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<参考資料>川内原発再稼働“同意”記者会見―伊藤祐一郎鹿児島県知事 2014年11月7日

<参考資料>川内原発再稼働“同意”記者会見―伊藤祐一郎鹿児島県知事 2014年11月7日
【転載】
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/restart/sendai/restart_sendai_ito_20141107.html

2014年11月7日、鹿児島県議会での九州電力川内原発1・2号機に関する“再稼働同意決議”(再稼働陳情書採択)を受けて、鹿児島県知事として“再稼働同意”を表明した。これはその直後の記者会見動画テキスト起こしである。

2014年11月7日時点では、九州電力川内原発1・2号機は、原子力規制委員会から、『原子炉設置変更許可』(原子炉等規制法43条の8の1・2項及び3の6第1項)は取得していたものの、合格3要件のうち『工事計画変更認可』(同法45条の3の9第1・2項)、『保安規定変更認可』(同法43条3の24第1項)の2要件は取得していない。
(1号機の工事計画変更認可は2015年2月18日に取得したが、2号機の工事計画、保安規定は2015年3月20日現在取得されていない)

つまりこの記者会見時点で、川内原発1・2号機は、再稼働の法要件の一つである、規制基準適合(合格)の実態がなかったのである。“合格”の実態がない存在に“同意”などできるわけはない。従ってこの同意声明は制度上、無効である。
また同様に鹿児島県は、再稼働に関する“地元説明会”も終了した、と主張するが、“合格”の実態のない川内原発の“説明”もできるわけがない。従って同様に“地元説明会”も無効である。
また、再稼働への法的要件の2つ目である、地元30km圏自治体の同意はまだ表明されていない。同意表明を行ったのは、直接川内原発の建設されている薩摩川内市だけである。それどころか、川内原発30km圏9自治体のうち、姶良市議会は『川内原発再稼働反対・廃炉を求める決議』を出しているし、いちき串木野市は『実効性のある避難計画の確立を求める意見書』を決議、また日置市は『30km圏自治体の同意なしに川内原発再稼働同意しないことを求める意見書』を決議している。この点を無視したままの伊藤知事の『同意表明』は、制度上も無効である。

伊藤鹿児島県知事は、以上のごとく二重の過誤を犯して同意表明、以下紹介する記者会見に臨むわけだが、この記者会見を閲覧して、さらに驚くのは、

①福島原発事故前と変わらぬ『原発安全神話』信奉者ぶり
②鹿児島県民の生命と財産を守ることを第一義の責任とせずに、国のエネルギー政策、原子力政策を忠実に実行することを鹿児島県知事の第一義の任務としていること
③再稼働問題を広く鹿児島県民の議論の対象とせずに、「原発安全神話」時代同様、少数者で議論し決定していこうとするその反民主主義的体質・姿勢、あるいはファシズム独裁者的体質

である。
この会見録をお読みになった方は以上の諸点を、直ちに、そして随所に、看取されることだろう。
 
なお、この記者会見速記録は、本来鹿児島県のWebサイトに「県知事記者会見」として掲載されるべきだが、鹿児島県県知事秘書室も、内容があまりに酷いとみたのか、いまだに同県Webサイトに掲載されていない。

記者会見は、前半県知事説明、後半記者とのやりとり、の構成となっている。(この記者とのやりとりでもう一つ明らかになるのは、日本のマスコミの権力迎合体質である。記者会見で知事に対する有効な批判的観点は一つもなかった。そしてさらにあきらかになるのは、記者の不勉強ぶりである。原子炉設置変更許可だけでは、根拠法である原子炉等規制法の要件を満たしていないことすら知らないまま、この重要な記者会見に臨んでいる)

なおこの記者会見は、下記URLで閲覧できる
(<https://www.youtube.com/watch?v=NgCEZs4dvQA>)

伊藤祐一郎鹿児島県知事:
それでは、最初に私の方から私の考え方について述べさせていただきたいと思います。お手元に資料を差し上げておりますので一応それを読まさせていただきたいと思います。

川内原発1・2号機の再稼働について後で述べます諸般の状況を総合的に勘案をいたしまして、川内原発1・2号機の再稼働については『やむを得ない』と判断をいたしまして、まず九州電力株式会社に対しましては安全協定に基づく事前協議に了承する旨の文書を発出いたします。

また国に対しましては(2014年)9月12日付けの経済産業大臣からの要請文書にお答えする形で原発再稼働を進める政府の方針を理解する旨を経済産業大臣にお伝えしたいと思います。

皆様方ご承知のように私はこれまで原子力発電所につきましては、まず安全性の確保が大前提でありまして、川内原子力発電所の再稼働につきましては、国が安全性を充分に保障いたしますと共に公開の場で住民の方々に充分な説明を行った上で、薩摩川内市議会、薩摩川内市長、及び県議会の意向などを総合的に勘案して判断すると申し上げて参りました。

このたびの県議会臨時会におきまして、丁寧な御審議の上、県議会の御意向が示されましたので、この一連の過程がほぼ整いました。本日、従いまして本日、今述べたような判断をいたしました。

以下、判断に至った経緯等についてご説明をいたします。

まず、第一に、政府の方針についてでありますが、当時の小渕優子経済産業大臣から私宛に平成26年9月12日付けの文書で、今般の川内原子力発電所の再稼働を進める政府の方針について理解を求める文章を頂き、その中でまず、エネルギー政策上の原子力発電所の必要性、2番目といたしまして、川内原子力発電所の再稼働の前提となる安全性の確保が確認されたこと、3番目といたしまして、万が一、事故が発生した場合には、国が責任を持って対処するということについて、政府の考えが明確に示されたところであります。

さらに(2014年)11月3日でありますが、宮沢洋一経済産業大臣が鹿児島に来られまして、私や池畑(憲一)議長など、県議会の関係者に面談をしていただきました。その席で9月12日付けの文章を確認していただくと共に、我が国のエネルギー情勢やエネルギー政策、それから川内原発の再稼働を進めるという政府の方針について説明をいただいたところであります。

第二に安全性の確保についてでありますが、川内原子力発電所につきましては、原子力規制委員会において1年以上の期間をかけて新規制基準に基づく厳格な審査が行われ、去る9月12日に審査書が決定をし、新規制基準に適合するとして原子炉設置の変更許可が出されたところであります。

また、田中委員長は国会で世界最高水準の安全性は担保されたと発言されており(田中発言は「世界最高レベルの規制基準だと自負している」とするもの。また原子炉設置変更許可を出した後の定例記者会見では「これで安全だとは申し上げない」と発言している)、私としては原子力規制委員会により安全性が確保されることが、確認されたと考えております。

第三に県議会の意向についてでありますが、先ほども申し上げましたように本日の県議会の臨時会におきまして、再稼働を求める陳情、川内原発1・2号機の再稼働を1日も早く求める陳情が採択されたところでありまして、川内原発再稼働についての県議会の御意向が示されたところであります。

第四に立地自治体の意向についてでありますが、立地自治体であります薩摩川内市の市議会におきまして、去る10月の28日に、再稼働を求める陳情が採択されますとともに、岩切市長から川内原子力発電所の再稼働を進めるとされた政府の方針につきまして、立地自治体として理解することと判断する旨の意向が示されたところであります。

第五に避難計画の整備についてでありますが、関係9自治体におきまして避難計画の作成は終了し、避難支援計画の作成も進みつつあります。医療機関、社会福祉施設につきましては、原発から10km圏内の避難計画につきましては終了いたしております。10km以遠につきましては原子力防災、避難施設等調整システムを、整備をいたしまして医療機関等の避難先の整備にも活用することとするなど地域防災の整備が進められているところであります。またこれらにつきましては、国の原子力防災会議におきまして避難計画等について具体的かつ、合理的なものになっていることが確認・了承されたところであります。(現在原子力災害避難計画は、原子力災害対策指針で義務づけられているが、その実効性については審査する国の機関が存在しない。従って原子力防災会議の「確認・了承」は、なんの意味も持たない)

第六に最も重要な住民の理解についてでありますが、今回、避難計画の説明会を計25回実施いたしますとともに、新規制基準の適合性の審査結果につきましては、原子力規制庁の職員から計5回、直接関係住民にご説明するなど、類似の説明会を開催したところであります。
(前述のごとく規制基準に適合していない川内原発の審査結果を説明使用にも、説明の実態が存在していない)

また審査結果の説明会についての参加者等から、質問・要望等が多かったテーマであります、避難計画やエネルギー政策などの項目につきましては、補足的に説明する追加の説明会を実施をいたしました。これらの説明会は概ね静粛に行われておりまして、住民の理解の向上に寄与したと考えております。さらに30km圏内の全所帯に審査結果についての説明会資料やご質問への回答を配布したところであります。

まぁ、今後ともあらゆる機会を捉まえまして、さらに住民の理解が進むよう進めてまいりたいと考えております。

第七に、我が国のエネルギー政策に占める原発の必要性についてであります。国は平成26年4月11日にエネルギー基本計画を閣議決定いたしました。原子力発電所につきましてはその安全性の確保を大前提に、我が国にとって低廉かつ環境負荷の少ないエネルギー電力の安定供給が国民経済の健全な発展にとって重要であるとの政府の考えが示されております。

(06:40)
また去る11月3日の経済産業大臣との面会の際も、大臣からエネルギー政策の基本理念であります、エネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適応、もとより安全性を前提とするわけでありますが、その説明があったところであります。

このような政府の考えた方は限られた資源を最大限活用いたしまして、現在の国民生活のレベルを守り、我が国の産業活動を維持する上で重要な要素、これは私の考え方とも一致するわけでありますが、維持する上で需要な要素と考えております。

今回の判断にあたりまして、国に対しましては次のような配慮や対応をお願いしたいと考えております。

まず第一に、今度の実際の再稼働までにはまだ色んな手続きがございますので、設置変更許可に基づき事業者において必要な作業が適切に実施されることを確認いたします。工事計画の認可でありますとか、使用前の検査など、法令上の手続きがありますことから、引き続きこれにつきましても原子力規制委員会において厳格に進めていただきたいと思います。
(前述のごとく、「工事計画認可」「保安規定認可」は原子炉等規制法の定める、適合=合格3要件であり、伊藤氏のいうように、単なる手続きではない。伊藤氏は「設置変更許可」=合格、という誤った考え方を鹿児島県民に植え付けようとしている。「3要件がそろうまでは、同意判断はできない」とする西川一誠福井県知事が原子炉等規制法を理解している、といえる)

第二に、再稼働後における安全確保対策や規制基準の不断の見直し等を含めまして、安全対策について引き続き政府として責任を持った対応をお願いしたいと考えております。また再稼働後におきましても、川内発電所の監視体制を強化し安全確保を図っていただきたいと思います。

