って現れました。

大歳さんのスピーチは大分県の担当部署に大分県パンフレットの内容の件について
問い合わせたいきさつを説明する内容でした。
それでわかったことは、大分県の担当者もパンフレットの内容について確信をもっているわけではないことでした。
質問を重ねていくと、
「実際に100mSv被曝された妊婦さんがいたらあなたはその方に中絶しろとでも説得なさるのですか?
 いたずらに危機をあおるような発言は遠慮していただきたい」
と問題の論点を逸らす話にしたそうです。
(大分県の方が抗議の電話をしたところ、
 全く同じセリフを言われたそうです。
 これはどうも、抗議電話に対する、対応マニュアルの一つのようです)

しばらくして、じゃけえさんが合流。ここで計5人。

スピーチ中、プラカードを見る人が結構いました。
前に若いカップルが歩いていたのですが、女性が振り返ってプラカードを見ていました。
すると男性が「見るな、無視しろ」と言う風に肩を押し戻しました。
男性は関心がないというより、自分の彼女にそんな話題に触れさせず
自分のコントロール内に置いておきたいみたいでした。
年代問わず女性からはプラカードに視線が集まります。

スピーカーを持って先頭を歩いてる私にチラシまき担当の哲野が近づいて
哲野「若い人が特に女の人がよく取るよ。」
と、早々と報告が入りました。

次に原田さんにマイクが渡ります。

原田さんは民主主義の生存権に触れながら
「私たちは憲法で保障された「生存権」を持っているはずです。
 みなさんは、「生存権」は必要のない権利だとお考えになりますか?
 「今の憲法は変えたほうがいいから、生存権も要らない」とお考えになりますか?」
と語りかけました。

原田さんのスピーチ中、Kさんの娘さんが合流。計6人です。
娘さんがプラカード係りに回ります。
哲野「あれ?Kさんは?」
娘さん「まだ。仕事で動けないみたいです。」

原田さんのスピーチ中もプラカードが良く見られています。
また、後でみんなに聞いたのですが、
「チラシを取りにくる女性が多かった」
「チラシを取りに来る若い人が多い」(男性も)
だったそうです。

哲野に聞くと、チラシをくださいという人(いずれも男性)が2人いたそうです。
一人からは丁寧に「ご苦労さまです」と頭を下げられ
哲野がどぎまぎしたそうです。
「なんで、俺たち、頭さげられるんだろう?」

次にじゃけえさんにマイクが渡りました。

じゃけえさんはチラシの内容を、要約してスピーチしました。
締めくくりに
「みなさんの代弁者はいません。
 あなたの代りに考えてくれるひとはいません。
 今自分自身が考えなければ命の危険が迫っています。」
と結びました。

じゃけえさんのスピーチ中、デモ隊を追い抜いていこうとした
まだ20歳代前半の若い男性(おしゃれに決めた草食系男子)が
引き返してきて、チラシを求めました。
大歳さんがチラシを渡すと、歩きながらすぐに読みはじめました。
見ていると、商店街でバイトをしている(チラシを配っている)男性が知り会いだったらしく、
声をかけてしばらく談笑していましたが、すぐに離れて、また歩きはじめながらチラシを読んでいました。
網野「!!!」
大歳「若い男の子が取りにきた・・・しかも読んでる。」
狐につままれたようです。

次にマイクが哲野に渡ります。

哲野は安倍政権誕生で、好き勝手やっている自民党政府、経済界にお灸をすえようと呼びかけました。
「政権をとったからといって何をやってもいいわけではありません。
とりあえず経団連会長は住友化学工業出身なので
住友と名前のついた製品やサービスは、一切利用しないことにしましょう。
また、経済同友会の代表幹事は武田薬品工業の長谷川社長です。
武田薬品の製品や買わないことにしましょう。
特に武田のアリナミンは絶対にダメです。
私たちが武田のアリナミンを買うと、核産業は元気になってしまいます。
世界的原発ベンダーの日立、三菱、東芝の名前の付いたものは一切買わないことにしましょう。」
と呼びかけました。

(※三菱鉛筆株式会社は″三菱” の名前がついていても
  旧三菱財閥企業グループとは何の関係もない、
   独⽴・健全な良質企業です。お間違えのないように。
   スリーダイヤモンドマークは三菱グループよりも
   三菱鉛筆が⽇本で最初に使いました。)