第三に、これも重要かと思いますが、人的ミスを含め、安全対策について電力事業者の監督指導の徹底をお願いしたいと思います。また避難計画等を含みます地域防災体制の整備についてでありますが、ま、この地域防災体制について完全や不完全でありますとか、終わりということはないわけでありまして、県としても関係市町と連携をして充実に取り組みたいと考えており、国におきましても避難計画等のさらなる充実のための支援、確認の継続をお願いしたいと思います。

第四に、今回原子力防災対策重点区域の見直しが行われました。UPZ(おおむね30km圏)の対象となる市町が拡大いたしましたことから、立地市およびそれらの関係市町に対する新たな地域振興策等について国の財政についての財政支援につきまして具体的な対応をお願いしたいと考えております。また、避難所等の改修や備蓄資機材の整備に要する経費につきましても関係自治体への財政支援をお願いしたいと思います。

第五にエネルギー基本計画に関するテーマでありますが、第五にエネルギー基本計画におきましては原発依存度について、省エネルギー、再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化等により可能な限り低減させるとした方針がありますので、その方針を踏まえ、その方向に向けて着実に努力していただきたい、と思います。また、再生可能エネルギーにつきましては最大限の導入を進めますため、地域特性も活かしつつさらなる普及拡大に取り組んでいただきたいと思います。

九州電力株式会社につきましては、次のような項目をお願いしたいと思います。
まず、第一に、発電所の運転にあたりましては、なによりも安全性の確保を最大の目標とし、関係法令等を遵守すると共に、徹底した事故防止、安全対策を実施すること。

第二に万が一事故やトラブルが発生した場合には、国や自治体等へ直ちに連絡をし、県民に対する正確な情報提供を行いますとともに、被害の拡大防止に万全を期すること。また事故等の原因究明、および災害防止対策を徹底すること。

第三に立地者や関係者と緊密な連携に努め、その地域振興策等に、地域振興策に積極的に協力すること、であります。
以上、今回の判断に至った経緯、考え方、国、電力事業者への要請内容を説明させていただきました。我が国が置かれている諸般の事情を勘案し、再稼働は止むを得ないと判断したところでありますが、今後政府を挙げて国民の理解をさらに広範にいただくよう、努力する必要があると考えております。

以上が私の今回の再稼働についての基本的な考え方であります。
また皆様方からご質問等いただきたいと思います。

<以下記者会見一問一答>
(11:12)

司会(県政記者クラブ代表)
はい、まず最初に県政記者クラブ幹事社の方から質問をお願いいたします。

(11:20)
MBC南日本放送 ジョウコウジ
えー、幹事社のMBC南日本放送のジョウコウジです。川内原発の再稼働については“止むを得ない”ですとか、あるいは“政府の方針を理解する”と、こういった比較的ソフトな表現かなと思うんですが、ま、これは、今日の県議会の採決でも反対派の方がたくさん押し寄せたり、あるいは県民の意見が二分するような大きな問題であったということもあると思うんですが、そのあたりの影響っていうのはあるんでしょうか?

(11:45)
伊藤県知事
あの~、原子力発電所につきましては、色んな意見の方がいらっしゃいます。賛成する方、反対する方、色んな方がいらっしゃいますので、一律的に賛成という立場はなかなか取りにくいのかな、と思います。ただ、私としては、諸般の情勢、先ほども言いましたような諸情勢でありますが、それを総合的に勘案いたしますと、ま、やはりあとしばらく、当分の間は原子力発電所の活用をせざるを得ない、と考えておりまして、ま、そういう意味でやむを得ないという言葉を今回は使わせていただきました。

(12:24)
MBC南日本放送 ジョウコウジ
えー、あと、もう1点。昨日の特別委員会でもあったんですけど、知事のこの同意による責任ということについては、どのようにお考えでしょうか?

(12:34)
伊藤県知事
ま、一連の過程の中で私も一定の役割を果たしております。そしてまた大変重い判断をすることになりましたので、私自身、身を引きしめて今後どういう形で、その私が充分に役割を果たせるのかを考えていきたいと思います。ま、色んな事象が今後起ることも考えるわけでありますので、それに対しまして、私自身、厳格な気持ちで臨みたいと思います。
(13:04)

(13:30)
朝日新聞 コイケ
朝日新聞のコイケと申します。まず一つお伺いしたいんですけども、この地元の同意手続きっていうのは法的な、法的に定められた中身っていうのはないんですけども、今回のこの知事の“やむを得ない”という、あと“理解する”というところをとって、“知事が再稼働に対して同意した”という風にみてもよろしいですかね?

(13:55)
伊藤県知事
「同意というのは法的な要件になっていないというのを考えると、必ずしも同意という言葉で整理しなくてもいいと思いますが。先ほども申しましたように川内原子力発電所について九電に対しては事前協議に対して“了承”、そして国に対しては“理解する”という言葉を使いますので、ま、そういう意味で今回は“やむを得ない”という言葉を使ったということでありますね。
(朝日新聞は一貫して、”地元同意”は法的要件ではない、と主張している。伊藤氏も同様の見解)

(14:22)
朝日新聞 コイケ
「同意」という言葉を使わなかったというところに、何か理由はあるんですかね?」

(14:28)
伊藤県知事
先ほども言いました通りです。色んな意見があるので、一律に簡単に同意とは言えないよね、と。しかし我々が置かれている状況を考えると、我が国の、少なくともこの当面の判断としては原子力発電所の活用する以外に道がないというか、その方が国民全体の色んなことを考えた時にそれがベターだよね、ということで、やむを得ないという言葉を使った。そういうことですね。

(15:04)
南日本新聞社 ユキマツ
南日本新聞社 ユキマツです。
今回の判断は非常に重圧のある、かかる判断だったかと思うんですけれども、今回の知事の判断というのが日本の原子力政策の福島原発事故以降のですね、どういう位置づけになるっていうようなご見解を持っているか、教えていただきたいんですけれども。

(15:33)
伊藤県知事
えーと。非常に抽象的な質問ですので、なかなか簡単にはご説明しにくいんでありますが、私自身は、福島であれほど不幸な事故が起りました。従いまして、安全神話が全部崩れ、大変な状況に至っていることは確かであります。ただ、我が国が置かれている色んな諸般の事情を考えた時に、先ほど言いましたように、今後しばらくの間はいずれにしろ、この原子力発電所を活用せざるを得ないという、私は我が国の状況は変わらない、と思ってまして、そしてまた、それに、着実な形で進んでいくのが、我々と、我が国にとっては大変大切なことだというのはずっとそう考えておりました。これは皆さん方ご案内のように第三期目の選挙の時に、私はわざわざ再稼働は必要だっていう事は皆さん方に訴えて選挙をさせていただきました。あの時点であそこまで言う必要はなかったんでありますが、やがてこのタイミングは来るということはわかってましたので、あえて皆さん方になぜ必要かというような話、実は今日説明したような内容を選挙の時にずっと色んな地域でお話をさせていただきました。ただそれでも、若い女性の方とか、一般に女性の方は非常に原子力発電所の再稼働について厳しいかと思います。ただ、先ほど言いましたような、我が国の、この今後の原子力政策、ま、エネルギー政策にも関連いたしますが、考えると、ま、ほんとにしばらくの間は、原子力を有効活用する以外にはないと考えておりまして、そういう意味で、その新しい時代に向かっての原子力発電をエネルギーとして、我が国の基幹的なエネルギーの一つとして使うという方向についての、ま、ひとつのきっかけになるかもしれませんね。ただそれが、今後どういう形で全体のエネルギー政策の中に評価されるのは、また時間をかけて検討すべきテーマだと私は考えています。

(17:50)
毎日新聞ツシマ
毎日新聞のツシマです。あ、お疲れ様です。(!!)同意書…審査書がですね、確定してからですね2か月という期間を、非常に急いでいるんじゃないかという声が県議さんの中からも聞こえたんですが、知事のその見解とですね、この同意に至るまでのですね、プロセスが今後例えば他の、審査に合格してくる原発が出てくるだろうことが予想されるなかで、他の立地自治体、他府県にですね、どういう影響を与えるかという知事のお考えをお聞かせください。

(18:36)
伊藤県知事
えーあの、同意のプロセスが拙速ではないかという批判は当然にあるかと思います。が、私の頭の中では3期目の選挙をやった、2年ちょっと前からのテーマでもあり、県議会等々でもずっとその質問を受けてまいりました。そしてまた(規制委に対する規制基準適合性)申請書が出されてからも1年以上の年月が経過しておりまして、その間もずっと今回の審査書が出てきた後の事態をシミュレートしています。従ってその後、ま、住民説明会等々の対応を取ったわけであります。ただ、極めて内容が専門的なので、まずは避難計画から入ろうということで避難計画は25回開催させていただきました。そして5回にわたる説明会。これも一般的に公募してるんでありますが、ま、なかなか、その、人が集まらないとか、充分に会場が埋まらないという事情がございました。ただ、我々としては、今の諸手続きの中で、考えられる最高の説明会は、最大レベルのですね、持ったと思います。そして余所のところでこのような説明会が出来るかというと、私は必ずしもそんなに簡単に行かないのかなと思ってます。相当な根回しをした上で、相当な準備をして臨んでますので。簡単に説明会ひとつとっても出来るわけではありません。そういうのを重ねながら、今回の結論に到達したということでもありますので。いったん手続きが進みますと、私は拙速を厭わず、的確に、迅速に進めるというのが、私の行政の哲学でもありますので、その際は県議会に参る形でお願いをして、迅速な決議を取らさせていただきました。実は色んな周りに色んな動きがありますので、やはりここはあまり時間を置いて判断すると、かえって色んな事態が招来する可能性もあるので、やむを得ないのではないのかなと思います。従って先ほどの、他の原発への影響はどのようなことを考えているの、という質問なんですけど、一般的に先行事例になるのは確かなんでありますが、鹿児島と同じような形では私は出来ないと思ってまして、それぞれの地域ごとに、その地域において一番適切と思われる判断をなさるのがいいのかなと思うんですね。ただ非常に一般の説明会とか、そういうのは当然要請されるかと思いますが、それはそれぞれの地域地域で知恵を出して、一定の結論に到達していただきたいと思いますね。

(21:13)
西日本新聞 ユノマイ(?)
西日本新聞のユノマイと言います。何点か質問させてください。

(21:18)
伊藤県知事
極1・2点に限りましょう。
(ここいらへんは、与しやすしと見たか、完全に伊藤氏が主導権を握っている)

(21:19)
西日本新聞 ユノマイ
2点くらいお願いします。まず知事は選挙の時に、将来的には脱原発とおっしゃってました。今回やむを得ないとか、あるいは同意という言葉を使わなかった裏にはそういった思いもあるのかどうかっていうのがまず1点。それから、もう1点が、今回、住民の方々の中で避難計画がまだ不十分であるとか、あるいは要援護者の避難計画が不十分である、それから地元同意の範囲がはっきりしないとか、色んな矛盾点が出てきました。ここについて改めて知事の見解を伺いたいんですけども。

(21:52)
伊藤県知事
前の選挙の時には脱原発に向かって模索するという言葉だったでしょうか。ま、そういう言葉です。先ほどは国のほうのエネルギー基本計画を使いまして、原発に対する依存度をなるべく下げる、みたいなそういう話で説明したと思います。で、原発の活用をどういう形で考えるか、その、国によって色んな考えた方があろうかと思いますが、福島という大変な事故を先例として持った我が国として、いずれ、もう少し原子力発電所について見直しをせざるを得ない時期が私は来るのではないのかな、と思ってるんですね。2022年にドイツは脱原発ということで原発を全部停止するということに今のところなってますが、そういう形には簡単に行かないと思いますが。ただ時間を考えてみると別の代替エネルギーが出てくる可能性もあるんですよね。極めて超高性能の蓄電池でも開発されればそこからまた大きく変わったり、このエネルギー問題っていうのはみなさんご案内のように時代時代で大きく変わってきてますので、それがいつのタイミングなのかっていうのが、見届けられない、ちょっともどかしさはあります。そしてまた、人類は、ずっとこの原発に依存するようなそういう生活はしないほうがいいのかなとも思ってまして、そういう意味で当分の間は仕方ないけどってことで、やむを得ないという言葉を使わせていただいたということですね。だから色んなニュアンスがこの「やむを得ない」という言葉の中には含まれているという理解をしていただいたらいいかと思います。

それから色んな批判もいただきました。避難計画が不十分でありますとか、同意の範囲とか。ま、これも幅広く斟酌しなきゃいけない面もあるんでありますが、避難計画等については私は鹿児島の地域は、ある程度スムーズに進んでいると思っているんです。と言いますのは、今回の避難計画、避難計画に基づきまして、極限られた分野、要援護者の支援計画等ですね。これも来年の2月くらいまでには出来上がるのではないかと思いますので、フルバージョンで一応、避難計画は出来上がります。その次はその実効性であります。実効性について、その一見、交通の問題とか、それから収容施設の問題等指摘される方がいるんでありますが、私はそこはですね、我が国は色んな災害等々多発する地域であり、結構その先行事例持ってます。

(24:20)
この前のあの広島の、大水害の時に、直ちに自衛隊が動き、警察が動き、全国から支援が届き、国全体のパワーが動きました。そしてすぐ、的確な避難に導いたのではないかと思いますが、これからたぶん、その原発等々の事故が起るとですね、そういうことであって、あんまりその、手段でありますとか、マイナーな話は私はあんまり心配する必要がないと思います。
(伊藤氏は、原子力災害=放射能災害と他の自然災害を完全に同一視している。放射能災害は、放射能が故に救援、支援にすら入れない、という点を一大特徴とする。これは福島原発事故でも大きな問題となった。伊藤氏の大きな認識不足である。全く大変な人物が県知事として再稼働判断をするものだ。またこの点を突く記者は一人もいなかった)

(24:47)
何よりも、実は避難するのに、相当の時間、時間的な余裕があります。これは今回の審査、規制委員会等の審査を受けた、で、合格した原発が、どういう形でその後、炉心等々が変化するかっていう時間軸で追っていくと、実はけっこう時間があるので、ま、そういう意味でゆっくり動けばいい。

(25:11)
はたまた、もう一つは、実は、ちょっと専門的な話になって恐縮ですが、ま、要するに今回の制度設計というのは100万年に1回の事故を想定するわけですよね。そしてその時は100テラベクレル。それが同じ条件で同じうような事故が川内に起こった時にどうなるのかっていうのは、実は5.6テラベクレル。そうすると炉心から5.5キロのところは毎時5μシーベルトなんですよね。5μシーベルトというのは、20(μシーベルト)でもって初めて避難ですから。動く必要がない。家の中にいてもいいし、普通に生活していても良いという。そのレベルの、実は、放射能しか、人に被害が起こらない。5μシーベルトというのは一週間ずっと浴び続けて胃の透視の3分の1ぐらいの放射能ですね。実はそこまで追い込んだ制度設計をしているので、時間もあるし、避難計画が実際にワークする、そういうケースもほとんどないだろうし、まずそれがたぶん、あと川内原子力発電所10年、そうすれば止まるかもしれませんが、において考えると、だいたいそれでカバーできるのかなと内心思ってます。
(これは驚くべき発言である。空間線量率で毎時5μシーベルトは、年間被曝線量に換算すると、33.12mSvとなる。<ただしグランドシャインによる被曝線量は無視> もちろん今回の福島原発事故でも避難地区に指定されている。「20でもってはじめて避難」というのは、現行原子力災害対策指針による即時避難基準である。しかも、現行原子力災害対策指針は、避難基準を年間100mSvの被曝、というきわめて過酷な避難基準を採用する被曝強制対策指針である。ちなみに、今回福島原発事故による避難基準は年間被曝線量で20mSv、チェルノブイリ事故では年間5mSvだった。
その過酷な現行災害対策指針によっても、このレベルの空間線量率が一週間継続すれば避難を義務づけている<OIL2>。「普通に生活していても良い」とはとんでもない暴言である。また胃のX線検査の例を出しているが、これはX線検査が安全であるという意味ではない。被曝の危険と検査で受け取れる患者の利益を勘案して、被曝の危険よりも検査の利益の法が大きいと判断して、X線検査を選択するのである。その判断は担当医師が行う、となっており、従って放射線防護政策では、医療被曝は規制の対象から外し、医師の判断によるとしている。まったくとんでもない県知事がいたものだ。なおこの暴言をとがめた記者は一人もいなかった)

(26:30)
それと同意の範囲。従って同意の範囲も、従来のスキームで良いと。(つまり福島原発事故前の枠組みでいい、ということ)ありとあらゆる、その、今まで、議論をしてきました。その立地の市町村、立地の市、ないしは県は、相当な知的集約もあります。ですから、それを一律に拡大すると、きわめて原子力発電所について理解の薄いところ、知識の薄いところで一定の結論を出すというのは、必ずしも我が国の全体をまとめる上において、錯綜するだけで、賢明なことではないと私は思うんですよね。

(27:07)
UPZ、11人ですよね、姶良市。(姶良市は30km圏に属しているが、そこで暮らす住民は11人しかいないことを指している)あそこは反対…反対決議っていうか、廃炉決議をしました。(笑いながら)そういう事が起るんですねぇ。じゃ廃炉決議を11人のUPZのところがしたからといって、廃炉するのかねっていう、そこのところの全部の集約を考えると、鹿児島県においては従来からの蓄積もあり、ま、鹿児島県と薩摩川内市でいいだろう。そしてそれは九電の社長さんが全部の首長さんを回りましたときに、だいたい首長さんレベルはそれで…それでご了解を頂いてると思うんですよね。そこはだから皆さん方の個別の取材と、実際にその社長さん市長さんとの会話、私と市長さんとの会話等々は若干ずれてるテーマではないかと思いますね。

あとせっかくですから、鹿児島県以外から来られた方の質問を。どうぞ。あちらの・・・

(28:09)
赤旗 ハラダ
どうもありがとうございます。新聞赤旗のハラダと申します。東京からきました。宜しくお願いします。一つに絞りたいと思いますけれども、伊藤知事は先ほど同意と言う言葉を使わないで、やむを得ないと言う表現を使うんだということで、そういうニュアンスにもこだわっておっしゃられているということはよくわかりましたけれども、そういう伊藤知事が今回の見解のなかで第6番目で最も重要な住民の理解についてでありますということでおっしゃっているわけですけれども、私も東京からですけれども来て色々説明会も取材しましたし、聞きましたけど、あのアンケートの項目、理解できなかったところに丸をつけるということになってましたね。理解できなかったっていうのは平均で3割、29%だということで、あと残り7割理解したという解釈で概ね理解されたということでいいんだと。こういうふうにおっしゃったと思います。これほど自らの言葉にもニュアンスを大事にされて表現を気にされる方が、どうして住民の理解しなかったというのを全部、じゃあ理解できなかったというのに丸をつけなかったら、理解すると。普通どんなアンケートでもよくわからないとか、わからないという中間的な人が大概いるわけですよね。その人を全部ひっくるめて理解したという風に解釈したというのは、これはどういうことかなと言う風に思うんですけど、是非ご見解をきかせてください。

(29.58)
伊藤県知事
私の部下(・・・聴取不能)も他の皆さん方が、今回の数字で十分に理解できたと胸を張って答えてくれました。実はあの、サイト、サイトによって答えが違いました。薩摩川内と、それ以外のところと。やっぱり後になるほど理解できなかったというパーセントが多くなりましたね。そしてまた市町村、市ごとにも(・・・聴取不能)してみましたが、市ごとにも違います。そして実はですね、アンケート回答、有効、だいたい1900くらいですね。そのうち350はですね、全部ペケなんです。18~19%になりますか。1900のうちの350ですから、18%前後でしょう。ということは、その方々が全部ペケっていうのはですね、理解するとかしようとか、そういう意思のない方と判断せざるを得ないんですよね。全部ペケです。それはもう最初からもう、そんなの理解するつもりもないし、もともと原発反対だっていう方々の意思の固まりの表現かと思いますので、そういうのを割り引いてみると、実は30数%というのも、もう少しいい数字になるのかもしれない。ましてや薩摩川内では10%台ですので、そういうのを含めて総合的に勘案した話なんです。だいたい、1時間丁寧に書いていただきました。そして実は、私どもがわかっていただきたかったのは、100名以上の方が1年以上かけて規制委員会という我が国の産業技術、要するに産業の、要するになんでしょうかね、技術の安定性っていうか、そちらについて最高の方々が1年以上かけた項目についてどれだけ努力をしたかっていう、その努力の成果みたいなもの、努力をやったということを皆さん方にわかっていただければそれで十分なのかなと思ってたんです。色んな方がいらっしゃいますので、個別のテーマについて、ましてや原子炉の中身とか、格納容器とか構造がわかってないとなかなかわからない、シビアアクシデントのところなんか特にそうかと思いますが、まさにだから、そういうところはどんどんペケが多くなるんだけれども、ただ、あれだけの真面目な方々が1年以上かけてあれだけの裁量をやったというのは、やはり我が国にはこれまでありませんでしたし、それはそれなりの私は成果があるんだろうと思うんですよね。そしてその成果が先ほど言った…もし薩摩川内で福島と同じような事が起った時に、どれくらいの、5.6テラベクレルの、例の5μシーベルト、先ほど言ったような、そこまで追い込んでもらったというのが、私は規制委員会に感謝したいと思いますし、そういうような努力の跡をですね、皆さん方にわかっていただきたかった。それは静かに聞いていただいた方々には、私は案外浸透したんじゃないかと思いますね。