あとでじゃけえさんのツイートを見ると
「 うちのテレビ、REGZA…(東芝) _| ̄|○ 懺悔タイム 」と書いてありました。
いえいえ、哲野のウチのテレビも日立です。(ブラウン管ですが)
私たち貧乏人は原子力規制委員会の「バックフィット」ではなく
昔ながらの「バックチェック」でいきましょう。
お金がいくらあっても足りません。

哲野のスピーチはちょうど金座街の手前からはじまり、金座街往復する形だったのですが
ここはちょうどサラリーマンが通るところだったり、仕事の終わったサラリーマンが待ち合わせをしている場所です。
今日も中年のスーツを来た男性が2~3人、通りの真ん中に立っていましたが、こちらを見ながら聞いていました。
また、ご年配の女性が興味深そうに聞き、プラカードを見ていたので
気が付いた原田さんがチラシを渡すと、すぐに受け取って読みはじめました。

次にマイクが網野に渡りました。

網野は
「広島人としては赦せないことがあります。
 今国が出している放射線防護体制、これはICRP国際放射線防護委員会の
 出しているリスク勧告に基づいて作られていますが
 これは広島・長崎の原爆生存者寿命調査のデータを元にして作られています。
 外部被曝一回きり、中性子線とガンマ線の影響を調べたデータ
 しかも原爆が投下されてから5年後に始まっています。
 5年後以降から調査されたデータを元に使って私たちに言っているのは
 5年以内では放射線の影響は出ない、こうすり替えて私たちに伝えています。
 違います。5年後以降から調査したものを使っているんです。
 しかも外部被曝1回きりのデータです。
 内部被曝で調査したものを使っているわけではありません。」
と知らせました。
(※ABCC=放射線影響研究所の原爆被爆生存者寿命調査=LSSは
  原爆投下から約4年半経過した1950年1月時点の生存者を対象とし
  それまでに放射線障害で亡くなった方は対象としていません。)

次に哲野にマイクが渡ります。

哲野は内部被曝影響を極端に過小評価するシーベルトの概念について触れ、
放射線の影響をシーベルトで判断するのは誤りです、と訴えました。
また、少量の2~3ベクレルの汚染食品でも、核種(セシウム137、ストロンチウム90)によっては
身体の中に蓄積し、健康に重大な損傷を与える可能性があること
毎日、たとえ少量でも、汚染食品を摂りつづける慢性被曝の危険について訴えました。

ここでちょうど、復路の本通り電停に差し掛かったところです。
本通りの奥にさよなら原発さんのデモが見えます。
念のため信号を一回待ちました。

警察「さよなら原発さん、本通りの向こう(終わりかけ)まで、もう行かれたようですよ。」
網野「そうですか、ありがとうございます。じゃ次の信号で渡ります!」

振り返ると、なにやら原田さんに息巻いて話しかけている女性がいます。
原田さんが苦笑いしながら対応しています。
何を話されているんでしょう?
原田さんとのやりとりを聞いているとその女性は
「そんなこと言ってたら、福島のものは食べられなくなるじゃない!
 福島の人がかわいそうじゃないか!
 せっかく復興で頑張っているのに!」
と、怒っていました。

哲野はマイクを握ったまま
「・・・・今、通りがかりの人が、私たちに喰ってかかりました。
 『あんたがたみたいなこと言ってると、福島のものは食べられなくなる』
 そうです。福島に限りません。
 放射能に汚染された食品は、残念ですが、やはり食べてはいけません。
 福島原発事故で汚染した食品は、私たちが食べて福島を応援するのではなく
 事故の責任者である、東電、そして国策として原発推進を進めてきた政府が
 補償をすべきです。
 私たちが自分たちの健康を犠牲にしてまで、東電や政府の尻拭いをするのは全く筋違いです。」
とスピーチしました。

本通りアーケードが終わる東端、
ここでさよなら原発ヒロシマの方が終わって元安橋から帰ってくるところらしく鉢合わせ。
網野が手を振って「お疲れ様です~!」というと向こうも手を振って「おお~お疲れさんです」
哲野「チラシ残ってない?」
実はチラシがもう、全部はけてみんな手持ち無沙汰歩いていました。
原田さんが自分のチラシを供出し、その最後の一枚を手渡して
哲野「最後の一枚のチラシでした!」

そのあと哲野は
「1mSv以下の被曝を極低線量内部被曝と言っていますが
 1mSv以下でも状況によっては死に至る危険があります。
 みなさん、内部被曝に気を付けてください。」
と訴えてデモ終了とおもいきや
ここでちょうど元安橋に帰って来てKさんとも合流。
いままでたくさん参加してきて、ず~っとプラカードを持って歩いてくれているのですが
一度も発言していないKさんの娘さんに一言でいいからとマイクを握らせました。

Kさんの娘さん「被曝はいやです。」

ここでデモ終了。

警察の方にお礼を言って・・・
警察「よくチラシがとられていましたね!」と感想を貰いました。
警察の方がそう思うほど、反応がよかったようです。
御礼を言ってお別れし、夜桜の下で情報交換会です。
じゃけえさんとKさんが手作りのおむすびや稲荷、おかずを持ってきてくれました。
私は大分で買ったしいたけの佃煮。
みんなでつつきあいながら今日の感想や原発や放射能に関する色んな話題を話しました。

みんなの今日の感想はやはり、
チラシが良く受け取られた、しかも女性と若い人(男性も)がよく受け取った、とのことです。
チラシを受け取りに来た人があんまりにこやかなので
哲野「知り会い?」
原田「いえぜんぜん違います」
哲野「なんか親しげに話してるようにみえて・・・」
原田「いーえ、全然。チラシくださいって来た人ですよ。」
とあとで確認するほどの人もいました。

大歳「2人デモの効果が出てきているような気がする。受け入れられてきているような気がする」
と言う感想もありました。

Kさん「2人デモのチラシを取りたいとか思っている人もいると思うんだけど
    この時間でだいたいこの辺通るとわかっているといいですね。
    通りすがったときに居なければ、『今日は遇わなかったな』と思う人もいるんじゃないかな。
    毎週この時間、ここに行けば絶対に遭える、参加できるというスタイルも
    必要なんじゃないだろうか?」
ということで、話題は今後の展開をどうするか、という話に自然に向いていきました。
中でじゃけえさんが、深刻で現実的な課題をみんなに突き付けました。

じゃけえ「参議院選挙で私たちができることはなんだろうか?」

この質問は一人一人、すぐには答えられない質問かもしれませんが
重要な問題提起でした。
それとKさんが

Kさん「内部被曝とその健康影響の問題については毎回やるべきじゃないかしら?」

と言っていたのが印象的でした。

以上報告いたします。

====以下各人のスピーチです。=====

◆大歳「皆様は行政パンフレットというものをご存知でしょうか?
    県庁や市役所、市町村役場においてあるパンフレットのことです。
    ほとんどの場合、私たちは役所に行けば用事を済ませそそくさと帰るので、
    よほど関心のある住民税とかではない限り、
    あまりこういったパンフレットを自宅に持ち帰って、まじまじ読むこと少ないかと思います。

    そういった行政パンフレットですが、食品の安全のことについても当然配布されております。
    放射能影響に関するパンフレットは役所だけではなくフレスタなどのスーパーにも置かれています。
    こうしたパンフレットの内容はといいますと、普通に生活していても自然由来の放射能から
    2mSv程度の放射線を受けているとか、「1kgあたり100ベクレル以下ならばいくら食べても大丈夫」といった
    原子力推進派の研究者でも表立っては発言していない事柄が心強くも書かれております。

    その中でも極めて心強いパンフレットが、別府、湯布院で知られる某県の食品安全衛生課から配布されていて、
    この中身はといいますと『胎児への被曝影響は100mSv以下では起こらない』というものです。
    これが本当ならば大変心強いわけですが、残念ながらそうではありません。

    といいますのが原発内部で作業をされる方の年間許容値が5mSvですから、
    そういった作業をされる成年男性よりさらに放射線感受性が高いとされる女性と、
    また更に何百倍、何千倍という放射線感受性がある胎児が
    100mSvに近い被曝をうけて無事でいられるわけがありません。
    普通の成年男性であってもただではすみません。