(33:11)
電気新聞 コンドウ
すみません、電気新聞のコンドウと申します。宜しくお願いします。大変緊張感あるなかでの決断だったと思われますが、鹿児島だとか九州だけの話ではなくてですね、日本の国益というものが今回の判断の基準になったのかどうかというのをお伺いしたいのとですね、もしそれが基準になったのであれば、それは今回の決断にどれくらいのウエイトを占めていたのかというのをお聞かせください。宜しくお願いします。

(33:37)
伊藤県知事
いや、大変難しい判断なんです。反対の方も多いので大変難しい判断なんですが、私の頭の中では終始一貫してました。先ほど言っていることであります。この資源の限られた日本という国において、国民生活のレベルを守り、産業生活の活性化を図るにはどうしなきゃいけないか。もちろん安全性が前提なんだけど、その安全性がある程度約束されるのであれば、やはり先ほどから言っています、しばらくの間は原子力発電所の活用っていうのは止むを得ざる選択だろうというのが、私の判断でもありますので、淡々とやったという感じですよね。私の頭の中ではどうこう…例えばそれこそ鹿児島が先頭を切るということは予想してなかったわけですので。三か所くらいすると一緒にするのか思ってたら余所のところがちょっと時間がかかったのでたまたま私どもが先頭に出てしまったというだけですので。なんらそこには奇もてらいもありません。淡々とやらさせていただきました。そして私自身としては、私の持ってる知識では、識見では、私の選択は、今の時点においては自信があります。ただ、それでは今後長い目で10年、30年のタームで見た時にどういう形で変化するかはまだ予断を許さないというか、まだわからない分野もあると思っています。以上ですね。

(35:10)
(IWJホソイ、という質問者に答えて)
伊藤県知事
もう結構ですので。長々とやると演説になりますので。

色んなことをおっしゃいました。要するに、もう少し県民と向かいあって裁量を進めるべきではないかという。先ほど言った拙速の話ですよね。

国民の命を守れ。いかにも原発を稼働すると、国民の命を守れないような、そういうプロバガンダが大いに行われています。ただ、私は規制委員会というあれだけ素晴らしい方々が集まった組織、やはりあの組織も自分の任務に極めて忠実で、相当時間をかけてですね、原発の再稼働についてその安全性を徹底的に追究したと思うんです。その数字の結論が先ほど言った数字です。もし福島みたいなことが起っても、放出量は5.6テラベクレル。そして5.5kmのところは5μシーベルト。もう、命の問題なんか発生しないんですよね。私はそちらの方を信じます。あれほどのことをやってその結果として、またサイトを見ましても、(聴取不能、意味不明)素晴らしいといいますか、(・・・)よくぞここまでのことをやったのかな、というのがありまして、そういう意味で一概に、やれ、国民の生命を守るとか守らないとかいうのには、あまり与さないんです。

それよりも全体を見た時にどういう判断をするか。この原発の問題はシングルイシューではありません。原発だけの稼働の問題ではなくて、ある意味でいえば、我が国の全体をどういう形で運営していくのかっていうテーマでもあります。それは県にとっても同じ話であります。国の方に振り向けてるというようなことを言ってますが、国と県と、それから事業者が一体となって動く以外にない、ただもし万が一のことがあったら、今福島はそういう形になってますが、やはり国は、元々、エネルギー政策の基本的な責任を負う役所でありますので、最終的な責任は、やっぱり国にあるのかなというのが私の受け止め方であります。

それから広報の問題。これはインターネットの話は実は説明会の時もありました。なぜ説明会をインターネットで中継しないか。それは簡単なんですよね。簡単と言いますのは、説明会をやってですね、何が起るかわからないっていうその問題を抱えつつ実は説明会をやらざるを得ません。反対派が大量になだれ込んで説明会ができないこともある。そういうことを考えると、やはり今回は直接来られた方々に、UPZの圏域内であるし、公に公募いたしましたから。その方々をともかくターゲットとして我々は説明をすべきという立場に立ってますので、そういう意味で、インターネットは使わなくてもいいのかなっていうことであります。もとより幅広く原子力政策全般について、川内原子力発電所の安全性について、もう少しちゃんと説明しなさいよというのであれば、それはもう県民全体を対象にして、例えば鹿児島市の大きいホールでやるとかいうのはですね、これから1年以内にはやるんでしょうね。そういう形で広く県民の方にもPRをする。そういう基本的な考え方におりますので、ちょっと今ご指摘の点と私の考え方は違うんですけど、私どもとしては一生懸命誠実にやらせていただいたつもりであります。

(41:07)
読売新聞 マルヤマ
読売新聞のマルヤマです。電気事業者の九電についてなんですけど、これまで安全審査合格(規制委員会が実施している審査は安全審査ではない。この点田中規制委員長は、「安全審査というと、合格した原発は安全であるかのような誤解を与えるので、今後は安全基準ではなく規制基準、安全審査ではなく、規制基準適合性審査、と呼称する。法令文書や関係文書も全て書き換える」と説明している。にも関わらず読売新聞は一貫して安全審査と表記し続けている。またその規制基準に合格していないのは前述の通り)してから九電の県民に直接、説明が足りないんじゃないかっていう批判もあったりしたんですけど、再稼働を取り組み、通じてきた知事にとって、九電、電気事業者のこれまでの姿勢ですね、この辺はどう評価されているのかっていうことと、今後別の自治体で同じような手続きが進む中で電気事業者が取り組むべき課題というか、そういうのがあれば、感じたところがあれば教えていただきたいんですけれども。

伊藤県知事
九州電力さんが最終的にどういう形で動いておられるのか、必ずしも承知をいたしておりませんが、ひとつ、記者会見等でお話をしていたのは、安全協定を9市、川内を除きますから8市ですか。8市町で提起されておられますので、そこについては当然九電の方から説明があるんでしょうねっていうお話をさせていただきましたが、社長さんがそれぞれの首長さん方に直接会ってお話をされました。丁寧に、たぶん、九州電力のですね、色んな安全政策について説明があったんだろうと思います。それで、聞くところによると九州電力はもう少し個別の、ちっちゃなグループ単位で説明会をするような話も聞いてますので、それは今後の過程の中で取り組まなければいけないテーマだろうと思うんですね。九州電力本社があり、かつまた九州支社があり、鹿児島支所があるって形になってますが、ともかく凄まじい審査書を出さざるを得なかった、何万ページでしょうか、皆様方ご案内のように凄まじい作業量があったので、そちらの方は若干薄くなっても仕方ないと思ってますが、これからは人的な余裕が生ずると思いますので、その過程においては、やっぱり大変難しいテーマでもありますので、原子力発電については幅広く地域住民の方に説明していただきたいと思いますね。
(了)

九州電力川内原発1号機工事計画認可

九州電力川内原発1号機工事計画認可

網野:川内原発1号機の工事計画が認可されたね。

哲野:そうだってねえ。あれ、いつの規制委会合?18日だっけ?

網野:そ。18日の平成27年度第63回規制委会合で正式に決定された。

▼平成27年第63回原子力規制委員会 会合
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000008.html
▼資料1「資料1 九州電力株式会社川内原子力発電所第1号機の工事の計画の認可について(案)」
http://www.nsr.go.jp/data/000100678.pdf

哲野:新聞がどう書くかと思ってね。

網野:どういうこと?

哲野:いや、原子炉設置変更許可審査書案が出た時、本チャンの原子炉設置変更許可審査書が正式に下りたとき、『事実上の合格』『川内原発再稼働決定』『年明けにも再稼働』とさんざん書いておいて、今度1号機の工事計画認可はいったいどう書くんだろう、そう思ってね。

網野:明日にも再稼働か?とでも書くんだろうか

哲野:これ、今日の朝日新聞。さすがに記事の扱い、ちっちゃいよね。

哲野:見出しは、『川内運転再開「7月上旬」』『8月に営業運転』。さすがに、今回は小っちゃく九電目標と入れてある。
去年伊藤鹿児島県知事が川内原発再稼働に同意したときの翌日の記者会見の記事、覚えてるかい?

網野:覚えてるも何も。

▼朝日新聞(大阪本社版)2014年11月8日14版1面

哲野:この時は川内原発の再稼働は『年明けにも』と見出しを打っている。読者は、「あれ~?」と思うだろうね。伊藤知事が再稼働同意をしたときには、これは無効の同意宣言だけども、年明けにも再稼働なのかと思っていたら、年が明けても再稼働しない。なんや聞きなれない工事計画認可が取れたら今度は8月に営業運転(正式再稼働)というんだから。具体的になればなるほど、再稼働は遠くなっていく。

網野:どうしてこうなるんだろうか。

哲野:そりゃもう、はっきりしてる。朝日新聞に限らないけど、日本のマスコミは電力会社、経済産業省からの情報を基に記事を作ってるから。

網野:そりゃそうだろうけど、でも、裏は取りに行くでしょ。

哲野:そりゃ原子力規制委員会に問い合わせれば、あるいは問い合わせなくたって資料を読めば電力会社や経産省が言ってることが、根拠に乏しい希望的観測だってことは一発でわかる。だって、広島にいて、一歩も外にでない僕たちだってわかるくらいだもん。

網野:じゃ、あれ?裏とってないってこと?

哲野:2通り考えられる。一つは、ちゃんと裏をとって、わかってて記事を書いている。二つ目は、裏もとらないで、電力会社や経産省の言う事をそのまま書いている。

網野:うーん、これ、二つ目のほうかもしれないなぁ。

哲野:そうも言えない。なにしろ、日本の新聞社は頭のいい奴が揃ってる。彼らがそんなポカをするとは考えにくいね。

網野:じゃ、それはどういうことになるの。

哲野:新聞が報道機関ではなくて、宣伝機関として電力会社や経済産業省に上手く使われている、ということになる。今日の記事だってそうだよ。よく読んでごらん。
 この記事を読むと、「九州電力は1号機の再稼働を先行して行う。」と書いてある。1号機を先行させるか、同時にやるか、それは九電の勝手だけども、審査はそうはいかない。1号機、2号機の工事計画が終わらなければ、保安規定の審査は終了しない。審査の上では1号機と2号機はセットなんだ。1号機と2号機は共用部分があるからね。
 ところがこの記事によると、1号機が2号機と切り離して審査が進められるかのように書いてある。この記事の元は九州電力が起動前検査を申請したというところにあるけれど、そりゃ起動前検査はいつだって申請できるから。だからといってここに書いてあるスケジュール通り、進むとは限らない。
 この記事のもっとも悪質なところは設備検査(原子力規制委員会の用語では起動前検査・起動後検査。電力業界の用語では設備検査。実際に設備だけを検査するわけではない。保安規定通り、実際に運営されるかどうかも検査される。)が再稼働に必要な手続きの最終段階にあたる、と書いているところだ。
 これを読むと、何も知らない人は、規制委員会は再稼働を承認する機関だと勘違いするよ。
 規制委員会は規制基準に適合してるかどうかを審査するんであって、再稼働には一切関わらないという組織だから。

網野:なぜ原子力規制委員会を再稼働承認機関だと思わせたいんだろう?

哲野:それは、「世界一厳しい基準に合格した原発」は絶対安全なのであって、規制委が合格とした原発は自動的に再稼働、というイメージを植え付けたいからだろう。

網野:世界一厳しい基準とはいえないよね。基準地震動だって大甘だし、避難計画の実効性は審査しないし。
 その上、安全審査じゃないんだし、田中さんは「規制基準に合格したからといって、安全とは申しません」と再三再四言ってるのに。

哲野:だろ?だからこれとはかけ離れたイメージを植え付けるのが目的だ。日本の原子力規制法体系全体は、再稼働のプロセスについて全く明記していない。
 再稼働の法的要件は一つは、規制基準適合と明記してあるが、地元同意はよくよく読まないとなかなか出てこない。ましてや、再稼働全体のプロセスは明記してない。こういう状況下で何が決め手になるのか。電力会社や経産省の立場にたってよくよく考えてみてごらんよ。

網野:みんなの反対は意味がない、と思わせるように宣伝しちゃうなぁ、私なら。

哲野:もうちょっといえば、既成事実を作っておいて、反対してる人にも諦めさせればいい。ああ、もう何を言ってもだめなんだ、もう再稼働は決定的で目前なんだ、と思わせればいいわけよ。

網野:そのために今、マスコミが使われているわけね。

哲野:この記事の最後がケッサクだよね。「九電はこれらの認可(2号機工事計画認可申請、保安規定認可申請)に必要な申請書類を4月中旬に提出する方針。」と結んである。

網野:どこがケッサクなの?

哲野:2015年2月5日の審査会合で、1号機工事計画、2号機工事計画、保安規定補正申請(これら補正申請を原子力規制委員会は本申請と呼んでいる)が九州電力からなかなか出てこないので、業を煮やして浦野調整官がいったいいつになったら出せるのか、と言葉は柔らかいが、詰問している。
 これに対して、九電の中村部長は1号機の工事計画審査補正書は2月の最後の週には提出する、2号機工事計画審査補正は3月中に、また保安規定は2号機と同時期に、と回答している。

第192回 原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合 (平成27年2月5日) 動画テキスト起こし
https://www.youtube.com/watch?v=_OliKCxsfVw
<動画1:38:30から>
更田委員:川内原子力発電所1・2号機は設置変更許可を受けて、工事計画並びに保安規定の審査を行っているところですけれども、この状況確認について浦野調整官の方から。

原子力規制庁 浦野調整官:原子力規制庁、浦野でございます。九州電力(株)川内原子力発電所、工事計画認可については9月30日、及び10月8日に、昨年ですが、補正を受理したところでございまして、10月21日には審査会合でその概要を聴取したところです。本件は新規制基準に基づく工事計画認可の初めての本格的な審査であり、これまで審査チーム内の工事計画認可担当者の総力を挙げてヒヤリングにおいて10月21日の審査会合で示された11項目の主な技術的論点等を含め、新規制要求が強化された事項、新たに申請書に記載することになった事項等を中心、にひとつひとつ設置許可との整合性、技術基準の各条項への適合性、品質管理事項への適合性につき、技術確認を実施してきたところです。昨年12月末には当方からの指摘が概ね終了し、これに沿って記載を整理し、再度提示するよう指摘したところであり、九州電力から、我々の指摘を踏まえた提示に対して見せていただいたところです。九州電力においてはこれまでの当方からの指摘を踏まえ、申請書として必要十分な内容、技術的根拠、及びその記載の様式や深さについて、概ねわかっていただいたと、ということでよろしいですね?

九州電力 中村:九州電力の中村でございます。12月末までに工認(工事計画認可の略)の作業状況でございますけれども、ヒヤリングにおいて指摘いただきました整理すべき内容に対しましては、基準適合性の技術的根拠で申請書への記載内容について、年明けからご説明しておりますが、現在強度や耐震に関する説明書の一部について、文書校正や記載内容等、ご指導を受けながら最後の詰めを行っている段階でございます。これにつきましては横並びや全体構成についても考慮しながら鋭意作業を実施しているところでございますけれども、もうしばらく時間が必要というふうに思っております。

原子力規制庁 浦野調整官:3点お伺いしたいと思います。1点目、今準備中ということでございますけれども1号機の工事計画認可申請の補正の提出期の見込みはどうでしょうか?2点目、2号機の工事計画認可申請の補正の提出期の見込みはどうでしょうか?1号機の運転に必要な設備の一部が、1・2号機共用設備として2号機の工事計画認可申請に含まれているということ。この2号機の工事計画認可申請をしないと共用設備の使用前検査は受けられないということにもなります。また2号機の工事計画認可の申請、補正の準備をしつつ、1号機の使用前検査の両方に対応すると言う体制、その準備はできますでしょうか?こういった点も含めて見込みを教えていただきたい。3点目は保安規定の変更認可についての補正、この提出時期について見込みを教えてください。

九州電力 中村:1号の補正申請について、見込みとしては今月の(2015年2月末)最後の週までには出したいと考えてございます。工程表を見ていただくと(略)…下の方に2号の工程を書いてございますけれども、今ご指摘にあったように2号設置で1・2号共用という設備がございます。右下のところに囲んでいる設備でございます。中央制御室の空調設備、廃棄物処理建屋等ございまして1号を運転するためには共用設備ですので運転するまでには必要、と2号機につきましても1号機の申請後、速やかに再補正申請を実施しまして1号の燃料装荷前までには適合性確認検査、いわゆる使用前検査、使用前検査を終了いたしまして一部仕様承認という形で…(略)…運転に向け検査を受けて行きたいと考えています。2号につきましても早急に、1号補正申請後に作業を進めまして、だいたい一か月程度を目途に提出したいと考えてございます。(略)保安規定でございますけれども、保安規定も再補正することで考えてございまして、1・2号、両方の工事計画認可の内容を反映した形で運用を担保する事項を確認して、必要なものを保安規定に反映するということがございますので、2号の工事計画認可の補正の申請に合せて、申請したいと考えてございます。

哲野:つまり、1号機工事計画は2月中、2号機工事計画と保安規定は3月までに出すと約束してるけど、この記事(九電情報)によると両方4月中旬に出す方針と書いてあるね。結局2月5日の規制委審査会合との約束は守れなかったわけだ。
 仮に4月中旬に両方出たとしようか、審査にそれぞれ1か月づつかかったとしようか、そうすると審査が終わるのが6月中旬になる。それから規制委本会合に上げてここで正式承認を取る、そうすると規制委から最終合格証が出るのが6月末になる。原子炉設置変更許可、工事計画、保安規定、の3点セットが揃わないうちは検査に入れない。そうすると、この記事の通り、検査に3か月かかるとすれば、検査終了は9月末ということになる。
 これ、最短の流れだろうね。そうするとこの新聞記事に書いてある九電目標、8月に営業運転(再稼働)も結構怪しい話になる。
 しかも、再稼働となると、30km圏の自治体、たとえば姶良市は再稼働反対・廃炉を求める決議を出しているし、いちき串木野市議会は実効性のある避難計画の確立ができるまで再稼働すべきではないという決議を上げているし、日置市は30km圏自治体の議会・首長の同意なしに再稼働すべきではない、という決議を上げている。再稼働になると話は、原子力規制委員会とは全く関係がなくなるから、これら同意も取りつけなきゃいけない。
 いま九州電力は水面下で伊藤鹿児島県知事とともに必死になって工作を行ってるところだろうと思うけど、現地の反対勢力に諦めさせるのがやっぱり一番手っ取り早い。
 今回の記事も、その意図はありありと感じるね。

▼西日本新聞はでかでかとチャート入りで報道した
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/157107

ケッサクなのは、九州電力の発表通りこのチャートには保安規定の認可プロセスは書かれていません。

網野:反対勢力が諦めるのを待ってるわけね。もう駄目だと。思わせたいわけよね。

哲野:そ。諦めたらそれでおわり。敵の思うつぼ、ということだね。

網野:諦めたら統一地方選の争点にもならないからね。

広島2人デモ、しばらくお休みのお知らせ

広島2人デモ、しばらくお休みのお知らせ

毎度金曜お騒がせしております、広島2人デモですが
また3月末までお休みいたします。
(3月20日・27日)
4月初旬には再開したいと思っておりますが、少しずれる可能性もあります。
再開のお知らせは、またweb、メール、ツイッター等でお知らせします。

理由は生活費のためのお仕事です。
なるべく早く仕事を済ませ、帰ってきたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

広島2人デモ
哲野イサク
網野沙羅

第 126 回広島 2 人デモ 2015年3月13日報告

ファイル 401-1.jpgファイル 401-2.jpgファイル 401-3.jpgファイル 401-4.jpg

みなさま
(いくつかのメール・メーリングにお知らせします)

毎度毎週お騒がせいたします。
第126回広島2人デモ3月13日の報告です。

今回、例年通り3月11日特別デモをしたため
まる1週間、3月6日(金)、3月11日(水)のチラシ作りに追われ、大変な一週間でした。

3月13日のチラシテーマは、みたとたん、「これでいこう」と決めていました。
今審尋中の大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件で
債権者(申し立てをした市民グループ)が提出した第6準備書面のことです。

http://adieunpp.com/karisasitome.html

哲野「これは、面白い。すこぶるつきに面白い。」
網野「何が面白いの。」
哲野「いや、裁判の準備書面が、こんなに面白いとは。
   いやね、これね、読み物になってるのよ。
   裁判長の質問に答える形の準備書面なんだけど、
   関西電力のこれまでの手口、あるいは例の国会事故調の報告の中にあった『規制の虜』の具体例、
   それから、前からわからなかった東電福島第一原発の基準地震動対応補強工事の実情、
   これ、第2苛酷事故のことを考えると決定的に重要なデータなんだけど、これも書いてある。

   それから、悪質極まるのは、基準地震動だ。
   基準地震動の評価を上げれば、それに対応した耐震補強はやると思うよね、誰だって。
   ところが関電はそうじゃない。
   評価だけ上げておいて、これは最大裕度の範囲です、とうそぶいて、それに対応した耐震補強はしない。
   地元の人たちは、基準地震動が上がった、より安全性が増したとほっとするよね、そりゃ。
   ところが、関電は基準地震動が上がったことだけはバッチリ宣伝しておいて
   それに対応した耐震補強はいたしません、とは一言も言わない。
   これ、詐欺行為。
   