    そのようなわけで私は某大分県の食品安全衛生課に電話をかけまして、
    このパンフレットの根拠はなんなのかを問い合わせました。
    その課の担当者の方は
    「私どもはWHOやICRPといった世界的なスタンダードに基づいてパンフレットを作成しました。」
    といってのけるので私は「被曝の影響を研究しているのはそういう団体だけではない、
    民間の医師団や研究機関が数多くチェルノブイリに入って報告書をまとめていて、
    年間100mSv以下の地域でも死産や重大な障害を伴う出産が確認されている」
    と主張してもいっこうに取り合ってはいただけないので
    「これらの団体のどちらが正しいのか判断できないのであればより安全側に立っていただきたい」と
    私が述べると、その県の担当者は
    「実際に100mSv被曝された妊婦さんがいたらあなたはその方に中絶しろとでも説得なさるのですか?
    いたずらに危機をあおるような発言は遠慮していただきたい」と逆に私に問い詰めました。
    この会話は今私が尾ひれつけて脚色したわけではないそのままの会話ですが、
    行政側の対応というのは往々にしてこうしたものです。
    この会話に登場するICRPという団体は国際放射線防護委員会といいまして
    防護とは名ばかりの推進委員会ですが、
    この団体は確かに国際的な放射線研究の権威になっておりまして
    日本国内の放射線研究の団体、組織もほぼすべてここの傘下になっております。
    県や市町村の各部門もしっかりこの影響下にあるのでそこを打開するのは困難な状況となっております。
    ですから私が申し上げたいのは、ただ一つ「行政の言うことなど信用しないでください。」
    これに尽きるということです。
    こういうものを信用していると命がいくつあっても足りません。
    では実際に100mSvよりもさらに低い低線量の被曝を受けた場合、
    妊婦と胎児はどうなるのかという調査はチェルノブイリですでに行われています。
    衆議院のHP内に「チェルノブイリの長い影」という資料が存在しています。
    http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo /cherno10.pdf/$File/cherno10.pdf (p.22~24)
    これによれば、少量の電離性放射受けている地域でも
    調査対象となった妊婦女性の33.6%において、
    子宮内での胎児の発育が停止したことが分かった、という調査結果が示されております。
    つまり100mSvよりもさらに低線量の居住区において、
    はっきりと胎児への影響が確認されているデータが衆議院のHP上にあるということです。
    これらの調査結果は確かに震撼させられるほどのインパクトがありますが、
    決して目を背けてはならないものであるといえます。
    どうか皆様、特に女性の方、情報の選択には十分すぎるほどの慎重さを持ってあたっていただきたいと思います。
    できれば今日配布させていただいているチラシに目を通していただけたらと思います。」

◆原田「日本が民主主義の建前をとっているからには、政府も国民の大多数の意見を無視することはできません。
    だから、核利益共同体は、情報を操作することで国民の意見を都合よく誘導しようとします。
    今、彼らが必死に行おうとしていることは、内部被曝の本当の危険性を知らせないようにすることです。
    そのために、きれいなパンフレットをお店に置いたり、小学校で放射線の「出前授業」を行ったりしています。

    セシウム137のような放射性物質を体の中にとりこんでも100ミリシーベルト以下では健康影響がないというのは、あきらかな嘘です。
    食品の放射性物質の基準値は、安全値ではありません。
    成長期の子どもたちに、セシウム137が1kgあたり100ベクレルの食品を食べさせてはいけないのです。
    ストロンチウム90やウラン238、プルトニウム239がわずかでも含まれる食品を食べさせてはいけないのです。
    今の広島県の検査体制では、保育所や学校の給食による放射性物質の体内へのとりこみから子どもたちを守ることはできません。
    成長期の子どもたちの安全が守られるような給食の検査体制を、大人の責任で要求していかなければいけません。

    原子力規制委員会が原発を再稼働するための「規制基準」の準備を着々と進めています。
    この「規制基準」をクリアすべく、着々と準備を進めているのが、広島市から一番近い原発、愛媛県にある四国電力伊方原発です。
    伊方原発には広島原爆の1万倍の放射性物質が溜め込まれています。
    伊方原発が再稼働を始め、苛酷事故を起こし、原子炉の緊急停止に失敗した場合には、核暴走が起こります。
    核分裂が連続的に起こって、強い中性子線を発し、誰も周辺には近づけなくなります。
    そのとき、「規制基準」に盛り込まれている非常用電源、タンク、ポンプを、誰がセットして使うのかわかりませんが、
    例えばそれを準備することが、伊方原発が規制基準をクリアする条件となっています。
    広島市を死の街にするケースを十分に想定できる伊方原発の再稼働が迫っています。

    私たちは憲法で保障された「生存権」を持っているはずです。
    みなさんは、「生存権」は必要のない権利だとお考えになりますか?
    「今の憲法は変えたほうがいいから、生存権も要らない」とお考えになりますか?
    そうでなければ、今、私たちの「生存権」が侵されていることに対して、
    はっきりと拒否の声を政治に届けなければいけません。」

◆じゃけえ「お騒がせしております。
     毎週金曜日の2人デモです。
     私たちは専門家でもありません、ましてや宗教でもありません。
     一般の一市民が、原発に抵抗してみなさんに知っていただきたいことをこうしてスピーチして歩いております。

    みなさん、今の安全基準、ご存知でしょうか?
    政府は100mSv以下の被曝では健康に影響がないと言っていますが
    チェルノブイリ原発事故で有名なベラルーシで死亡した乳児たちを病理解剖して
    セシウム137の蓄積量を調べた結果、7578ベクレルでした。
    ベクレルとは放射能の量を表します。
    シーベルトとは放射性物質から人体が受ける影響を表す単位です。
    死亡した乳児に蓄積された7578ベクレルをシーベルトに換算すると1ミリシーベルト以下になります。
    マイクロシーベルトは1ミリシーベルトの1,000分の1です。
    政府がここまでは安全だと言う100mシーベルトという数値より遙かに低い数値になります。
    100ミリシーベルトとは全く安全でない数値です。
    政府は100ミリシーベルトでは健康に影響はないと言っていますが
    それよりはるかに低い1ミリシーベルト以下でもベラルーシでは乳児が死亡しています。
    そんな危険な基準がなぜ広まっているのかというと
    放射能は微量でも危険だと広く知られてしまうと
    原発などの核施設を自治体が受け入れなくなってしまうからです。
    信じられないことですが、原発をつくるため人の命の安全は今、なおざりにされています。
    原発を作りたがっている核産業界に属した企業の製品を買う事は
    原発推進に手を貸すことになります。
    お買い物をする際は、企業をよく見て選びましょう。
    詳しくはお配りしているチラシ、インターネットでも「広島2人デモ」で検索していただければ
    チラシの内容がご覧いただけます。

    みなさんの代弁者はいません。
    あなたの代りに考えてくれるひとはいません。
    今自分自身で考えなければ命の危険が迫っています。
    詳しくは是非チラシをご覧ください。」

哲野「毎度毎週お騒がせします。
    関西電力大飯原発再稼働に反対して毎週歩いている2人デモです。
    2人デモですが、今は6人で歩いています。

    私たちがこうやって歩いているのは、原発や放射能をめぐるいろんな毎日の激しい動き
    こうした激しい動きをミニコミュニケーションでお伝えするのが目的です。
    私たちが原発や放射能の問題から目を離してしまうと、喜ぶ人たちがいます。
    原発や使用済み核燃料再処理工場など核産業の人たちは出来るだけ
    私たちが放射能や核施設について無関心でいてくれたほうがありがたいのです。
    原発を推進する人たちは私たちが出来るだけ知識を持たず、関心を持たないことを望んでいます。
    ですから逆に私たちは原発や放射能のことについて知識を持ち、関心を持つ必要があります。
    それは私たちの生活や、私たちの命や、小さい幼い命や、子どもたちの健康に
    直接影響するからです。