   僕が一番勉強になったのは、免震重要棟の重要性。
   新潟県の泉田知事が例の中越沖地震の時の柏崎刈羽原発の経験に学んで
   柏崎刈羽原発に免震重要棟をつくるように強硬に申し入れて実現したこと、
   これがきっかけになって東電福島第一原発に、免震重要棟が出来上がったのが、事故の8か月前。
   もし、福島事故の時、免震重要棟がなかったら、
   それこそ東日本全体が避難対象になってたかもしれない、という話。

   仮処分申立の結果がどうあれ、この第6準備書面を広く紹介しない手はない。
   もちろん、関係者や訳知りの人には常識のことばっかりなんだろうけど
   多くの人に是非知ってもらいたい。
   ま、とにかく面白いの一言よ。
   なんでもかんでも面白がるのは僕の悪い癖だけど」

ということで、第6準備書面紹介に焦点を当てたチラシを作ることになりました。

▼第126回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150313.pdf

▼タイトル
「大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
原発の息の根を止める歴史的宣言が、厳かに、今、日本から、出されようとしている…
市民運動の一打必殺パンチに、今やKO寸前の関西電力」

▼トピック
1.高浜原発運転差し止め仮処分命令は、3月中に・・・
2.とことん追い詰められる関西電力
3.「規制の虜」(国会事故調報告)の一端を説明する第6準備書面
4.福島第一原発の地震に対する脆さ
5.大飯・高浜原発基準地震動-ほとんど詐欺師に近い関電の振る舞い
6.関西電力はクリフエッジを引き上げるのか
7.免震重要棟がなぜ死活問題なのか
8.“免震重要棟なしに再稼働がみとめられるべきでない”

▼プラカード

平和公園元安橋東詰めの集合場所にいくと
じゃけえさんもちょうど到着。
警察の人を待っていると、遠くから「久しぶりです」と登場したのがSさん。
Sさん「こないだ来てみたんだけど、お休み中だったんですかね」
哲野「そう。1月終わりから2月は2週休んだのよ。
    こればっかりやってて、飯が食えなくなっちゃこまるからね」
Sさん「じゃあ、仕事もけっこう、忙しいんですね。」
哲野「いや、ま、そういえば聞こえはいいけど。
   本当は去年の年末までに片付けとかなきゃいけない仕事だったのよ。
   もうちょっと金になる仕事に身を入れないといけないんだけどね」
網野「しょうがないよね、金もうけに興味ないんだから。」
哲野「そういうことじゃないだろ。広島2人デモ、反原発運動、反被曝運動、
   これは一生の仕事である、と、こういうことじゃないか」
ということで、金もうけの下手なことを一生懸命合理化しておりました。

Sさん「今日はボク参加できないんですよ。次に仕事があって。
    どうしてるかと思って寄ってみだたけ。チラシください」
ということで、今日は3人で出発になりそうです。

警察の方が来たので、指令書の確認。
音楽を聞いて出発です。

▼今日の元安橋(もとやすばし)

▼建物補強工事中の原爆ドーム

▼プラカード表面


▼プラカード裏面

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「毎度毎週お騒がせしております。
     毎週金曜日に歩いております広島2人デモです。
     今日で126回目になりました。

     今日のチラシのテーマは
    『大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件
     原発の息の根を止める歴史的宣言が、
     厳かに、今、日本から、出されようとしている』です。

    どういうことかというと、大飯原発の再稼働は、
    250km圏住民の人格権を侵害する可能性があるということで
    昨年5月に、福井地裁から大飯原発運転差止判決が出ました。
    この裁判は、現在名古屋高裁金沢支部に舞台を移して係争中です。
    この判決が出たにもかかわらず、まだ確定していない、として
    関西電力は大飯原発の再稼働へ向けて準備を進めています。
    そこで、この裁判を起こした福井を中心とする市民たちは
    今度は大飯・高浜原発運転差止め仮処分命令申立をしました。

    この決定が出ると、関電は否応なく、大飯原発・高浜原発の再稼働ができなくなります。

    昨年出た福井地裁判決とどう違うかと言うと、
    今回は仮処分申立ですから、運転差止め仮処分命令が出ると
    この命令はただちに効力を持ちます。
    つまり、福井地裁判決のなりゆきがどうあれ、権利保全命令ですから
    原発を動かすことができなくなります。

    司法が現実に、原発の運転を差止めるケース、
    司法が現実に原発を止める、恐らく日本で最初のケースになるんじゃないでしょうか。

    この審尋が3月11日、福井地裁において行われ、決定は出ませんでしたが
    高浜原発については、恐らくは3月中に差止めの決定がでるのではないか、
    との期待が高まっています。
    また、大飯原発については、5月20日に次の審尋が行われることが決まりました。
    どうなるか、全く予断を許しませんが、高浜原発については
    今月中にも運転差止決定の出る公算が非常に高いのが現状です。」

じゃけえさんのスピーチ中に、仕事帰りの原田さんが参加。
哲野と一緒にチラシまきに回ります。
次に哲野がスピーチです。

哲野「いま、福井地裁で大飯高浜原発の運転差止仮処分命令出してちょうだいよ、と
   こういう裁判が行われております。
   これ、珍しい裁判でもなくて、昔マンションが建っちゃうと、陽が当たらなくなっちゃうと、
   これは日照権の侵害になると、現実にマンション建ち始めたよと、
   日照権侵害はまだ現実のものではないけれど、権利侵害は明らかなので
   裁判所にこの権利を保全してちょうだいと、
   そのためにはマンション建設を差し止める仮処分命令を出してください、と
   こういう裁判がよくありました。
   仕組みは全くこれと一緒です。
   今回の場合は、侵害される権利は大飯・高浜原発から250km圏住民の基本的人権、
   これ、人格権というんだそうですけど、権利侵害の恐れがあるのは関西電力よ、と
   こういう中身です。
   反原発の人たちが、この手法を使って原発運転仮処分命令を申し立てるケースは
   これまでも数多くありました。
   申し立てはこれまですべて却下となってきました。
   しかし、今回は福井地裁がこの申し立てを却下するのが非常に難しい状況、
   逆に言うと、日本で初めて、原発運転禁止の裁判所の仮処分命令が出る公算が非常に高い。
   というのは、申立側が使っている根拠、この根拠が他ならぬ福井地裁判決、
   昨年5月に出された、大飯原発の運転差止命令を出した福井地裁判決だからです。

   この判決では、大飯原発の運転(再稼働)は250km圏住民の人格権を侵害する
   現実的な危険性がある、ということで関西電力に運転差止を命じました。

   それと全く同じ論理構造で、今回仮処分命令申立が行われていますので
   逆に言うと福井地裁としては、この申し立てを認めざるを得ない、と、こういうことになります。

   オマケに担当する裁判長が、昨年福井地裁判決を出した、樋口英明裁判長ですから
   自分が出した判決と矛盾する決定を出すのがなかなか難しい。
   残る問題は、人格権侵害が緊急に保全しなければいけない権利なのかどうか、
   マンション建設とおなじように、日照権侵害が現実の保全を必要とするほど
   緊急なものなのかどうか、という点になります。
   この点も、今すでに高浜原発に限って言えば、原子力規制委員会から
   原子炉設置変更許可が出ていますので、マンション建設に例えれば
   もう計画中ではなくて、工事着工して半分くらいまで建っちゃいましたよと
   これは緊急に保全しなくてはいけませんね、とこういうことになる可能性が非常に高い。」

  「みなさん、これ非常に面白い裁判。
   というのは、訴えられているのは関電。
   中国電力の2.5倍くらいの売り上げを持つ、東電没落後、日本の電力会社のチャンピオンです。
   ボクシングに例えると、カシアス・クレイの3倍くらいの腕力を持つ巨大企業です。
   一方、訴えているのは、福井の市民たち、我々と全く変わらない、力も名声もない、普通の市民です。
   ボクシングに例えれば、蚊トンボ級のやせっぽちの無名の見るからに腕力のなさそうな、痩せこけたボクサーです。
   これがリングに上がって、さぁ勝負。
   結果を見るまでもなく、蚊トンボ級のボクサーが一発でノックアウトになるだろうことは明らかです。
   ところが今回はそうじゃない。
   蚊トンボ級のボクサーが繰り出した、必殺パンチが、関電の急所にヒット、
   もう、関電フラフラ、裁判官忌避とか、コーナー際に追い詰められている、
   いま10カウントアップ中です、カウントアップが始まったのが、2月半ばくらいからでしょうか、
   今現在、7、8、数えている感じでしょうか、10カウントで終了ゴングが鳴るのが3月末という見通しです。
   司法が現実に原発を止める、この歴史的な事件に、私たちは今、遭遇しようとしています。
   マスコミが騒がないので、みなさんピンと来ないかもしれませんが、
   現実にこの決定が下りれば、やっとマスコミもわかって大騒ぎ、となることは請け合いです。
   みなさん、大飯・高浜原発運転差止仮処分命令申立事件、
   この事件のことを頭に入れておいてください。」

次は原田さんです。

原田「みなさん、司法が現実に、即刻に原発を止める、このようなことが現実になる、
   その時が近づいてきています。
   関西電力高浜原発に運転差止めの仮処分命令が出される見通しとなっています。
   原発にもう未来はありません。
   原発を推進する人たちは、まだなお、原発再稼働を進めようとしていますが
   原発がもたらす放射能被害がどのようなものか、
   今から4年前の福島原発事故で私たちは思い知ったのではなかったでしょうか。
   原発に、未来はありません。
   事故を起こさなくても私たちの生活空間に大量の放射能を流している、
   その存在自体が私たちの生存権を脅かしているからです。」

最後に網野です。

網野「今日のチラシは、大飯・高浜原発 運転差止命令仮処分申立事件がテーマです。
    3月11日に第2回目の審尋がありましたけれど、結論から言って、
    高浜原発については審理終了、決定を3月末までに出す、
    大飯原発については5月20日に第3回目の審尋を行う、ということです。
    大飯原発と高浜原発の審理が分離された理由は、
    高浜原発には原子力規制委員会の原子炉設置変更許可が下りている、
    つまり保全の必要がある、それに対して、大飯原発については
    まだ規制委員会の審査が続行中であり、緊急に保全する必要があるかどうか
    これは双方の言い分を聞いて見なきゃ判断つかない、とこういうことだと思います。

    公算としては、高浜原発運転差止命令が出る可能性が、非常に強いという状況となりました。

    関西電力は事実上、自分の敗北を認めるような動きをしました。
    3人の裁判官の忌避申し立てを行いました。

    (3人の裁判官の忌避申し立ては3月13日に福井地裁で却下となりました。
     これを受けて関西電力は上級裁判所である名古屋高裁金沢支部に即時抗告。
     現在、金沢支部の決定待ち、という状況です。
     裁判に負けそうで、裁判官を忌避する、これがしょっちゅう認められると裁判が成り立ちません。
     ですから忌避申し立てが認められるのは、非常にまれなケースです。
     今回も、恐らくは金沢支部は却下するでしょう。
     言ってみれば、関西電力の時間稼ぎということになります。
     というのは、今のところ、裁判長の樋口英明氏が3月いっぱいで福井地裁異動となる見通しで
     4月になれば、新たな裁判長のもとでこの審理が進むことになるからです。)

忌避申し立てについて鹿島弁護士の見解
(大飯・高浜原発仮処分支援の会)

http://adieunpp.com/karisasitome/150313kihi_kasima.pdf

    今日のチラシはそれ以外に、審理の過程で出てきた準備書面の内容をかいつまんで
    みなさんにお伝えしております。

    例えばですね、関西電力の詐欺行為。
    原発の安全性というのは、日本においては地震に強いかどうかは外せないポイントです。
    これ、基準地震動といって、地震に対する耐震性の目安がきまっています。
    基準地震動が上がれば、当然、地震に対する抵抗力は強くなる、と考えるのが普通です。
    大飯・高浜原発も、現在の地震動は旧指針から新指針に変わるときに上げられました。
    耐震性が増した、ということです。
    ところが、基準地震動を上げるということと、それに対応した耐震補強工事をするということは
    別物だと関電は主張するのです。
    基準地震動は上げたけれど、耐震補強工事は必要ないというんです。
    しかも、地元の人たちには安全性が増したと宣伝しておいて、
    耐震補強工事はしませんとは一言もいわなかったのです。
    これって、詐欺ですよね。

    このチラシでは準備書面の内容をかいつまんでご紹介してますので
    是非目を通してください。

    お騒がせいたしました、ありがとうございました。」

元安橋に帰ってデモ終了。
翌日土曜日に、第60回伊方デモを予定しており、
そのチラシをつくろうということで、早々と全員で事務所に引き上げ
チラシ作りにとりかかりました。
それがこのチラシです。
伊方原発から大量に放出される、トリチウムに焦点を当てました。

http://hiroshima-net.org/yui/pdf/20150314.pdf

これもお目通しください。

以上ご報告いたします。   

第125回3.11特別版広島2人デモ 2015.3.11報告

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みなさま
(いくつかのメール・メーリングにお送りします)

毎度毎週お騒がせしておりますが
今週バタバタして3.11特別デモの報告が遅れました。
遅まきながら、ご報告いたします。

広島2人デモをはじめたのは2012年6月23日。
金曜日に歩くことにしてますが、3.11は特別ということで、2013年から必ず歩くことに決め、
2014年、2015年と今年で3回目になります。

問題は、広島のみなさんに、今年は何をポイントに訴えていくか。
同時に、これはチラシの企画でもあります。

哲野「思い切って引いて、遠景から見なきゃいけないよね。
   やっぱり全体を見回して、何が根本問題なのかをしっかり見据えることが今大事だと思うよ。」
網野「それは私も感じる。汚染水流出、作業員の方が生き埋めで亡くなる、
   K排水路から汚染水が流れた、3号機のガレキ撤去で放射性物質が飛散した、
   トリチウム水放出問題で福島の漁民の方々が反対している、
   避難している方々がなかなか戻れない、帰還を諦めた人もかなり出ている、
   そんなニュースが流れるたびに、世間があっちへワー、こっちへワーっと揺れる。
   これが今の実情じゃないか。」
哲野「マスコミにしてもそうだ。一時ぱったり止まっていた福島原発事故ものが
   3.11が近づくに従って記事量が増え、3.11が過ぎれば、またぱったり止まる。
   もう、マスコミ自体、3.11を季節もの扱い。
   広島では有名な「8.6もの(ハチロクもの)」というジャンルが出来上がってしまっているが
   福島原発事故もそろそろ「3.11もの(サンテンイチイチもの)」
   というジャンルになっちゃうんじゃないか。
   しかもほとんどが、美談か、お涙ちょうだいか、どっちかだ。
   だんだん、広島原爆に似てきたね。なかなか本質問題に行かない。
   だからやっぱり、不充分ではあるだろうけど、思い切って引いてみて、遠くから眺めてみて
   その中で個別の問題を見てみたいよね。」
網野「思い切って引いてみて、根幹の問題はなんだろうね」
哲野「やっぱり、事故が継続中だ、ということじゃないか。」
網野「継続中だということは、なぜ言えるか?」
哲野「そりゃ、福島原発敷地の外へ、放射能が出ている、
   しかも計り方によって色々だけども、法律が定めた放出量よりも、10倍の放射能が出ている。
   敷地外に流れている、これだろうね。
   法令が一定量の放射能を環境に放排出することを認めていること自体、おかしいんだけども
   その法令の10倍の放射能が今なおかつ、敷地外へ流れ出している、これがまず根幹だろう。

   次に、原子炉内の剥き出しになった大量の放射性物質、これがいつ、なんのきっかけで
   現実的には地震だろうと思うけども、一斉に飛び出してくるか、
   誰も絶対大丈夫だと言えない状態にある、これが2番目だよね。

   3番目は、日本の法律で、具体的には原子力災害対策基本法だけども、
   こういう事態には、日本の国力を挙げて事故終息に向かいなさい、と書いてある。
   そのためには、内閣総理大臣、国の最高権力者にあらゆる権限を集中して
   事故終息に当たれと、そう読めるように書いてある。
   現状、そうなってない。
   内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言中、原子力災害対策本部長として
   全力を挙げて事故解消に取り組め、と読めるように書いてある。
   言ってしまえば、国家の一大事だからね。
   ところが現状そうなってない。
   原子力災害対策本部は、いまや開店休業状態。
   マスコミは福島原発事故を過去の出来事として扱いはじめている。
   大きく引いてみると、これが根幹の問題のように僕は見える。」
網野「私らド素人ですら、そう思うのに。専門家はそれに気が付かないんだろうか。」
哲野「いや、なかなか、どうして、僕らが気が付くんだから、彼らが気が付かないはずがない。」
網野「どうしてそう言えるの?」
哲野「特定原子力施設監視評価検討会ってのがあるだろ。
   もう、32~3回くらい開いてるけど。
   特定原子力施設っていうけど、中身は事故を起こした東電福島第一原発だけ。
   この会合をず~っと読んでると、ポロポロっとその懸念を出席した人が出してる。
   それで僕も、あ、そうなのかと教えられたわけだ。教えてくれたのは彼らだよ。
   ただ、声高に大声では言わない。
   ひとつには、政治的配慮があるんだろうね。そんなこと言えば帰還政策は空中分解だし。
   東京オリンピックなんざ、とんでもないって話になる。
   だから、大声で言わない。専門家同士で話あって、なんか解決策を見つけようと、こういう事だと思うよ。」
網野「つんぼ桟敷に置かれてるのね、わたしらは。」
哲野「ま、言ってしまえばそうだ。
   しかしそれでいいわきゃない。最も肝心な我々が知らない、これが最大の問題ともいえる。
   彼らが上手く処理してくれてるんだったら、それも一方法かなと思う。
   しかし、明らかに事態は悪化してる。
   もう、黙ってちゃいけないんじゃないか。」
網野「でも広島の一介の市民が、何言ったってどうしようもないという考え方もあるよね。」
哲野「そりゃそうだよ。だからといって、黙っていようってなるか?」
網野「ならんなぁ。」
哲野「だろ?今回のチラシのテーマはこれだなぁ」

ということで、極めて不十分ながら、この大テーマに取り組んだのが以下のチラシです。

▼第125回チラシ
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150311.pdf
▼タイトル

「福島第一原発は今⑧
福島原発事故は継続中、廃炉のメド立たず」

▼トピック
1.福島第一原発による原子力緊急事態宣言と特定原子力施設の意味
2.福島原発 第2過酷事故の危険は全く去っていない
3.やっと見えてきた中期的全体観-リスクだらけの敷地内
4.全体が放射性廃棄物置き場と化している敷地内
5.3号機ガレキ撤去に伴う放射性物質拡散事件
6.2015年2月に明らかになったK排水路汚染水流出事件
7.海水配管トレンチ汚染水問題とは
8.あくまで凍土壁遮水工法に固執する東電・鹿島の320億円
10.本来の強力な権限を使おうとしない原子力災害対策本部長(内閣総理大臣)

ちょっと先走りますけども、例によってチラシページビューのアクセス数を見てみて、
哲野の目が点になりました。
3月11日水曜日のページビューが8,014。
哲野「なんじゃこりゃ?」
網野「3.11チラシのページビューの数だけど。」
哲野「ほお・・・!」
網野「やっぱり、全体観を眺めてみたいと思う人は多いってことだね」
翌、3月12日の同じく3.11チラシのページビューは8,834。
通常、チラシをアップロードした時に、ページビューがわっと上がり、なだらかに下がっていくものですが
このチラシに限っては、2日目のほうが上がっているという現象になりました。
3日目の3月13日は1,284、3月14日は1,953。
4日間合計で20,085。
ひとつのチラシのページビューが、2万を超えたのは初めてです。
やっぱり関心が高い、ということだと思います。
そういえば今日(14日土曜日)、タバコを買いに行ったお店のママさんが、
「私最近思うけど、原発とか、被曝とか、そういう問題に対する関心は高まってると思うよ、前に比べて」
と言っていたのを思い出します。

前置きが長くなりました。

集合場所に到着してみると、じゃけえさんと原田さんがもう来ていました。
哲野「原田さん、良くこの時間帯に間に合いましたね。」
原田「もう、私は今日、これだけ。仕事は今日は欠勤届を出したの。」
なかなか見上げた根性です。
警察「今日は他にデモがあります。一部コースが重なってますけど
   時間帯がずれているので大丈夫とは思いますが、」
   もし、出会ったら、トラブルのないようにお願いします。」
哲野「え?何のデモがあるの?」
網野「原発反対の3.11デモがあるのよ。
   ほら、原爆ドーム前、もう集まってるよ。」
哲野「去年は3.11はなくて、人の集まりやすい土日じゃなかったっけ?」
網野「うん。でも今年は3.11にやることに決めたようだね。」
哲野「そうかぁ。そうだよなぁ。
   やっぱり、3.11にやってこそ、意味があるもんなぁ。
   本来は3.11は、国民の追悼日に、喪に服す日じゃないといけない。
   休日にしなきゃいけない。
   国民全体が3.11をしっかり考える日にしなきゃいけない。
   やっぱり3.11にやってこそ、意味があるよね。」