    原子力規制委員会をご存知だと思います。
    原子力規制委員会は、現在原発再稼働のための新安全基準を決めて
    この7月に法律が施行される、この施行に間に合わせて作業していますが
    つい4月3日の規制委員会で「安全基準」という名前を変えて、「規制基準」と言う名前に変えました。
    原発再稼働のための安全基準ではなく、規制基準です。
    その時の記者会見で田中委員長は、
    「安全基準と言う名前だとこの基準さえ守っていれば安全だという誤解を生む。
    こういう誤解があってはならない、あくまで安全基準ではない、規制基準だ」
    という内容の話をし、「規制基準」に名前を変えることの説明をしました。
    みなさんご存知だと思いますが、自民党安倍政権は
    原発推進、核推進、国策として日本の原発を海外に輸出しよう、こういう政策を掲げています。
    原発や放射能が我々に安全ならいいんですが、
    残念ながら放射能は我々の生活を根底から崩していきます。
    「規制委員会の規制は基準が厳しすぎる、もっと緩めなさい」という圧力が
    自民党政府、経済界、電力業界、日立、三菱、東芝と言ったような
    世界的原発ベンダーから今凄い圧力でかかっています。
    代表的には経団連、経済同友会など経済団体はあからさまに
    原発の規制基準を緩めなさい、というこういう圧力をかけています。
    自民党安倍政権はアベノミクスで今人気が高いそうですが
    政権をとったからといって何をやってもいいわけではありません。
    今の動きについては、私たちは少しお灸を据えてやらねばならないと思います。
    どういうお灸の据え方があるのか?
    とりあえず経団連会長は住友化学工業出身なので
    住友と名前のついた製品やサービスは、一切利用しないことにしましょう。
    また、経済同友会の代表幹事は武田薬品工業の長谷川社長です。
    武田薬品の製品や買わないことにしましょう。
    特に武田のアリナミンは絶対にダメです。
    私たちが武田のアリナミンを買うと、核産業は元気になってしまいます。
    武田のアリナミンを買うのはやめましょう。
    世界的原発ベンダーの日立、三菱、東芝の名前の付いたものは一切買わないことにしましょう。
    少々お灸を据えてやらないと、彼らは調子にのってなんでもします。

    今、三菱のものは買わないようにしましょうと言いましたが、三菱鉛筆だけは別です。
    三菱鉛筆は三菱の名前がついていますが、旧三菱財閥グループとは全く関係がありません。
    健全で、独立した、いい会社です。
    三菱鉛筆以外のあらゆる三菱製品は買わないようにしましょう。

    三菱と名前のついた銀行や、三菱と名前のついたあらゆるものは利用しないようにしましょう。
    三菱重工業こそが、日本の核産業の中心企業です。
    彼らが大きくなり、彼らが富んでいくということは、私たちが圧迫されるということです。
    私たち一般市民は一般市民らしい方法でこうした原発推進派、
    好き勝手をやっている自民党政権に私たちらしいやり方で対抗しましょう。

    規制委員会はいま規制基準を決めていますが、この内容を見ればかなりあやしいものがあります。
    つまり、この基準は最低以下の基準です。
    これを緩めるということは日本全体が自殺行為に走るという事です。
    これを緩めようと言う経済界に対して電力業界に対しては
    私たちは私たちなりのやり方で対抗しなければなりません。」

◆網野「毎度毎週お騒がせします。
    広島2人デモです。原発に再稼働に反対して歩いています。
    2人デモですけど、今は6人で歩いています。
    放射能は100ミリシーベルト以下では安全と、大分県のパンフレットには書かれてあります。
    妊婦、胎児への影響、これも100ミリシーベルト以下では影響がないとはっきり書かれてありました。
    とんでもない話だと思います。
    こういうことを赦してはいけません。
    実際にこのままほっておくと、健康損傷をする人が大勢でます。
    数年後、10年後、30年後、チェルノブイリと同様に健康損傷を起こし、或いは病気になり、死亡する。
    医療費どうなると思いますか?私たちが収めている健康保険料で賄えると思いますか?
    チェルノブイリでは5年以上、まともな手当をしませんでした。
    そのため多くの人が健康損傷を起こし、死亡率が上がり、国の財政ともに逼迫したため
    あわてて、約10年くらい経って手当がされています。
    今、私たちはチェルノブイリに学ぶことができます。
    例え低線量でも毎日蓄積していくことが危険だとわかっていますから
    慢性被曝になるこの状態を早く脱しなければなりません。
    少量だから食べても安全というのは、たった1回きりのことです。
    毎日毎日食べ続ける、このことが一番危険です。
    このことを理解していただきたいと思って、チラシにまとめています。
    もしよかったら読んでください。
    私たちも素人ですが、やっぱり命には代えられないとおもって一生懸命調べました。

    また、広島人としては赦せないことがあります。
    今国が出している放射線防護体制、これはICRP国際放射線防護委員会の
    出しているリスク勧告に基づいて作られていますが
    これは広島・長崎の原爆生存者寿命調査のデータを元にして作られています。
    外部被曝一回きり、中性子線とガンマ線の影響を調べたデータ
    しかも原爆が投下されてから約5年後に始まっています。
    約5年後以降から調査されたデータを元に使って私たちに言っているのは
    5年以内では放射線の影響は出ない、こうすり替えて私たちに伝えています。
    違います。約5年後以降から調査したものを使っているんです。
    しかも外部被曝1回きりのデータです。
    内部被曝で調査したものを使っているわけではありません。
    そのデータを元にしてリスク勧告がつくられ、日本の、世界中の放射線防護体制がつくられています。
    赦せないのは被爆者のデータ、外部被曝一回きり、5年後以降から調べたデータを使って
    それを内部被曝と外部被曝のリスクは同じだと言う「仮説」をたてていることです。
    そして放射線防護体制をつくっていることです。
    (※チェルノブイリ事故後世界中で内部被曝の研究は進められ研究論文も調査も出されていますが、一切使われていません)
    本来私たちの命を守るべき放射線防護体制ですがしかし実際は私たちの命は守れていません。
    私たち広島や長崎の人間が利用されている気がしてなりません。」

◆哲野「放射能や原発の核施設ことを私たちは知らない方がいい
    知らない方が都合がいい人がたくさんいます。
    ですから逆に私たちは原発や放射能を調べ知って
    私たちの健康や生活にどういう影響があるのか、それを知識として持たねばならないと思いますが
    なかなか複雑な話なので、とっつきにくいことは間違いありません。
    ですからこうやって、皆さんに情報を提供しようと調べたことをお伝えしながら歩いています。

    シーベルト、ベクレル、こういう言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
    新聞やパンフレットにしょっちゅうでてくる用語ですが、なかなかこのことの意味がわかりません。
    ベクレルは放射能濃度です。
    1秒間に放射能が1回核崩壊すると1ベクレルと数えますが
    放射性物質によって核崩壊の数が違いますので、放射性物質によって濃度が違います。
    シーベルト、これはSvと書きますが、これは一般に放射性物質の人体に対する影響の大きさを表した概念と説明されています。
    ベクレルとシーベルト、この2つがわかると、私たちに対する人体への放射線の強さがわかるのかというと
    実はそうではありません。
    放射能が私たちの身体に影響を及ぼすのは、放射性物質が持っている電離エネルギー、イオン化エネルギーとも言いますが
    これが私たちの細胞を壊していきます。

    今本通りでも、蛍光灯がたくさん使われています。
    電気も使われています。携帯電話もみなさん使われています。
    これらから放射線がでています。
    しかしこれらの放射線は身体に悪い影響を与えません。
    電離放射線ではないからです。
    一般にこれを非電離放射線といいます。
    電離放射線は私たちの身体を蝕む。
    しかし非電離放射線は私たちの身体に電離作用での影響はありません。細胞を壊さないからです。
    電離放射線は原子炉の中から、人間が作った放射性物質から大量に出てきます。
    この電離放射線の強さで私たちが健康障害を起こすわけです。
    内部被曝と外部被曝は全く別種の被曝です。
    外部被曝も内部被曝も同じだと言う人がいますが、それは誤りです。
    同じ放射線の強さで比較すると、外部被曝に比べて内部被曝は100倍から1000倍、
    学者によっては1万倍違う、こういう人もいます。
    内部被曝がなぜ恐いのか、それは今申し上げた電離放射線源が身体の中に入ってしまうからです。
    いったん身体の中に入れば、自然に排出されるまでずっと身体の中に残りつづけます。
    これが慢性被曝です。
    慢性被曝は毎日、毎日少量の放射性物質を体に中に摂り込むことで起こります。
    チェルノブイリ事故のケースを見てみると、ほとんどの場合、食品摂取で起こってます。
    ウクライナ政府の報告を読むと、内部被曝は90%以上食品摂取で起こっていると書いてあります。
    同様にベラルーシ政府は94%食品摂取で起こっていると書いてあります。
    それは1kgあたり、100ベクレルとか、200ベクレルとかそういうオーダーではありません。
    1kgあたり、2ベクレル、3ベクレル、こうしたものを食べ続けて半年後には身体の中が数百ベクレルになってしまうわけです。
    様々な研究がありますが、セシウム137に例をとり、チェルノブイリの研究で見ると
    身体の中に1kg100ベクレル蓄積すると、大人の場合でも何らかの健康損傷が出ています。
    小さい子どもや、乳児は、もっと低いレベルで起こしています。
    毎日2ベクレル、3ベクレルの食品を摂取し、それが身体の中に蓄積して
    やがて身体の中に1kgあたり100ベクレル、200ベクレルになっていくのは簡単な事です。
    ですからウクライナ、ベラルーシ、南ロシアでは大量の放射線障害が起こっています。・・・」