警備の警察の方と指令書の確認をして出発です。

▼今日のプラカードは3本、6枚です。

▼植え込みに立てた3本のプラカード

▼出発前の元安橋。晴れた日の美しい夕方でした。

たった4人なのにスピーカーを持って、チラシまきをやって、プラカード3本をどう持つか。
網野がいつものとおり、スピーカーを抱え、プラカード2本、
スピーチをする人間がプラカードを持ちながらスピーチをすると決めました。

トップバッターはじゃけえさんです。

じゃけえ「ご通行中のみなさま、商店街のみなさま、毎度お騒がせしております。
     毎週金曜日に歩いている、広島2人デモです。
     今日は3月11日ということで、3.11特別版広島2人デモを行っております。

     2011年3月11日から今日で4年経ちました。
     東日本大震災が起きた日でもありますが、福島第一原発事故が起きた日でもあります。
     そして、福島原発事故は今も継続中です。
     原子力緊急事態宣言は2011年3月11日に発令され、今も解除されていません。
     日本は今も、原子力緊急事態宣言下にあります。

     福島事故は継続中なのに、3.11を忘れないとか、追悼するとかいうのには
     少し違和感を覚えます。」

▼出発前に撮影しましたが、広島平和公園の雁木(原爆ドーム対岸)で行われていた
 東日本大震災の追悼イベントの様子。

じゃけえ「地震や津波は確かに大きな災害でした。
     その出来事は、大きな爪痕を残し、問題解決に当たらなければならないことは事実ですが
     地震や津波そのものは、4年前の出来事です。
     しかし、福島原発事故は、4年前に発生し、現在進行形の出来事です。

     時間の経過とともに、福島原発事故の放射能の影響は、
     薄れていくと思っておられると思いますが、実態的にはその真逆です。
     環境に対する放射能の影響はますます悪化の一途を辿っています。

     原発事故は終息するどころか、第二の苛酷事故の危険をはらんだままです。
     第二の苛酷事故が起れば、日本の国土の半分に人が住めなくなる、そういう事故です。
     事故発生当時も、最悪の事態であれば、東京首都圏を含んで
     東日本に人が住めない状態になっていたかもしれない、
     いまもなお、その状態になる危険性をはらんだまま、の状態です。

     原子炉内にはまだ大量に核燃料が残っています。取り出せない状態にあります。
     なぜ取り出せないのかと言うと、放射線量が高すぎて、誰も近づけないのです。
     原子炉建屋が壊れてしまえば、中に残っている大量の放射能は
     外気に飛び出してしまします。

     今日は3月11日です。
     福島原発事故が起って4年目です。事故は継続中です。」

プラカードを見る人は多かったように思います。
中には怪訝な顔で見る人もあります。
中には、立ち止まって食い入るように見るおばあちゃんもいました。

次に、原田さんです。

原田「今日は3月11日です。
   4年前の3月11日、同じ日に、日本で2つの大きな事件が起きました。
   ひとつは東日本大震災です。
   地震と津波で多くの方の命が失われました。
   もう一つは福島原発事故です。
   人によって、様々な意味を持っている日だと思います。

   この大災害から受けた喪失感、特に直接被害に遭われた方々の喪失感は
   4年では癒されないと思います。

   今私たちにとって大切なことは、この大災害から学ぶことだと思います。
   学ぶことのなかで大切なことは、いかに災害を避けるか、だと思います。

   地震は地球の動きです。人間がコントロールできるものではありません。
   地震の発生に対して、あらゆることを想定して準備をしておく、
   これ以上に出来ることはありません。これ以外に避けることはできません。

   しかし、原発事故による放射能災害は違います。100%人災です。
   自然災害を受けた方は被災者ですが、原発による放射能災害を受けた方は被害者です。
   原発による放射能災害が、人災である以上、これは人間がコントロールできます。
   避ける方法は、あるということです。

   地震の巣のような日本列島の上に、たくさんの原発が運転稼働している状況を
   心配していた人たちは、福島原発事故前からたくさんいました。
   日本は地震列島であること、原発がどんなものであるか、良く知っている人たちは
   このような原発事故が起るであろうことを、予想していました。

   原発事故そのものは、福島事故前から、色々ありました。
   その日本で最初の原発苛酷事故は、福島で起りました。

   福島原発事故は、東日本大震災による地震と津波で原因のように見えます。
   現象面から見ればその通りです。
   しかし、よくよく調べて見て、また、国会事故調報告など読んでみると、
   東日本大震災による地震と津波はひとつの偶然のきっかけにすぎなかったことがわかります。
   言い換えれば、福島原発事故のような苛酷事故は、どの原発にも起り得るということです。
   次の原発苛酷事故がこの広島を襲う可能性もあるということです。

   広島から一番近い原発、わずか100kmしか離れていない伊方原発、
   伊藤園の伊に、方向の方と書いて、『いかた』と読みます、
   この存在をご存知でしょうか?

   原発事故による放射能災害を避けるためには、どうしたらいいか。
   これは私たち広島市民にとってみれば、伊方原発による放射能災害を避けるには
   どうしたらいいかという問題になります。
   原発事故が、人災である以上、原発事故を避ける方法はあるはずです。
   それは伊方原発の再稼働をしないことだと私は思います。」

原田さんのスピーチの最中に、少し年配の男性がチラシまきをしている哲野と並んで歩き始めました。
少し、お酒が入っているようです。
哲野に、さかんに何か話かけます。
酔っぱらっているので、意味がとれません。
哲野「一緒に、歩いてくれているんですか?」
男性「そうよ!そうよ!僕はあんたと一緒に歩いてるよ!」
哲野「ありがとうございます。原発に反対ですか?」
男性「そうよ!僕は、反対よ!あんなものは、潰してしまわなきゃいかん!」
哲野「僕もそう思います。」
しばらく、哲野にさかんに話しかけていましたが、そのうち
男性「頑張ってよ!頑張ってよ!」
と声をかけながら立ち去っていかれました。
今日の参加者はこの男性を含めて、5人になるのでしょうか?

次に哲野です。

哲野のスピーチは今日は音声ファイルで報告いたします。
http://www.inaco.co.jp/hiroshima_2_demo/pdf/20150311_tetuno.mp3

哲野のスピーチ中、あたりは少し静まりました。
また、修学旅行中らしい、高校生の団体がちょうど本通りをあるいていて
何人かの生徒さんが、原田さんにチラシを求めてきました。

次は網野です。

網野「今日は、3.11なので特別に歩かせていただいております。
   商店街の皆さま、ご通行中の皆さま、少々お騒がせします。申し訳ございません。

   福島第一原発敷地からは、放射能が、法外な放射能がいまも出続けています。
   新聞テレビが騒がないので、汚染水ばっかり騒いでいるので、
   もう大丈夫なんでしょ、もう終わったんでしょ、と思っている方、結構多いと思います。
   これは見方にもよるんですが、悪化してるという言い方もまた成り立ちます。
   悪化してるというと、さっきネクタイを締めたビジネスマン風の方が変な顔をしてこちらを見てました。
   なにを馬鹿なことをいうとるんや、4号機のプールから燃料は全部取りだしたじゃろ、
   原子炉建屋にはカバーもしとるじゃろ、順調にいっとるじゃないかと。
   そんな顔をされてました。
   確かに、4号機プールから燃料取り出したと、これは大きな前進です。
   というのは、まず、燃料を取り出すこと、そしてこれを安全に密閉隔離すること、
   これが廃炉工程の第一期ですから、その意味では喜ばしい事なんです。
   それは間違いありません。
   4号機プールから燃料を取り出したのは、核燃料が健全だったからです。
   1~3号炉、1~3号炉のプール、ここから核燃料を取り出すのは、大仕事です。
   メドも立っていません。
   今お配りしているチラシの中に原子力規制庁がまとめた中期マップを掲載してます。
   これ、経産省がつくったいい加減な廃止措置に向けたロードマップとは違って
   かなり、現実味のあるマップです。4号機プールからの取り出しは、これに照らしてみれば
   長い長い第1期工程のほんの手始めにすぎません。

   悪化してるというのは、敷地境界線の放射線量が上がっている。
   なぜ上がっているのかというと、敷地内に置かれている低レベルから高レベルまでの放射性廃棄物が
   杜撰に、野積みになっているからです。
   東電は、カバーをかけているとか、箱にいれているとか、言っていますけれど
   本来はキチンと密閉管理しなければいけないようなシロモノです。
   汚染水タンクだって、屋外にそのまま設置なんて、本来ありえません。
   雨風をよける、屋内管理にすべきなんです。
   鉄板一枚ですよ、あのタンク。
   汚染水といっても、中には放射能そのものといっていいくらい、高濃度の汚染水もあります。
   こんなもの、戸外に置くようなものではありません。
   
   本来なら、国が先頭に立って、国費を、惜しみなく使って、
   この状態を解消する、こうしなければなりません。

   今日は、3月11日、4年前に東北大震災が発生した日でもありますが、
   福島原発事故が起った日でもあります。
   そしてこの日、福島第一原発事故による放射能のため、
   原子力緊急事態宣言が、あ、もうすぐですね、午後7時3分に発令されました。
   もうすぐ、7時3分になります。
   これ、いまだに解除されていません。
   いま、日本は、原子力緊急事態宣言中、言ってみれば非常事態継続中です。
   これ、みなさん、どうか忘れないようにしてください。
   忘れるも忘れないも、いまはじめて知ったと言う方もいらっしゃると思います。
   はじめて知った方はその意味をじっくり考えてみてください。

   私たちが、しっかり、監視しておかないと、安倍さんは、あの~首相の安倍さんのことですけど
   ぜんぜん仕事をしません。
   仕事しないどころか、しなくてもいいことばっかり、約束破りなことばっかりしてます。
   私たちが安倍さんに仕事させなければ、福島原発事故はいつまで経っても終わりません。
   安倍さんが出来ないなら、クビにすべきなんですけどね。

   私たちが現状をしっかり知っておくこと、これが安倍さんに仕事をさせるキーポイントです。
   私たちがつくったチラシを、そのための材料の一つに使っていただければ幸いです。

   福島原発が第二苛酷事故を起こす可能性はない、と誰も断言できない状態で
   政府の政策として、福島の人を戻す、というのは、それはないと思います。
   戻る戻らないは、本人の判断です。
   正しい判断のできる、情報を伝えなければなりません。
   だから、苛酷事故の危険はあるけども、それでも戻る、というのであれば
   それは私たちがとやかく言う問題ではありません。
   ですが、そうではなくて、どんな危険がこれからあり得るかと言う事を言わないで
   帰還政策を採るのであれば、それは一種の騙しだと思います。
   
   お騒がせいたしました、ありがとうございました。」

元安橋に戻ってデモ終了。
その後、4人でお茶会となりました。
チラシは15部刷って、残りは1部。
ほとんど取りに来た人でした。

なお、3月13日(金)の第126回デモの報告は近々ご報告します。

以上ご報告いたします。