    「・・・・今、通りがかりの人が、私たちに喰ってかかりました。
    『あんたがたみたいなこと言ってると、福島のものは食べられなくなる』
    そうです。福島に限りません。
    放射能に汚染された食品は、残念ですが、やはり食べてはいけません。
    福島原発事故で汚染した食品は、私たちが食べて福島を応援するのではなく
    事故の責任者である、東電、そして国策として原発推進を進めてきた政府が補償をすべきです。
    私たちが自分たちの健康を犠牲にしてまで、東電や政府の尻拭いをするのは全く筋違いです。
    毎日少しづつ摂取した放射線核種。
    特にこれから私たちが最も警戒しなければならない核種はセシウム137です。
    セシウム134は事故が起ってもう2年ですから、ほとんど半分に減っています。
    しかしセシウム137は30年経ってやっと半分です。
    セシウム137はなかなか減りません。
    次に警戒しなければならないのはストロンチウム90です。
    ストロンチウム90は非常に危険な核種です。
    ベラルーシ、ウクライナの規制では、ストロンチウム90の規制は1kgあたり1ベクレル未満に抑えられています。
    ストロンチウム90とかセシウム137とか、わかりにくい事を言っておりますが
    理解しておいていただきたいのは、放射線核種によってそこから出てくる電離エネルギーは全く違う。
    放射性物質一般を恐れるのではなくて、危険な核種をピンポイントで、
    セシウム137やストロンチウム90とかピックアップして警戒をする、これが正しい怖がり方です。
    1ベクレルの食品でも、ストロンチウム90は、身体の中に入ってしまえば2回核崩壊します。
    2回ともβ崩壊です。
    1回目よりも2回目の崩壊、すなわちストロンチウム90からイットリウム90という物質に身体の中で変わりますが
    イットリウム90が核崩壊するエネルギーのほうが大きいわけです。
    身体の中で何回も核崩壊する、そうした放射性物質を警戒してください。

    内部被曝と外部被曝は全く違う種類の被曝です。
    『内部被曝と外部被曝のリスクは同じ』と日本の政府や権威ある学者たちは説明していますが
    これは全く誤っています。
    チェルノブイリで起きた様々な健康障害がそのことを証明しています。

    政府は放射能の危険をどうもぼやかしたいようです。
    ですから規制はセシウム137になっていませんよね?
    政府のいい方はセシウム、或いは放射性セシウムといういい方をしています。
    放射性セシウムというのはセシウム134とセシウム137を合算したいい方です。
    セシウムという名前が同じだというだけで、この2つは化学的性質も違えば半減期も全然違う
    チェルノブイリ事故後、今でも危険な核種はセシウム137、そしてストロンチウム90です。
    セシウム137にみなさん、気を付けましょう。
    放射性セシウムという言い方に誤魔化されないようにしましょう。

    基準値以下だから安全、こんなバカな話はありません。
    基準値と言っていますが、安全値ではありません。上限値です。
    セシウムの基準値は1kgあたり、なんと100ベクレルです。
    こんな基準で人間の身体の健康が守れるわけがありません。
    特にたくさんの食品を摂るため、たくさんの放射性物質を身体の中に蓄積する可能性のある
    12歳から18歳の食べ盛り、育ち盛りの男の子、女の子、
    大量に食品を摂りますから、彼らの食べる食品は、出来るだけ放射性濃度を低くしておかねばなりません。

    1mSv以下の被曝を極低線量内部被曝と言っていますが
    1mSv以下でも状況によっては死に至る危険があります。
    みなさん、内部被曝に気を付けてください。
    お騒がせしました」